数年前から若い世代を中心に拡大しつつあったメンズコスメ市場ですが、最近では30代以上の男性も美意識が高くなり、幅広い年齢層の人が注目しているジャンルであることがわかってきました。
それに伴い、メイクには興味があるけれどメイクの仕方がわからないという男性のためのメンズメイク検定も新たに登場し、話題になっています。
ここでは急成長中のメンズコスメ市場の実態と、注目のメンズメイク検定や人気コスメアイテムなども詳しくご紹介します。
急成長中のメンズコスメ市場
メンズコスメ市場の活況ぶりが注目されていますが、その理由はコロナ禍とも関係が深いようです。
長引く自粛やマスクによる肌あれ・乾燥といった肌トラブルに向き合うようになった男性が増え、シェービング需要が低下する一方で、スキンケアやメイクアップアイテムに人気が集まっています。
市場拡大の理由は「肌トラブル」と「オンライン映え」?
もともとは美容大国・韓国の男性アーティストなどの影響もあり、一部の男性にとってスキンケアやメイクアップはすでに日常的になっていたようです。
しかし近年のマスク着用による肌トラブル解消のためのスキンケアや、コミュニケーションが対面からオンラインへと移行したことによるオンライン映えのためという2つの主な理由により、メンズコスメ市場が一気に拡大したといわれています。
参照:PR TIMES
メンズメイクブームの真の立役者は30代~40代
メンズコスメ市場と聞くと10代20代の若者が中心のマーケットだと思いがちですが、実は30代後半から40代前半の男性がビジネス目的での自己投資としてメイクアイテムを購入するということがわかっています。
その理由として、メイクをすることがビジネスにおける身だしなみの一つであると捉えていることが大きいようです。
参照:PR TIMES
メンズコスメ市場で売れているアイテム
それでは数あるメンズコスメアイテムで実際に選ばれているのは、どのようなアイテムなのでしょうか。
人気が集まったのはオールインワン(多機能性)の化粧水、乳液、ジェルなどの基礎化粧品などで、まずは肌トラブルを防止するための健康的な肌づくりという点に重きを置いている人が多いようです。
メンズコスメ 人気ブランド5選
続いては、そのラインナップやコンセプトから人気を集めているメンズコスメ5ブランドをご紹介していきます。
BULK HOMME(バルクオム)
バルクオムは、今年に入りメンズメイク市場にも参入したことで知られる、人気メンズコスメブランドの一つです。
ブランドネーミングの由来であるBULKは英語で「容器の中身」、HOMMEはフランス語で「男性」を意味しますが、パッケージデザインにそのコンセプトが表れています。
バルクオムの洗顔料、化粧水、乳液のパッケージはシンプルなパウチ容器です。
そこにBULK(中身)で勝負するというこのブランドの思いが込められています。
NULL(ヌル)
引用元:https://store.mens-null.net/
NULLのコンセプトは「全ての男性を美しく」。
かっこよくて美しいという、かつては相反すると思われていた要素を兼ね備えたいという男性に向けたメッセージです。
NULLのアイテムの中ではBBクリーム、除毛クリーム、日焼け止めクリームなどのメイクアイテムに人気が集まっています。
メイクをしたいけれど、していることを気づかれたくないという男性の声が多かったことから、16回の試作を経て様々な男性の肌色に合わせたBBクリームを開発したそうです。
ORBIS Mr.(オルビスミスター)
引用元:https://www.orbis.co.jp/contents/product/mr/
女性用コスメブランドORBISのメンズライン、ORBIS Mr.です。
SIMPLE、DISCOVERY、FRAMERESSという3つのコンセプトを掲げています。
毎日使うものだからこそシンプルで洗練されていること、一人ひとりの個性や魅力を引き出すこと、性別・年齢などの既成概念にとらわれない価値感を持つことをモットーとしています。
ナイトクリームやオイルコントロールスティックなど、豊富なラインナップも特徴のひとつです。
BOTCHAN(ボッチャン)
ポップなイラストが特徴的なBOTCHAN®は「『男らしく』から脱け出す」ことがテーマになっています。
ネーミングの由来は日本を代表する作家・夏目漱石の作品「坊ちゃん」だそう。
小説の中の主人公は、型にはまった生き方にもがきながら大人になっていく様子が描かれています。
その姿を現代の若者に重ね、ニュートラルな価値観で多様性を認めながら自分の好きなモノを選んでいくことに対して背中を押しています。
お香つきのフェイスマスクや、スタイリッシュなサコッシュ付きのセットなど、性別問わず手に取りたくなるようなラインナップです。
QUATTRO BOTANICO(クワトロボタニコ)
引用元:https://www.quattro-botanico.com/onlineshop/
「枯れない男の肌メンテ」がキャッチフレーズのQUATTRO BOTANICOは、そのネーミングにも反映している通り、厳選した植物原料を使用した製品開発を中心に行っています。
男性の肌トラブルを乾燥、ハリ、毛穴、皮脂だとした上で、この4大トラブルに対処する4種類の植物エキスを使用しており、クワトロ(4つの)ボタニコ(植物)というブランド名の由来にもなっています。
