Z世代を中心に巻き起こるファッショントレンド“Y2Kファッション”(year 2000)。
Y2Kファッションとは、1990年代後半~2000年代に流行った、厚底ブーツやルーズソックス、肌見せなどいわゆるアメリカのギャルファッションを由来としたファッショントレンドです。
当時のエネルギッシュな雰囲気をZ世代の若者たちなりの視点で解釈され、アメリカ、日本、韓国などのトレンドを取り入れた令和版のギャルファッションが注目されています。
楽しみ方は、Y2Kテイストを全身のコーディネートに取り入れる人や、ところどころに要素を取り入れる人までさまざま。
今回のコラムでは、アパレルを中心に流行しているY2Kファッションの中から、Y2Kの要素をとりこんだ雑貨・小物アイテムにフォーカスしました。
Y2Kファッションの特徴ともいえる、ポップなカラー使いや、ちびT、クロップド丈、へそ出しルック、ミニスカートなどに合う小物雑貨などが多数出ています。
Y2Kコーデのアクセントになるアイテム、取り入れるだけでY2Kの雰囲気を味わえるアイテムなどを分析して紹介します。
目次
Y2Kファッション雑貨・アクセサリー/モチーフ
まずはファッション雑貨・アクセサリーから探してみましょう。
Y2Kコーデにできるファッション雑貨・アクセサリーと、Y2Kっぽく見えるモチーフの2つの軸でご紹介します。
出典元:https://gocart.jp/pages/f-cts-y2k
Y2Kテイストになれるファッション雑貨・アクセサリー
ファッション雑貨編
- ヘアピン
- メッシュキャップ
- アームカバー(アームウォーマー)
- エナメルボストンバッグ
さまざまな形があるヘアピンですが、シンプルなものよりも、カラフルでポップなものに注目が集まります。
前髪を差し色にもなるヘアピンでとめればポップでエネルギッシュな印象に。
同じ色のものを付けて統一感を出したり、色違いで複数個つけてカラフルにしたりと、手軽にさまざまなアレンジができます。
メッシュキャップは2000年初期頃に主流だったキャップですが、2010年代は「new era」のようなベースボールキャップが流行し、ファッションアイテムとして使われることは少なくなりました。
Y2Kブームに乗じてブームが復活したメッシュキャップは、原色使いや主張の激しいロゴなど、どこかダサさが感じられるアイテム。
令和のファッションに取り入れると、スケートボードやHIPHOPなどのストリートカルチャーを再現したスタイルにマッチします。
人気のアパレルブランドからもレトロなメッシュキャップが販売されているのが見られます。
アームカバーは2000年代、パンク系のファッションを好んでいた人たちの間で流行していた模様。
最近では、Y2K風の衣装を着用したK-POPアイドルが身に着けている事からブームが発生したようです。
アームカバーは、Y2Kファッションとしてよく取り入れられる、ちびT、クロップド丈のTシャツを使ったコーデをはじめ、かわいい系・かっこいい系のテイストのコーデどちらにも相性抜群。
当時の原宿パンク系ファッションとして流行っていたアイテム、改めて見ると万能でかわいいファッションアイテムのようです。
Y2K、K-POP好きのZ世代女子から注目を集めています。
バッグはミニバッグ、エナメルのミニボストンバッグを使うのが令和流。
エナメルの質感とポップなカラーリングが懐かしくもクールで、Y2Kコーデにぴったりです。
コンパクトなサイズのミニボストンバッグは差し色にも使えます。
アクセサリー編
- ベリーチェーン(ウエストチェーン)
- ウォレットチェーン
- チョーカー
- タトゥーブレス
- 携帯育成ゲーム
腰に巻き付けるベリーチェーン(ウエストチェーン)や、パンツの片側に垂らすウォレットチェーンなど、チェーン系のアクセサリーを見て2000年前後の雰囲気を思い出す方もいるのではないでしょうか。
ベリーチェーンは人気再燃中の“へそ出しルック”の魅力をさらに高めてくれるアイテム。 少し似たアイテムに「チェーンベルト」もありますが、こちらはパンツのベルトループに通すだけなので、より手軽にコーディネートに取り入れられます。
ウォレットチェーンと聞くと、ストリートファッションやバイカーファッションとセットでイメージする方も多そうですが、近年のY2Kブームにおいては写真のようにポップで可愛らしいデザインのものも販売されています。
首元を美しく飾るチョーカーにも注目。 モードなデザインやキュートなデザインなど、服装に合わせて選ぶ楽しみがあり、ほどよい存在感も人気のポイントのようです。
安室奈美恵の影響で流行したと言われているタトゥーチョーカー/ブレス/リング。
水に強いテグスを編み込んで作られており、プールや海などの夏っぽいロケーションにもよく似合います。
Y2Kブームにおいては、複数の色のテグスをミックスしたり、ビーズや金具を挟み込んだり、チャームを付けたりと進化しているようです。
