Web3.0とは?|できることやNFT、メタバースとの関係性を解説!
Web3.0とは?|できることやNFT、メタバースとの関係性を解説!

「Web3.0(ウェブスリー)」とは、2021年後半から急速に注目を集めている新しいインターネットのあり方を表す概念です。
新しいキーワードであるため、聞いたことはあってもまだピンとこないという人も多いのではないでしょうか。

トークンやプラットフォームのような仮想通貨とばれる暗号資産、NFT、メタバースなどを語る上でも重要になってくるのがWeb3.0の概念です。
この記事では、Web3.0はこれまでのインターネットとなにが違うのか、Web3.0により今後どのようにビジネスが変わっていくと考えられるのかについてまとめてみました。

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Web3.0とはどのようなものなのか

Web3.0とは、暗号資産、トークン、NFT、メタバース、プラットフォーム

「Web3.0」(「Web3」と表記されることもあります)が、トレンドワードとなり大きな注目を集めています。
Web3.0は近年になって生まれた新しい概念であり、まだはっきりとした定義はありません。既存のWebの問題点を解決できると期待されていて、次のあるべき姿を示す方向性のようなものと考えた方がよいでしょう。

これまでのWebの進化の流れを確認すると、Web3.0がどのようなものかを理解しやすくなります。

まずはこれまでの流れとWeb3.0を、以下の3つに分けて解説していきます。

  • Web1.0とは
  • Web2.0とは
  • Web3.0とは

それでは順に見ていきましょう。

Web1.0とは

「Web1.0」は黎明期のWebを指します。おおよその時期としては、1990年代半ば~2000年代半ばに当たります。実は時期以外の細かな定義はありません。次に示す「Web2.0」が提唱されたとき、Web2.0以前のWebに名前が付けられたものです。

詳細な定義がないとはいえ、一般的に言われる特徴として「情報の伝達が一方向・一方的」だということが挙げられます。インターネットの誕生により、誰でも広く情報を発信することができるようになりました。しかし黎明期は発信するためにサイト構築の知識が必要で、一部の発信者が作ったホームページを大多数が閲覧するのがふつうでした。つまりまだ送り手・受け手が固定化され、一方的なものだったのです。Web1.0ではホームページや検索サイトがWebの中心的な存在でした。

Web2.0とは

「Web2.0」は、現在我々が利用しているWebのことです。2000年代半ば~2010年代後半に生まれた言葉で、TwitterやFacebookなどのSNSやYouTubeのようなプラットフォームが登場し、ホームページを作る専門知識がなくても情報発信が可能になりました。

SNSでの投稿に対する「いいね」やコメントなどで誰でも反応することができ、双方向のコミュニケーションができるのが大きな特徴です。SNSやブログがWeb2.0の代表的なサービスとなっています。

情報発信が気軽に出来るようになった反面、問題点も指摘されるようになってきています。
Web2.0 ではプラットフォームも運営するプラットフォーマー企業に情報が集約されます。それは同時にそれらの企業よって、情報が操作・管理される可能性があります。プラットフォーマー企業のサーバーが不具合を起こしたりサイバー攻撃を受けたりしてしまえば、情報が漏洩したり、消失してしまったりするという危険性を孕んでいることも危惧されています。

Web3.0とは

そしてWeb3.0は、「分散」と「トラストレス」が特徴となる次世代のWebのあり方です。ブロックチェーンの技術などを用いたデータの分散管理が実現されると期待されています。

ブロックチェーンでは、ネットワークに参加しているコンピューター同士で直接やり取りすることが可能です。データを保存するときも、保存先をネットワーク内のコンピューターに分散させます。具体的には、まず一定期間のデータをブロック単位で記録します。そして次はほかのコンピューターに続きのデータをブロック単位で記録します。ブロックは1つ前のブロックの記録も保持しつつ鎖(チェーン)のように連結されます。こうしてチェーンをつないで多数のコンピューターにデータを保存します。「分散」がWeb3.0の1つめのキーワードです。

