【ゼロ・ウェイスト】 ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例
【ゼロ・ウェイスト】 ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例

「ゼロ・ウェイスト(zero waste)」という言葉をきいたことはありますか?
ゼロ・ウェイストとは、無駄・ごみ・浪費をなくし、廃棄物自体を減らしていこうという考え方のことで、すでに実践し始めている人もいるようです。
近年では、食品・飲料品や、洗剤などの容器を回収し再利用するサービスや、商品のパッケージ自体をなくすなど、ゼロ・ウェイストを目指した取り組みが行われています。
ということで今回は、企業が行っている、注目のゼロ・ウェイストに向けた取り組みの事例を集め紹介します。
人々の生活スタイルや、商品の流通形態に変化をもたらしているゼロ・ウェイストの取り組みについて探っていきます。

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ゼロ・ウェイストを目指す取り組み事例:容器の回収

生活していくなかで、食品のトレイや洗剤類のボトル、詰め替え用のパッケージなど、容器類のごみが多く発生しています。
そこで登場したのが、中身を使いきったら容器を回収するというサービス。
中身を充填して何度でも使える容器として、使用後の返却を促しています。
まずは、容器を回収しリユースするシステムの事例について解説します。

Loop(ループ)

【ゼロ・ウェイスト】ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例loop

プラごみを削減しようとしても、食料品や日用品はプラスチックに包装されており、その上ほとんどが使い終えたら捨てられてしまいます。
2021年に日本に上陸したアメリカ初のサービス、「Loop」は、使い捨てのプラ製容器の代わりに、耐久性の高いステンレスやガラスの容器に食品や調味料、日用品を充填して販売します。
ロッテのキシリトールガム、AGFのインスタントコーヒーや、味の素の本だし・鶏がらスープの素、資生堂のアクアレーベルなど、毎日使用する消耗品ラインナップされています。
回収した容器を洗浄し再利用することで、プラ製パッケージの廃棄を減らすことができます。
オンラインストアで購入した場合は宅配業者を呼ぶだけ、スーパーで買った場合は、店舗内の回収ボックスに返却するだけ。
消費者にはごみの分別も容器返却の手間もかからず、気軽に始められるサービスです。
ステンレスやガラスの容器は通常パッケージとは別のデザインとなっており、デザイン性が高いのも特徴です。

Re&Go(リーアンドゴー)

【ゼロ・ウェイスト】ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例 Re&Go

NISSHA株式会社が提供する「Re&Go」は、テイクアウト容器のシェアを行うサービスです。
カフェやレストランでテイクアウトの際にでる使い捨てのカップや皿をタンブラーやランチボックスに切り替え、Re&Goの加盟店ならどこにでも返却できるというシステムで、現在一部エリアで実証実験が行われています。
テイクアウト時と返却時にQRコードを読み込むことで、容器のレンタル情報を管理したり、容器のごみやCO2の排出量など、環境への貢献度を確認したりと、LINEと連携することで利用しやすい環境が整えられています。
車や自転車のシェアリングサービスのようなシステムをテイクアウト容器に置き換え、ゼロ・ウェイストを目指している事例です。

以上の2つの事例は、容器の回収やシェアリングを提供するサービスに、企業や店舗が参加していく、というシステム。
ゼロ・ウェイストを目指し、使い捨ての容器を削減していこうという取り組みです。
まだ展開して間もないサービスですが、今後参加ブランドや加盟店が増えることで、提供価格や返却システムの改善が見込まれるでしょう。
各地でごみの削減に関する対策が検討される中で、ニューノーマルとなり例と得る事例といえるでしょう。

mirume「朝ボトル」

【ゼロ・ウェイスト】ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例 mirume 朝ボトル

名古屋市にある日本茶カフェ「mirume」で提供しているサービス「朝ボトル」。
朝の通勤時に茶葉の入った300mlのボトルを購入し、飲み終わったら帰りがけに店舗に返却するというシステムで、預り金やレンタルの手続きなどもない信頼の上で成り立っているサービスです。
飲み切ったボトルに水を入れて振るだけで、3煎目まで美味しいお茶を楽しむことができ、カフェインの少ない水出しの緑茶で1日の水分補給ができます。
朝のレンタル時と帰りの返却時2回の来店機会があり、お菓子などをついで買いするユーザー多く売り上げは好調とのこと。
ペットボトルなど飲料のごみを減らす対策としては、マイボトルを使用することが定番となっていますが、使った後の手入れの手間に二の足を踏む人も多いでしょう。
そんな人の背中を押すサービスとも言えます。

