eスポーツ市場が隆盛する中、ゲーム実況者(配信者)として市場を牽引する「ストリーマー」。
eスポーツファンやゲーム実況ファン、ゲーム系YouTuber・Vtuberのファンなどにはすでに周知されており、ゲームを取り巻く界隈ではすでに高い人気と影響力を持っているストリーマーですが、具体的にどのような活動をしているのかピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
今回は、Twitch・YouTube やe-sports大会などで活躍するストリーマーとはどのような人たちなのかについて解説します!
ゲーム業界のストリーマーとは
オリンピック競技の候補となったことも記憶に新しい"eスポーツ"。
eスポーツに対する世間の注目度が高まるとともに、「プロゲーマー」や「ストリーマー」という言葉を耳にする機会も増えました。
しかし、「そもそもストリーマーとは何のこと?」「どんな活動をする人たちなの?」と、トレンドが目まぐるしく変化する昨今のYouTubeやゲーム業界用語に混乱気味の方も多いのではないでしょうか。
ストリーマーとは、配信でゲーム実況や解説をする人のこと
ストリーマーとは、ゲーム実況やゲーム解説動画、eスポーツのライブ映像などを配信する人のことを指し、eスポーツストリーマーと呼ばれることもあります。
「ストリーマー」は日本語にすると”配信者”の意味になります。
元々はライブ配信を行う人のことを「配信者」と呼んでいましたが、eスポーツをはじめとするゲーム配信で生計を立てている人のことをライブ配信者とは別に「ストリーマー」と呼ぶようになってきました。
ですので、現在メディアやSNS上で「ストリーマー」と紹介されている人々は、主にゲーム配信・ゲーム実況を行っている人のことを指していると考えてよいでしょう。
ストリーマーは、Twitch(ツイッチ)※やYouTubeにおけるゲーム配信・ゲーム実況の再生回数、視聴者からの投げ銭などを主な収入源として活動しており、ゲーム業界における新たな職業としても注目されています。
ストリーマーとして人気を得るには、ゲームのプレイングスキルに加えて、視聴者を楽しませながらゲームを実況できるトークスキル、定期的にゲーム配信を続けられる継続力が求められます。
最近では、eスポーツ関連のテレビ番組やイベントにストリーマーが出演し、プレイヤーや解説者として活躍する機会も増えてきています。
Twitch(ツイッチ):ライブストリーミング配信プラットフォーム。ここでの配信者はストリーマーと呼ばれている。PCゲーム、ニンテンドーswitch、PS5などとの連携が容易で、ゲームプレイの生配信に強い。eスポーツ大会の独占配信も行っており、世界中のプロゲーマー・ストリーマーの多くがこのプラットフォームを中心に活動している。
ストリーマーとは少し異なる、eスポーツのプロゲーマー
ストリーマーとプロゲーマーの違いとして挙げられるのが、収入源。
ストリーマーがゲーム配信による視聴者からの投げ銭などで収益を得る一方、
プロゲーマーは、eスポーツ競技大会に出場し獲得賞金を得る、プロチームとしてスポンサードを受ける、などが主な収入源となります。
また、ストリーマーはゲーム実況を行うため、視聴者を楽しませるためのトークスキルや、視聴者からの投げ銭・チャットにレスポンスをしながらのプレイなど、ゲームスキル+αの器用さが求められます。
一方、プロゲーマーは競技としてeスポーツに取り組むアスリートです。
eスポーツ競技で必要になるのは、何といってもゲームを上手にプレイするための高い技術。
高度なゲームプレイのためには、一般のスポーツ競技と同様に、動体視力・反射・集中力・体力・戦略などが求められます。
プロゲーマーと呼ばれるプレイヤーたちは、日々技術を磨くためのトレーニングを行っています。
eスポーツには様々な競技大会があり、ゲームタイトル(=競技種目)ごとにそれぞれ世界トッププレイヤー、世界トップチームが存在します。
現役プロゲーマーの中には、”eスポーツストリーマー”としてゲーム配信・ゲーム実況を行っている人もいますが、大会の準備期間中はトレーニングに集中するためにゲーム実況や雑談を交えた配信を控える場合も多く、ストリーマーとしてコンスタントに配信に割ける時間には限りがあるようです。
それゆえ、現役競技者を引退もしくは休止した元・プロゲーマーがストリーマーとして活動するようになることが多いようです。