データの履歴はネットワークに参加しているユーザーに共有されます。データはブロックに細分化されたうえで暗号化されます。情報内容全体を把握するのが非常に難しくなり、セキュリティレベルが高まります。そしてすべての履歴が公開される高い透明性により、信頼性が担保されます。このように多数がチェックできる状態にあり、特定の第三者を信頼(トラスト)しなくても信頼性が担保されることを「トラストレス」と呼びます。「トラストレス」は2つめのキーワードです。

Web3.0ではブロックチェーンの技術が中心的な存在となります。Web2.0は双方向でありながらも大企業に情報が集中していました。それに対してWeb3.0では情報・権限が分散され、多方向の情報伝達も可能になると考えられています。

Web3.0でできること

Web3.0とは、暗号資産、トークン、NFT、メタバース、プラットフォーム

Web3.0では、Web2.0の問題点を解決できるようになると考えられています。Web2.0の問題としてはとくに次の2点が挙げられます。

  • 特定の大企業に個人情報が集中するプライバシーの問題
  • 中央集権型のサーバーに依存しているセキュリティの問題

「個人情報」には、検索履歴や嗜好も含まれます。サイトを見ていると表示される広告も、個々の検索履歴などをもとに表示されています。また現在は中央集権型のサーバーのせいで、サーバーがダウンするとシステム全体もストップしてしまいます。この問題は「単一障害点」とも呼ばれます。いずれもサービスを提供・管理しているのが一部企業に集中していることが原因です。

Web3.0ではこれらの問題も解決され、今後次のようなことが可能になると考えられています。

  • OSやデバイスに依存しないアプリの登場
  • クラウドストレージが変わる
  • 特定地域のアクセス制限がなくなる
  • サーバーが安定する

それぞれを具体的に見ていきましょう。

OSやデバイスに依存しないアプリ

今後、Web3.0ではOSやデバイスに依存しないアプリが登場する可能性があります。

Web3.0のアプリケーション作成は「イーサリアム」というプラットフォームを利用するのが主流となっています。イーサリアムはブロックチェーンを構築するためのオープンソースのプラットフォームです。例えて言うとOSのような存在で、分散型のアプリ「DApps」を作ることができます。DAppsの例としてはゲームなどがあり、OSやデバイスを選ばずに利用できます。スマートフォンのアプリを例にとると、iOS版はあってもAndroid版はないということがなくなります。

企業サイドからすると、OSごとにコストをかけることなくあらゆるOS・デバイスで利用できるアプリが開発できます。またユーザーにとっても、あらゆるアプリを複数のデバイスやOSをまたいで利用できるようになります。

クラウドストレージが変わる

Web3.0により、クラウドストレージが変わる可能性があります。

ブロックチェーンの技術を用いるWeb3.0では、データの記録・保存はサーバーではなく多数のコンピューターに分散して行われます。これは、Web3.0ネットワーク内にデータを保存する場所が必要になるということでもあります。
すでに提供されている分散型ストレージサービス「Filecoin」の例では、自分の空き容量を貸し出すと報酬が得られます。空き家を貸して家賃収入を得るようなものです。また報酬額は自分で設定できます。安く貸し出す人が現れて価格競争が起これば、ストレージの利用者としても低価格でサービスが利用できる可能性があります。

特定地域のアクセス制限がなくなる

一部の地域で現在行われているようなWebへのアクセス制限は、Web3.0ではなくなると考えられます。
分散型のネットワークには中央集権的な管理組織がないからです。技術的には、国籍や地域・性別などを問わずアクセスすることが可能です。まさに平等・対等な関係で情報をやり取りすることができるようになると期待されています。

サーバーが安定する

Web3.0によりサーバーが安定すると考えられます。
「P2P」(Peer to Peer「ピアツーピア」)と呼ばれる技術を活用することで、サーバーを経由せずユーザー間で情報を通信することが可能になります。P2Pは端末同士を対等な関係で直接つなぐものです。これにより1つのサーバーにアクセスが集中するのを防ぐことができます。その結果アクセス負荷によるサーバーダウンなどが発生しにくくなると考えられています。通信の安定・通信速度が向上する可能性もあります。

