オタク消費に期待が集まる昨今、さまざまな形で行われているファン活動「推し活」と推し活グッズについて解説していく 「推し活事情を学ぶ」シリーズ第6弾。
キャラグッズとしても定番で常に人気のある「ぬいぐるみ」。
推し活・オタ活シーンでは、「キャラぬい」そして「推しぬい」と呼ばれてファンから愛されています。
今回は、そんな推し活で人気のぬいぐるみを可愛がるファン心理と、実は非常にニーズのある、ぬいるぐみを収納するポーチについて解説していきます。
女子の推し活で頻出する「推しぬい」とは
推しのぬいぐるみ、略して「推しぬい」。
アニメやゲームのキャラの場合は「キャラぬい」とも呼ばれていますが推しているキャラやアイドルの「推し」をディフォルメしたぬいぐるみなので、「推しぬい」や「ぬい」と呼びます。
今、主に女性の推し活シーンで、アクスタと並んで人気なのがこの「推しぬい」です。
「推しぬい」の特徴は、10~15㎝とやや小ぶりなサイズで、特に人間キャラクターや男性アイドルのグッズでよく製作されていることです。「推しぬい」でGoogle画像検索すると、キャラグッズのぬいぐるみと、推しぬい向けの着せ替えアイテムなどの多彩なグッズが見られます。
基本的な形はどれもよく似ていますが、ディフォルメされたデザインでも、目のバランスや表情でキャラクターごとに特徴をおさえたぬいぐるみが多いことがわかります。
フィギュアブランドの「ねんどろいど」と並んで、特に女性ファンに人気が高い「推しぬい」ですが、ねんどろいどなどのフィギュア商品より比較的リーズナブルな価格です。アーケードゲームのプライズ商品としても展開されていることが多く、学生でも手にしやすいことも推しぬい人気の要因のひとつかもしれません。
推しぬいを持ち歩く「推しぬい収納ポーチ」
そんな推しぬいには、高さ10~20㎝前後と一般的なぬいぐるみのSサイズほどのものが多く見られます。
一般的なクマのぬいぐるみが抱きしめやすい20~30㎝なので、推しぬいももっと大きくてもいいのでは?と思われそうですが、このサイズが多いことには理由があります。
バッグやポケットに入れて持ち歩きやすく、写真にも撮りやすく、簡単なお洋服の着せ替えがしやすい、大人の女性にとっても、扱いやすく、ほど良い大きさなのです。
推しぬいは、普段は部屋の中に飾っておきますが、外出先や旅行先、人によっては日々の出勤・通学にも連れていきます。
連れて歩く前提のことが多いので、サイズも小ぶりで、多くの場合はぬいぐるみにもボールチェーンが付いています。
そんな推しぬいを連れ歩く際に、必須になるアイテムが「ぬいぐるみ収納ポーチ」です。
ぬいを連れて歩きたいけど、汚したり、なくしたりしたくない…そんなニーズから生まれたぬいぐるみポーチ。
中見せタイプの痛バッグや、クリアポーチと同じようなもので推しぬいぐるみがぴったり入る小ぶりのサイズのものなどがあります。
【推しぬい収納ポーチのポイント】
- ぬいぐるみが見えるクリアPVC素材
- ぬいぐるみにシンデレラフィットするサイズ
- 推し色に合わせられるカラバリ
- 自分でカスタマイズしやすいシンプルデザイン
- バッグに付けられるストラップやカラビナ付き
推しぬい用としてのニーズをおさえたポーチにはこのような要素が入っていることがポイントになります。
クリアPVC×布 ポーチ
中見えしながら推し色展開ができるポーチ
縁取りやパイピングをあしらったクリアなポーチ。単体推しはもちろん、コンビ推しや箱推しの場合、同型で色違いポーチを揃え、それぞれにぬいを入れて連れ歩くことも多く、縁取りやパイピングの部分のカラーにバリエーションがあると、推し活では喜ばれます。
また、上の写真での中央のもののように、一回り小さいサイズのポーチにはリュック型のものも。猫キャリーで人気の宇宙船カプセル風デザインのもの可愛くて人気があります。
ミニリュックポーチに小さなぬいぐるみやフィギュアを入れて、少し大きめの推しぬいに背負わせる、という遊び方もできます。
クリアPVCポーチ