カヨイ

【ゼロ・ウェイスト】ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例 カヨイ

新潟県の酒造会社、吉乃川が始めたサービス「カヨイ」。
特注のステンレス製徳利に日本酒を詰めて月一回配送してもらえるというシステムで、受付期間・徳利の返却期間・配送日が毎月決められています。

江戸時代、酒屋に徳利を持っていきお酒を詰めてもらい、空になったらまた徳利を持って買いに行く、という販売方式の「通い徳利」と呼ばれる文化があり、ここから着想を得たサービスです。
コロナ禍の家飲み需要に応え提供を開始したこのサービスは、酒造とユーザーのつながりをテーマにしています。
ステンレス製の徳利にはひとつひとつロットナンバーが刻印されており、ユーザー専用の「マイボトル」となります。

mirumeとカヨイの2つの事例は、容器の回収を行うサービスではありますが、もともとゼロ・ウェイストを目指すためのサービスではありません。
しかしながら、容器の貸し出し・返却を通してユーザーとつながることで、商品や店舗のファンとのコミュニケーションを継続しながら、環境にも配慮することが可能な事例と言えます。

ゼロ・ウェイストを目指す取り組み事例:ラベルレス・パッケージレス

ゼロ・ウェイストにつながる方法のひとつとして、商品のラベルやパッケージをなくすという取り組みに注目が集まっています。
ラベルやパッケージをなくすことで、ごみ削減に貢献できるだけでなく、製造にかかる資源とコスト、分別の際の手間を省くことができます。
話題を集めた事例についてご紹介します。

ゼロ・ウェイストスーパーマーケット 斗々屋

【ゼロ・ウェイスト】ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例 斗々屋

2021年7月に京都にオープンした、ゼロ・ウェイストをテーマにしたスーパーマーケット「斗々屋」。
海外では広く浸透しているセルフ量り売りシステムが大きな特徴です。
店内には食材が入った瓶が並び、必要な量だけピックアップし、販売している巾着、または持参した容器に入れて持ち帰ることができます。
スーパーで残った生鮮食品は、併設されているカフェレストランで調理して提供するため、ラベルやパッケージの削減だけでなく、食品ロスの削減にも貢献します。
食品だけでなく、量り売りの洗剤や石鹼、化粧品など豊富なラインナップを取り扱っており、ユーザーからは「ごみが劇的に減って快適になった。」という声が上がっているようです。

ラベルレス・パッケージレス商品

【ゼロ・ウェイスト】ごみやムダのない社会を目指す“容器返却“や”ラベルレス“の取り組み事例 ラベルレス パッケージレス

各飲料メーカーが進めている、「ラベルレス飲料」は、市場で見かける機会が増えました。
ごみが減らせるだけでなく、ラベルをはがす手間が省けるということで、消費者からも好評を得ています。
これまでは、食品表示法の観点から成分表や品名を印字しなくてはならないため、段ボールに表示し、通販サイトでまとめて販売するのが定番でした。
しかしここ最近では、単品でのラベルレス商品も店頭に並ぶようになりました。必要な成分表示を、面積の小さなタックシールに印字して貼付することで、表示義務をクリアしています。
また、コスメブランド・SHIROでは、紙箱なしの製品を購入できるサービスを開始しています。
ユーザーがパッケージなしでの購入を選択でき、その場合は3%の値引きがある「エシカル割」のシステムを導入し、無駄がなくシンプルで洗練されたブランドイメージを体現しています。