現在YouTuberやVtuber、ストリーマーとして活動している人の中には、元々プロゲームチームに所属していた人、プロチームに誘われたが競技としてではなくマイペースにゲームを楽しむために辞退したエピソードを持つ人などもいます。
元プロゲーマーやプロゲームチームに所属していたことのある配信者たちは、当然ながらゲームの技術も非常に高く、このような背景を持つストリーマーの視聴者は、その高いプレイスキルを視られるゲーム配信を楽しみにしているようです。
代表的なストリーマーとは
ストリーマーの中には、eスポーツ選手兼プロゲーマーやゲーム実況者のほか 、ゲーム配信を活動の中心に据えているVtuber・YouTuberなども多数存在します。
メディア出演やゲームコラボ配信などで活躍している、代表的&おすすめのストリーマーをピックアップしてみました。
代表的な国内ストリーマーの例
SHAKA(釈迦) | Twitch |
---|---|
加藤純一 | Twitch |
k4sen | Twitch |
SPYGEA | Twitch |
jasper | Twitch |
スタンミ | Twitch |
StylishNoob | Twitch |
Clutch | Twitch |
らっだぁ | Twitch |
ライブ配信プラットフォームTwitch(ツイッチ)を中心に、ゲーム実況や解説、雑談などの配信を行っているストリーマー。
上記のストリーマーたちは、Twitch上でのチャンネル登録者数が約10万~60万人前後、月間の生配信視聴者数が約4000~1万5000人の、日本国内でトップクラスの人気を持つ人々の一部。
メディアへの出演や、YouTuberなどとのコラボなども行っています(※ゲーム実況が活動の軸となるストリーマーの場合、動画の再生回数が重要視されるYouTuberとは異なり、生放送配信の同時視聴者数のほうがより重要な数字になってきます。また、配信中の視聴者からの投げ銭なども重要)。
ストリーマーは、ゲームへの造詣の深さ、プレイスキルの高さ、雑談トークの面白さ、配信の頻度など、さまざまな魅力で人気を集めています。
eスポーツの世界大会で好成績を残した実績を持つ元プロゲーマーもいれば、高度なトークスキルやゲームに対する造詣の深さからeスポーツ大会の実況解説・ゲーム関連のテレビ番組に出演する人もいます。
また、ゲーム以外に雑談配信や動画投稿を行う人も多く、ゲームを中心としつつも活動の幅を広げているようです。
【ニコニコ動画時代から活躍するストリーマー】
人気ストリーマーの中には、加藤純一、恭一郎、蛇足のように、過去にはニコニコ生放送の実況主(実況配信者)や生主(雑談生配信者)、歌い手(歌ってみた投稿者)などで活躍し、持ち前のトークスキルやエンタメ性を活かし、現在は活動プラットフォームをTwitchやYouTubeへ移行してストリーマーとして活動を続けている人もいます。
【プロゲーミングチームに所属するストリーマー】
eスポーツの大会などに出場する”プロゲーミングチーム”に、ストリーマーが所属している場合もあります。
これには、ストリーマーの知名度や人気を利用して、チームの集客につなげる狙いもあるようです。
著名なストリーマーを擁するチームとしては、「CrazyRaccoon」(クレイジーラクーン)などが有名です。
Vtuberとして活動するストリーマーの例
Vtuberとして2DCG、3DCGの姿でストリーマーとしての活動を行っている人もいます。
プレイスキルに関係なくゲーム配信を楽しむVtuberが多いですが、中には「ぶいすぽっ!」メンバーのように、eスポーツ大会に競技者として出場し、優勝や入賞を果たすなど、現役eスポーツアスリートとしての実績とプレイスキルを持つVtuberも存在します。
以下ではストリーマーとしてゲーム配信を行っているVtuberの一部をピックアップしてみます。
渋谷ハル(Neo-Porte) | Twitch | Youtube |
---|---|---|
一ノ瀬うるは(ぶいすぽっ!) | Twitch | Youtube |
猫汰つな(ぶいすぽっ!) | Twitch | Youtube |
空澄セナ(ぶいすぽっ!) | Twitch | Youtube |
兎田ぺこら(ホロライブ) | Twitch | Youtube |
博衣こより(ホロライブ) | Twitch | Youtube |
さくらみこ(ホロライブ) | Twitch | Youtube |
小森めと(VApArt) | Twitch | Youtube |