推しぬいがクリアに見せられてカスタマイズもしやすい
全面がクリアなシンプルなバッグ・ポーチ。汎用性が高く、自分で推しぬいポーチをアレンジしたい人に人気があります。
そのままぬいを収納して持ち歩き、出し入れするだけではなく、痛バッグ作りと同じように、ポーチの中に綺麗な布や紙で推しの概念やカラーを差し込む、アクセやリボンでデコレーションする、などのカスタマイズをすることもあります。
ぬいを1体ずつ入れられるタイプのほか、2体セットで並べて入れられるサイズと形のものもあります。コンビやカップルのキャラ推しにはこういった形が喜ばれます。
ベルト・持ち手付きポーチ
バッグにぶら下げられる、ぬいのサイズで使い分けできる
持ち運びに便利なベルトや取っ手、ストラップのついたもの。推しぬいのサイズに合わせて金具の付け方を変えられる縦横両用のものも、汎用性が高く喜ばれます。
ぬいを入れたポーチをバッグの中に入れて出かけ、イベントやライブ会場に付いたらポーチを取り出して手持ちする、というシーンが多い推し活現場では取っ手付きの推しぬいポーチは重宝します。
取っ手やベルトではなくとも、ボールチェーンやストラップのように、バッグにぶら下げられるタイプも人気です。
手のひらサイズの推しぬいとポーチの場合は、ボールチェーンタイプが邪魔にならず扱いやすいかもしれません。
推しぬいポーチの使い方
推しぬいをポーチに収納、と言っても、ただ収納するのが目的ではありません。
普段は部屋に飾っている推しぬいをわざわざポーチに入れるのは、
推しぬいと一緒にお出かけするためなのです。
【推しぬいと一緒に行くところ】
- 散歩やカフェ巡り
- 推しのイベント、コンサート
- 推し活友達との集まり
- 旅行(聖地巡礼も含める)
TwitterやInstagramなどのSNSでは、素敵なカフェでのドリンクや料理とともに撮影された推しぬいの写真を見ることができます。また、バッグから取り出すことはなくても、いつも一緒にいる感覚を楽しみたい人は、ポーチに入れたぬいを学校や職場にこっそり連れていきます。ちょっとしたお守りのような感覚で身につけている人も多いようです。
中には、日常生活、旅行先のさまざまな場所でぬいぐるみ撮影を行い、ぬい自身が旅行したり日々の生活を過ごしているように見せる、推しぬい専用のアカウントも多く見かけます。
(若者が多く集まる繁華街のアーケードやアニメショップ付近、コンサート会場付近を歩いていると、上記のような推しぬいをポーチに入れて持ち歩く女性を見かけることもあるので、ぜひ意識を向けてみてください。)
余談:推しの「概念」と「概念」グッズ
推しぬいやキャラぬいとは別で、ファンアートやファンの創作グッズ、推し色ファッションコーデなどでたびたび使われる言葉に「概念」というものがあります。 キャラの何かを彷彿とさせるイメージグッズや、カラーリング、モチーフ、イメージコーディネートに対して使うことが多く「概念グッズ」「概念コーデ」と呼ばれており、推し活シーンでは欠かせないキーワードの一つでもあります。
推し活事情④オタクと文字の文化事情でも解説しましたが、
推し活する人(推し持ち)には
推しの名前や推しの好物など、「推し」を連想させるものや存在そのものを概念として捉えて楽しむ傾向があります。
そのため、キャラクターの絵をそのまま姿印刷したグッズではなく、キャラクターグッズとは無関係なものの中から、「一見したら普通のデザインとカラーリングだが、ファンから見たらあのキャラっぽい、あのキャラが持ってそう」と連想できるものを見つけては、「概念グッズ」(※)として、こっそり楽しむ人も多く存在します。
「概念」といってもピンとこないかもしれませんが、そのキャラやアイドル、人物をイメージでき、連想できるもの、代名詞的なアイテムをあしらったグッズを概念グッズと呼びます。
(戦国武将の織田信長をイメージしたグッズで、家紋の織田木瓜のモチーフを使うのと同じ感覚です。)
推し活向けのキャラクターグッズを製作する上では、上記のような「概念」の感覚を知っておくといいかもしれません。