さらにデータの保存先が分散することで単一障害点の問題が解消され、セキュリティも向上します。ハッカーが対象を絞りにくくなると同時に、万が一ハッキングされたとしても細分化・暗号化されたデータ全体を解読するのに大変な手間がかかります。不正アクセスが減り、データ改ざん・情報漏洩・サービス停止といったトラブルがなくなると考えられています。

暗号資産、NFT、メタバースと密接に関係するWeb3.0

Web3.0とは、暗号資産、トークン、NFT、メタバース、プラットフォーム

ビットコインなど仮想通貨と呼ばれる暗号資産は、Web上の取引に使われる電子データの通貨です。「NFT」は鑑定書のように、商品となるデータが複製・偽造されたものではなく、不正なしに所有されていることを証明します。「メタバース」はインターネット上にある3次元の仮想空間です。リアルの空間のように他者とコミュニケーションを取ったり商取引を行ったりすることができます。

ビットコインなど仮想通貨と呼ばれる暗号資産は、Web上の取引に使われる電子データの通貨です。「NFT」は鑑定書のように、商品となるデータが複製・偽造されたものではなく、不正なしに所有されていることを証明します。「メタバース」はインターネット上にある3次元の仮想空間です。リアルの空間のように他者とコミュニケーションを取ったり商取引を行ったりすることができます。

メタバースの中での売買では、商品が本物であると示す必要があります。その証明となるのがNFTです。そして購入時の支払いは今後、暗号資産が主流となると考えられています。そのためメタバースでの商取引はNFTと暗号資産がますます重要となっていくと言われています。

Web3.0では特定のプラットフォームに情報が集中することがなくなり、情報が分散します。そして「DAO(分散型自立組織)」と呼ばれるユーザー自身の組織により意思決定がなされます。メタバースはWeb上にある、個と個の間のやり取りの場です。Webのコミュニケーションは、今後ますます「個」としてのアイデンティティが必須となっていきます。メタバースはWeb3.0に内包されたものと言えます。

Web3.0の今後の展望予想

現在のWeb2.0がWeb3.0に移行するにつれて、利用されるプラットフォームやアプリが変わり、移管などの対応も求められるようになっていくと考えられます。
例えばYouTuberは活動の場をYouTubeから新しいプラットフォームに移し、既存のコンテンツも移管していくのではないでしょうか。

事業者にとっても、Webを使ったマネタイズの方法が大きく変わっていくと考えられます。サービスを提供する対価として課金するのがこれまでのビジネスモデルでした。しかし今後はそういった既存のビジネスモデルが通用しなくなる可能性はあります。

GoogleやInstagramやTwitterなどのプラットフォーマー企業が中心となっていたWeb2.0の時代は中央集権的な「プラットフォーム経済」とばれています。Web3.0はそれらの中央集権から分散型のプラットフォームを生むとしたなら「トークンエコノミー」や今注目が集まる「クリエイターエコノミー」と密接に関わっていくのではないでしょうか。
NFTでのデジタルアートの高額売買が話題になっていますが、YoutuberやSNSインフルエンサーらクリエイターたちがプラットフォームをWeb3.0移行するようになっていけば、そこで新たなクリエイターエコノミーが形成されていく、ということも考えられます。

Web1.0の時代からWeb2.0への移行と同じく、Web2.0からWeb3.0への移行もいきなり転換するのではなく、ゆるやかに移行、もしくはWeb2.0と両立していくものになるのではないでしょうか。
あくまでも推測ではありますが、今後のWeb3.0への移行に乗るために、短期的にはブロックチェーン関連企業への投資、長期的にはブロックチェーンを介した個と個のコミュニケーションを促す施策や事業を企画する、などが考えられます。

Web3.0が広がる世界のイメージは、まだ漠然としており具体的にどうなっていくか未知数ですが、今後の進展に注視する必要があるでしょう。

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