90年代後半、世界中で大ヒットした携帯育成ゲーム。
たまごっちが代表格ですが、アメリカのZ世代はコーディネートにポップなY2Kテイストを加えられるアクセサリーとして楽しんでいるようです。
Y2Kテイストになれるモチーフ
- バタフライ
- ブラックレター
- ラインストーン
バタフライモチーフが大人気だった2000年代。
ヘアアクセサリーに始まり、キーホルダーやファスナーチャーム、ラインストーンで蝶を描いたTシャツなどのアイテムがみられます。
K-POPカルチャーや、推し活カルチャーで人気の手作りビーズキーホルダーにもバタフライモチーフのビーズが取り入れられるなど、Y2Kテイストを表現できる人気モチーフのひとつです。
ブラックレターとは、もともと12-15世紀の西洋で使われていたゴシック体のフォント。
後に新聞やアパレル、バンドのCDジャケットなどに使われるようになり、その個性的なフォルムが反抗的でかっこよく見えます。
2000年代、ブラックレターがデザインされていたアパレルアイテムがよく見られていたようで、Y2Kファッションに取り入れることで当時の雰囲気を演出できるモチーフとなっています。
ラインストーンで文字や絵がデザインされたTシャツは最近ではあまり見かけなくなっていましたが、Y2Kブームにより再熱。
ニットキャップやジャケットなどでもラインストーンが並べられたアイテムが見られます。
当時のギャルたちの間ではガラケーなどの持ち物をデコるのがトレンドで、とにかくラインストーンでキラキラしていた印象。
現在では推し活をしているZ世代の間でトレカケースやチェキホルダーをデコる文化が見られます。
ラインストーンはアパレルだけでなく雑貨・小物類などのグッズにも反映できそうですね。
Y2K雑貨・小物アイテム
続いてはファッション雑貨以外のアイテムを使ってY2Kファッションを再現する方法を探ります。
それぞれ、注目度が上昇するきっかけになった理由もさまざまです。
- ビーズキーホルダー
- スマホストラップ
- チュッパチャプス(棒キャンディー)
ビーズキーホルダーは推し活での手作り文化やK-POPトレンドから再熱。
K-POPアイドルが手作りしたものや、スマホケースに付けた写真を投稿したことで注目が集まりましたが、2000年代のギャルがガラケーにたくさんのキーホルダーを付けていた様子とも通ずるところがあるように感じます。
飾りすぎず手作り感のあるキーホルダーが、Z世代の個性を尊重しながら目立ちすぎないというスタンスと重なります。
スマホを使うタイミングが多い現在、ポケットがない服を着ているときなどに便利で、ファッションアイテムとしても発達してきたスマホストラップ
2000年当時にはショルダータイプのスマホストラップはありませんでしたが、いまではさまざまな素材・色・形のアイテムが登場しています。
Y2Kにおけるスマホストラップは肩から斜め掛けすることで「差し色」「チェーン」「ビーズ」などを使用したバッグのように使われ、幅広いトレンドを抑えることができます。
2000年当時のギャルやストリートスタイルのファッションを着ていた若者の間では、キャンディーをなめながら町を歩く様子は馴染みある風景でしたが、現在はマスク生活が続いていることもあり、手を出しにくいお菓子に。
しかし、Y2Kファッションを展開するブランドがSNSに投稿した写真に写った、棒キャンディーをくわえたモデルが一部で話題となり、ストリートファッションと相性がいいことに気づいたZ世代たちがファッションの一部として、ストリート感・POPな雰囲気の演出のために取り入れ始めました。
チュッパチャプスからは、タイムパフォーマンスを重視するZ世代向けに、半分の大きさのキャンディーが発売されているようです。
メンズもY2Kファッションを楽しむ
Y2Kファッションはギャル要素を取り入れたファッションのため、楽しんでいるのは女性が多いように感じます。
しかし男性の間でも2000年代のテイストが取り入れられているようです。
当時のファッションを令和版のフィルターに通してみてみると、取り入れたい要素がメンズファッションにおいても見られました。
ストリートファッション
スケーター、HIPHOPなどの要素を取り入れたストリートファッション。
太めのバギーパンツにオーバーサイズのTシャツやジャケット、キャップやバンダナなどをコーディネートしたスタイルです。
Y2Kが流行する前からこのようなファッションは定着していましたが、昨今のトレンドの影響から、派手さや当時の雰囲気を感じるようなコーディネートも見られます。
アメカジ
アメリカンカジュアル(アメカジ)スタイルに欠かせないのがデニム。一時人気が下火となったともいわれているデニムは、いまではセットアップで着られるほどの主役アイテムに。
オーバーサイズジャケット×フレアジーンズ、ジャストサイズTシャツ・タンクトップ×ルーズフィットジーンズ、など”Gパン”を使ったコーディネートもY2K風のサイズ感にするのがトレンド。