(※)フィギュアスケートの羽生結弦選手が試合で愛用するおなじみの「くまのプーさん」ティッシュケース。オリンピックではキャラクターグッズを持ち込むことができないため、2022年冬季北京オリンピックでは、羽生選手はプーさんとよく似た色合いでフワフワした黄色地に赤い飾りがついたティッシュケースを会場に持ち込んでいました。
その様子はWEBニュースやSNSでも取り上げられ、「羽生選手がプーさんの概念ティッシュケース持ってる!」と話題に。こういったものも「概念グッズ」と呼ばれています。
「推しぬい」は大事な「うちの子」
推しキャラや推しアイドルのぬいぐるみグッズ「推しぬい」。
ファンは、推しぬいに対して、推しのキャラやアイドル本人と同一視しているというより、推しから派生した、「小さき命」であり「うちの子」として可愛がる傾向があります。
ファンにとっての「ぬい」たちは、ただのキャラグッズではなく、推しの姿をデフォルメした「推し」の分化した存在。
恋人、家族、友人、ペット、相棒、のような可愛がり方をし、推し活だけではなく、日々の生活の中に溶け込みます。
そんな推しぬいのいる生活に欠かせないのが、推しぬいポーチや収納ケース。
推しぬいは様々なIPから数多く製作されています。それを収納するためにシンデレラフィットするポーチにもまた、潜在的なニーズはあるのではないでしょうか。公式グッズのかわいいポーチが、実は公式グッズの推しぬい収納にもぴったりサイズだった…などの仕掛があったら、ファンはさらに盛り上がるでしょう。
推し活ライフを彩るサポートアイテムについて解説してきました。
オリジナルの推しぬい・キャラぬいポーチ製作については、ぜひトランスにご相談ください。
コラム【推し活事情を学ぶ】シリーズ
推し活事情を学ぶ①推し活って何するの?編
推し活事情を学ぶ②アイドルグッズ考察
推し活事情を学ぶ③今どきアクスタ事情
推し活を学ぶ⑤オタクの女子会近況編|ホテルの推し活宿泊プラン
推し活事情を学ぶ⑥推し活定番「ぬいぐるみ収納ポーチ」|小さき命「推しぬい」とオタク
推し活事情を学ぶ⑥推し活定番「ぬいぐるみ収納ポーチ」|小さき命「推しぬい」とオタク
推し活事情を学ぶ⑦推しを守るグッズ集|進化系アクスタ収納アイテム
推し活事情を学ぶ⑧最新痛バッグ|今どき推し活は「“痛くない”痛バッグ」
推し活事情を学ぶ⑨推しキーホルダー研究|カスタマイズして作る推しグッズ
推し活事情を学ぶ⑩フラッグ・硬質ケース・バルーンフラワー|イマドキ推し活「新・三種の神器」
推し活事情を学ぶ⑪作中登場・アイテム再現グッズ|大人オタクに刺さる「ごっこ遊び」グッズ
推し活事情を学ぶ⑫推しピクニック(ヲタピク)|仲間と楽しむアウトドア推し活
推し活事情を学ぶ⑬推し活写真(フォト)|ぬい撮り・アクスタ撮影の基本
推し活事情を学ぶ⑭ヌン茶・ヌン活|推し活×アフタヌーンティーがSNSで話題♪
推し活事情を学ぶ⑮【推し活インタビュー】オタクに推し活状況を聞いてみた『歌い手編』
推し活事情を学ぶ⑯本人不在の誕生日会(生誕祭)|お店や自宅で推しの生誕をお祝い♪
【推し活インタビュー】推し活事情を学ぶ⑰オタクに推し活状況を聞いてみた『2.5次元舞台編』
推し活事情を学ぶ⑱推し活グッズサイズ図鑑|ちびからビッグサイズまで調査
推し活事情を学ぶ⑲推し色とは?|切っても切れない推し活×色の関係
推し活事情を学ぶ⑳推し活に年齢は関係ない。シニア世代でも盛り上がる「推し活」
推し活事情を学ぶ㉑概念推し活とは?日常でもこっそり推し活を楽しむ方法
推し活事情を学ぶ㉒「推しとデート」推しとの思い出がたくさん作れるオタ活の楽しみ方
推し活事情を学ぶ㉓「推し部屋」自分と推しだけの特別な空間を作る
白峯アサコ
推しぬいに限らないことですが、ぬいぐるみやお人形って1体迎えるとその子が仲間を呼んでしまうそうです。実際、私も気づけばどんどんぬいぐるみが増えてしまいがちです。
連れ歩くことはなくても、ぬいたちがホコリを被らないように収納ポーチは結構重宝します。