2021年6月より、日清食品・カップヌードルが“フタ止めシール”を廃止したのも記憶に新しいのではないでしょうか。
しっかりと開け口を止められるようフタの形状を変更し、フタ止めシールを廃止することで、年間約33トンのプラスチック原料を削減するそうです。
プラスチック原料の使用削減のために、商品誕生か50年目にしてフタのデザインを変えるという大きな一歩を踏み出した事例は、企業にとってSDGsが大きく影響していることを示したといえるでしょう。

それぞれの企業が取り組むゼロ・ウェイストを目指した試み。
個包装の商品が基本の日本では、量り売りやパッケージレスが浸透するまでには時間を要するかもしれません。
しかしこういった企業の事例が注目を集めることで、徐々に人々へと浸透し、ゼロ・ウェイストの考え方もスタンダードとなっていくのではないでしょうか。

今日からできるゼロ・ウェイストへの取り組み

「ごみをなくす」というのは現代社会においてはかなり難しいかもしれませんが、「ゼロ」に向けてできることから徐々にはじめればよいでしょう。
ここでは、ゼロ・ウェイストを目指すために使用したいアイテムをご紹介します。
これから「量り売りスーパー」や「容器回収サービス」の展開を検討している企業や、企業としてのごみ削減を推進したい企業、ユーザーに対してゼロ・ウェイストを訴求したい企業にもおすすめです。

エコバッグ

レジ袋有料化以来、企業のノベルティやイベントのグッズに採用されるようになり、多くの人が持ち歩いているエコバッグ。
エコバッグの持参が当たり前になり、デザインやブランドに多くの選択肢がありますが、再生PET生地やオーガニックコットンを使ったエコバッグなど、環境に配慮した素材であることで、より使いたいと思わせることができるでしょう。

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プロデュースバッグ

エコバッグとあわせて一緒に使いたい「プロデュースバッグ」。
スーパーのサッカー台に設置されている無料の袋の代わりにプロデュースバッグを使い、ゼロ・ウェイストを目指します。
「プロデュース」には農作物という意味があり、野菜や果物を入れておける袋です。
量り売りのスーパーや市場で日常の買い物をする文化のあると国ではすでに普及しているようで、ゼロ・ウェイストを目指すなら持っておきたいアイテムです。

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タンブラー

繰り返し使えるタンブラーは、今話題の容器を回収するサービスでも活躍中。
マイタンブラーをカフェに持参すると、そのタンブラーにコーヒーを淹れてくれるカフェもあり、使い捨てカップの使用削減に貢献できます。周年記念品などで社員にギフトとして配れば、社内のウォーターサーバーやコーヒーメーカーでも使え、紙コップなどの使用を削減できます。

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マイストロー・マイカトラリー

2022年から施行される「プラスチック資源循環促進法」では、コンビニやスーパーにて無料で配布されるスプーンやフォーク、ストローなどが削減対処に指定されています。
マイカトラリーやマイストローをオリジナルグッズとして展開する企業も増えています。消費者がマイカトラリーやマイストローへの興味が高まるのは、実際に施行される予定の4月前後であると考えられます。春先に向けて準備を検討してみてはいかがでしょうか。

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「ゼロ・ウェイスト」を目指してみませんか?

無駄を排除し、廃棄物の発生を削減する生活を目指す「ゼロ・ウェイスト」の取り組み。
企業がゼロ・ウェイストのための施策を展開することで、消費者もごみの削減をより意識するようになるでしょう。
カフェの使い捨てカップはマイタンブラーに置き換える、ペットボトル飲料はラベルレスを選んでみる、容器回収・リユースのサービスを使ってみるなど、簡単に始められることはありそうですね。

今後広がっていくと考えられる「ゼロ・ウェイスト」の動きと、それに対応するサービス。
繰り返し使えるタンブラーや容器、エコバッグなどのゼロ・ウェイストに貢献できるアイテムの準備をご検討してみてはいかがでしょうか。

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セウヘイ

株式会社トランス社員。エコバッグから長ネギが飛び出てる系サラリーマン。

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