いま注目のメンズコスメブランドをご紹介してきました。それぞれのブランドごとに明確なコンセプトがあるので、ぜひ商品選びの参考にしてみてください。
続いては、話題のメンズメイクに特化した検定についてご紹介していきます。
メンズメイク検定
引用元:https://mensmakekentei.com/
昨今、K-POP男性アーティストなどの影響を受け、日常的にメイクをする男性も増えているようですが、中には見よう見まねだけでメイクをするのは難しいという方もいるかもしれません。
そんなメンズメイク初心者に向けて、メイクに興味はあるけれど上手にできなくて悩んだという自らの経験をもとに、男性にメイクを楽しんでもらうというコンセプトを持って生まれたのがメンズメイク検定です。
メンズメイク検定は3級から始まり、1級まで取得することができる認定ライセンスです。2級以上のライセンス取得者は、メンズメイク検定の講師やメイクスクールの運営など、ビジネスに活用することができるそうです。
参照:https://mensmakekentei.com/about/
ロジックで学ぶメンズメイク
男性をメインターゲットとしたメンズメイク検定では、受検者が学びやすいように下記のようなコンセプトをもうけています。
1 感性だけでなく、ロジックで学ぶことができる
男性にとって学びやすいように、比較やステップなどを多用しています。
2 メイクをチェックしてもらえる
メイクを学んだもののスキルを体得できたのかどうかはわかりづらいものですが、実技試験(2級以上)ではメイクの完成度を確認してもらうことができるそうです。
興味のある方は3級(Web試験のみ)は無料で受検できるので、試してみてはいかがでしょうか。
メンズコスメブランドのプロモーション事例
次に、メンズコスメブランドが行ったプロモーション事例をご紹介していきます。
ノベルティキャンペーン(バルクオム)
引用元:BULK HOMME
前述のバルクオムは公式通販サイトで洗顔料・化粧水・乳液の3ステップ定期コースを申し込んだ方に、初回購入時ヘアバンドのノベルティをプレゼントするというキャンペーンを行っています。 また、継続に応じて様々な種類のノベルティと交換できるマイレージプログラムもあります。
バルクオム定期コース:https://bulk.co.jp/lp?u=BUL_brand_SC_V_303#lp-form
コスメアイテムをダンスで表現したプロモーション動画(オルビス)
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lux2GE5nh54
同じく前述したORBIS Mr.シリーズは、多様化する社会の中で個性を発揮しながら「調和」していく社会づくりを後押ししたいという思いから開発されたブランドです。
そのMr.シリーズの発売を記念し、ORBISは世界中で活躍するダンスグループ「s**t kingz(シットキングス)」とコラボし、洗顔料と化粧水をダンスで表現するというプロモーション動画「Harmony and Identity」を公開しています。
「調和の中の個」というテーマで表現されたダンスはオリジナリティに溢れており、公開しているYouTubeチャンネル上のコメントからも高い評価を受けていることがわかります。
中には「もともとオルビスユーザーだったけれど、この動画をきっかけに夫のためにMr.シリーズを購入した」という女性の声もあり、男性だけでなく女性からも幅広い支持を得ています。
「Harmony and Identity」:https://www.youtube.com/watch?v=lux2GE5nh54
企業向け「肌マネジメント研修」(資生堂)
引用元:https://corp.shiseido.com/seminar/jp/beauty/skin-management/index.html
資生堂ジャパンは、2018年4月より男性スキンケアに特化した企業セミナー「肌マネジメント研修」を行っています。海外ではすでに常識とされる『見た目は仕事に影響する』という考えのもと、男性にも外見のセルフマネジメントの重要性とその効果を認知してもらうというものです。
第一弾はサイバーエージェントの新入社員、続いてプルデンシャル生命保険株式会社、第三弾は東京海上日動火災保険株式会社の若手男性社員に対して行われました。
参照:https://www.excite.co.jp/news/article/Leafhide_beauty_news_iYHtenOOeU/
現在では対面形式のセミナーの他、オンラインでも行っているようなので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
資生堂「肌マネジメントコース」:https://corp.shiseido.com/seminar/jp/beauty/skin-management/index.html
従来の固定観念からジェンダーフリーというマインドセットへ
メンズコスメ市場の拡大を示す数字に注目が集まる一方で、この現象はジェンダーレス化への過渡期にすぎないという声もあります。消費者は女性用、男性用というジャンルを問わず、自分に合うものを求めているという結果なのかもしれません。
今後、商品開発において、今までの固定観念に囚われないマインドセットが重要になってきそうです。
メンズ向けの商品企画やプロモーション企画をご検討の際は、ぜひ弊社営業担当までご相談ください。