歌衣メイカ | Twitch | Youtube |
上記のVtuberは、ゲーム系の配信で人気がある、ゲーム系Youtuberやプロゲーマーとのコラボ配信に参加する頻度が高い、などを基準に(筆者の好みで)挙げさせてもらいました。
ここで挙げた以外にも、ロボ子(ホロライブ)、葛葉(にじさんじ)、叶(にじさんじ)らのように、Twitch上ではアカウントを持って活動していないものの、ゲーム大会に出場するレベルのプレイスキルを持っている、自身のYouTubeチャンネル内でゲームプレイ配信をメインコンテンツとしている人もいます。
また、YouTubeやテレビ番組の対戦コラボ企画などにゲスト参加し、ストリーマーやプロゲーマーと共演するVtuberも多く存在します。
eスポーツ市場を盛り上げるストリーマーたち
日本国内でもeスポーツが盛り上がりを見せるようになり、地上波・BS含め、テレビでもeスポーツの専門番組がいくつも放送されるようになってきています。
こうした番組では、MC・進行はアナウンサーやゲームに造詣の深いタレントや芸人が行いますが、番組内で競技者としてピックアップされるプロゲーマーとともに、最近どんどん存在感を見せているのがストリーマーたちです。
ストリーマーたちは番組内でのゲーム解説や、ゲーム対戦企画でのゲスト出演もしています。
中にはこうした番組で、ストリーマーの名前を知ったという人もいるのではないでしょうか。
オリンピック新種目としても候補に上がるほど、世界的に盛り上がりを見せるeスポーツ。
しかし日本では、世界に比べるとeスポーツ文化がまだまだ世間一般に広まりきっていないのが現状です。
その中で、人気ストリーマーやストリーマーとしても活躍しているYouTuberやVtuberはこれまでゲーム関連に関心を持っていなかった層に向けてもeスポーツ文化を広める役割を担うことができると思われます。
ストリーマーが集結するリアルイベント
出典元:https://note.com/cmzgg/n/n18261ff6bc06#1d15403e-6378-4253-aefb-1de302a60f11
ストリーマーたちがオフライン&オンラインで集結するリアルイベントが2022年の8月に開催されました。
こちらのイベントはYouTuber事務所で知られるUUUM株式会社と株式会社Samurai工房の共同主催によるもの。
出演者は、国内トップクラスのTwitch(ツイッチ)登録者数を誇るストリーマー、業界で広く知られるプロゲーマー、プロゲーマーチーム「Crazy Racoon」や、ストリーマーとしても活躍しているYouTuberなど。
eスポーツ、ストリーマー、ゲーム関連のYouTuber・Vtuberの最前線を一挙に知ることができる、素敵なイベントとなりました。
「ストリーマーフェス produced by Crazy Raccoon & SHAKA」
「オールスター大運動会@代々木競技場 produced by 超滅 & Crazy Raccoon」
- 開催日時
- 2022年8月13日(土)・14日(日)
- 開催場所
- 代々木競技場・第一体育館
ストリーマーを取り巻くオンラインコンテンツ市場
オンライン配信でゲーム実況を行う、"ストリーマー"について解説しました。
ライブ配信プラットフォームのTwitch(ツイッチ)は、YouTubeに比べればユーザー数も配信者数も少ないですが、ゲーム配信においては集客力を持っています。
人気のあるストリーマーであれば、YouTubeよりもはるかに大きな収入を得ることもできるようです。
ゲーム実況・解説配信の収入で生計を立てる、職業としての「ストリーマー」も年々確立されてきています。
有名なストリーマーになると、ゲーム業界やオンラインコンテンツ業界で大きな影響力を持てることから、プロゲーマーと並び、憧れの職業となりつつあるようです。
Youtuber、Vtuberとの関わりも深く、eスポーツ業界を知る上でも欠かせなくなってきたストリーマーの存在。
オンラインコンテンツや、エンタメコンテンツに関わるビジネスを行っている方は、ぜひ定期的にチェックしていきたいところです。
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白峯アサコ
どれだけ最新機種になろうとも、どんなアクションゲームだろうとも私はどうしても「回避」コマンドが覚えられないのであらゆるゲームで「脳筋特攻・回復薬は常にフル装備」プレイスタイルです。