デニムパンツやデニムジャケット以外にもバッグやキャップなど、デニムアイテムは市場で多く見られるので、取り入れ方を工夫する余地はありそうです。
2000年代のファッションアイコン
当時世間の人々の憧れであったファッションアイコンたちの様子をみてみると、現代のトレンドと重なる部分が見えてきました。
サッカーイングランド代表のキャプテンとしても活躍したデイビッド・ベッカムは、世界中で大人気の選手でした。
髪型やファッションもとにかくオシャレで、さまざまトレンドを巻き起こしました。
ゆったりとしたシルエットのジャケットと太めのデニムパンツを合わせたコーディネートカジュアルスタイルからスーツスタイルまで、今見ても参考にしたいポイントがたくさん。
ちなみに現代のストリートファッションでは、サッカーのユニフォーム風のジャージなども流行中。
ジャニーズの大人気グループで数々の名曲を残したSMAPの“キムタク”こと木村拓哉さん。
「若いころのキムタクがかっこよすぎる」とSNSなどで度々話題になり、アメカジファッションに身を包んだ当時の写真が掘り起こされます。
デニムやレザージャケットを使ったアメカジ風コーディネートと長髪が似合う“キムタク”に憧れる男子も多くいることでしょう。
Y2Kのテイストをグッズに取り入れるポイント
ライブ・コンサートのグッズやキャンペーン景品などにもトレンド要素として取り入れたいY2Kテイスト。
若い世代をターゲットにしたコンテンツで展開すれば、トレンド性の高さに注目が集まるでしょう。
グッズにY2Kのテイストを取り入れる方法とポイントを考察します。
グッズの定番“バッグ”にY2Kを取り入れる
オリジナルグッズの定番アイテムであるバッグ。
トートバッグやエコバッグなど定番人気アイテムにはじまり、会員特典や福袋の外装代わりにもなる、幅広い展開シーンが見込めます。
バッグにY2Kを取り入れるポイントとしてあげられるのは「素材」と「形」。
トレンドのデニムを使ったコーディネートから着想を得た、デニム生地のトートバッグやミニバッグなどもトレンドとリンクするでしょう。
ラインストーンとも相性が良いので、バタフライモチーフやロゴを描いても良いでしょう。
エナメルもY2Kらしく見える素材。
トレンドのミニバッグとの相性がよく、前述のとおり「ボストンミニバッグ」の形がクールでキュート。
ボストンバッグ型のポーチなどもかわいくなりそうですね。
ショルダータイプも人気があるので、トートバッグでもハンドルを長くしたり、ショルダーを追加してファッショナブルにしたりするものおすすめです。
ロゴやアイテムをY2K風に
バッグやTシャツに2000年代の企業ロゴを取り入れてみても、レトロ感が演出できます。
アイテムはY2Kトレンドに乗っ取り、レザーやエナメル素材、大きめもしくは小さめなバッグなど、メリハリのあるコーディネートができる素材・形状を意識すると良いでしょう。
2000年代まだ存在していなかったアイドルやバンドのロゴを、“もし2000年頃結成していたら”のイメージロゴを描き起こしてみるのも良いかもしれません。
まとめ
Y2Kファッションは、さまざまなトレンドを巻き起こすK-POPのガールズグループも盛んに取り入れており、新しいギャルの姿を表したようなファッショントレンド。
しかし、2000年代のようなエネルギッシュで尖ったマインドを持っているのはメンズファッションにも映し出されており、当時のファッションアイコンのような服装に良さを見出しています。
あえて古い、ダサくみえるようなアイテムにチャレンジし、飾らないカッコよさ・逆にカッコイイファッションを楽しんでいるのが、Z世代らしい点であるといえます。
「当時の再現」というよりも、レトロブームのように「SNS×フィルムカメラ」「銭湯風居酒屋」「当時の絵柄で描かれた現代のイラスト」など、「懐かしい」だけで終わらず、懐かしさと現代のテイストを掛け合わせて令和版にアップデートされているのが近年のトレンドであると考えられます。
企業やアーティストの企画として、レトロ要素を取り入れた施策が市場で見られますが、話題になるコンテンツは「懐かしい」だけじゃない、令和版にアップデートされた要素が含まれています。
グッズにY2Kファッションのトレンドを取り入れるときは【2000年のトレンド】と【2022年のトレンド】を見比べることが必要です。
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セウヘイ
株式会社トランス社員。私服は大きめのサイズ感。
Y2Kファッションは今やトレンドを超えてひとつのジャンルとして定着した感じがします。Y2Kテイストな鮮やかでメリハリのある刺激的なグッズが企業から展開されたら、「お、この会社なんかおもしろいことやってる!」と思われるのではないでしょうか。