毎年4月22日は、アースデイ(Earth Day)です。
「地球環境について考え、行動する日」とされており、世界中で環境にまつわるイベントや企画が行われます。
国内では東京の代々木公園を中心としたイベントをはじめ、毎年アースデイにちなんだイベントが各地で開催されます。
環境保全への意識の高まりとともに、関心を集めるアースデイの取り組み。
アースデイにちなんだ活動やイベントの事例を紹介しながら、企業がアースデイに取り組むメリットなについて解説します。
目次
アースデイ(Earth Day)とは?
アースデイが、初めて行われたのは1971年。
米国の環境悪化を懸念していたゲイロード・ネルソン上院議員が、4月22日を『アースデイ』と呼び、環境問題の討論会を開催したのが始まりです。
その後、「4月22日のアースデイ集会」は全世界に広がり、現在では、190を超える国と地域で、約10億人が参加する一大イベントになりました。
日本でも、1990年に第1回アースデイが開催され、全国各地に広まっています。
東京では、毎年4月22日前後の週末、渋谷区の代々木公園を中心に「アースデイ東京」が開催されています。
その他、全国各地でさまざまな企画が実施されています。
アースデイは、「誰もが環境のために何か行動を起こせる日」というコンセプトで、イベントや企画にルールなどはありません。
それぞれが自由に、それぞれの方法で、地球環境を守る意思を表明するのがアースデイです。
アースデイにちなんだ取り組み・イベント事例
アースデイに因み、イベントや企画に取り組む企業が増え、注目を集めています。
国内で行われた以下の企画の事例についてご紹介します。
- アースデイ東京
- ハッピーアースデイ大阪
- メルカリ:学べる・広げる・届けるHAPPY EARTH DAY!プロジェクト
- コロンビア:「EARTH DAY TEE」販売
- DEAN & DELUCA:プラスチックごみ削減
- ブルーボトルコーヒー:ヨガイベント&トートバッグ販売
- Be:アースデイチャレンジ&限定コラボセット販売
アースデイ東京
引用:https://www.earthday-tokyo.org/
代々木公園を中心に、大規模なイベントとして開催されるアースデイ東京では、音楽やアート、食など、多様なテーマで楽しみながら地球や環境について思いをめぐらせ、知識を深めることができます。
2024年のアースデイ東京のテーマは、「地球環謝祭 みんなでつくる みらいのせかい」。
3⽉11⽇(月)~5月30日(木)までの開催期間、代々木公園、宮下公園、オンラインなどでイベントが行われます。有名アーティストも参加するアースデイコンサートや、気候変動、気候危機への対応について考えるトークセッションのほか、オーガニックやフェアトレード、サステナブルな商品やサービスを提供しているメーカー・店舗が集うマルシェなど、多彩なイベントが開催されています。
ハッピーアースデイ大阪
引用:https://www.happy-earthday-osaka.jp/
「大阪からみんなでつくるHAPPYな地球」をテーマに、3月24日と25日の二日間にわたって開催された、ハッピーアースデイ大阪。
音楽、ファッションショー、ヨガ、パフォーマンスなど、盛りだくさんなエンターテイメントを楽しみながら、ワークショップを通じて知識を深めたり、マーケットでショッピングをしながら環境への意識を高めたりと、地球のうえで暮らすことについて学べる2日間となりました。
アースデイにちなんだイベントは3月ころから始まり、環境月間である6月にかけて、各地でさまざまなイベントが行われます。
メルカリ:学べる・広げる・届けるHAPPY EARTH DAY!プロジェクト
引用:https://about.mercari.com/press/news/articles/20210419_earthday/
フリマアプリ大手のメルカリが2021年、アースデイにちなんで行ったのが「学べる・広げる・届けるHAPPY EARTH DAY!プロジェクト」です。
「モノを無駄にしない循環型社会」の推進に力を入れていているメルカリ。
アースデイを広める活動をすることで、「身近にできるエコな活動について考えるきっかけを提供する」ことを目的に、このプロジェクトに取り組みました。
若者が集まる東京・渋谷にあるSHIBUYA109で「エコが学べる『Z世代と企業のサステナ提案』ワークショップ」を開催。
参加者のZ世代と企業がディスカッションを行い、その中で出たサステナブルなアイデアを、企業の取り組みとしてして実施検討されたそうです。
身近なエコ活動を取り上げる「#身近なエコ探し」キャンペーンも、公式ツイッターで展開しました。
さらに、期間限定グッズとして、「エコを届けるメルカリ梱包資材」を全国のメルカリステーションで無料配布。
「エコ」を感じさせる緑色の梱包資材に、ユニバーサルなデザインで知られるイラストレーターの岡村優太さんのイラストが描かれています。
コロンビア:「EARTH DAY TEE」販売
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000075300.html
総合アウトドア・スポーツウェアメーカーのコロンビア(Columbia)は2022年4月、アースデイにちなんだTシャツ「EARTH DAY TEE」を販売しました。
Tシャツの素材は、生分解・堆肥化可能なオーガニックコットン100%。
「土に還るサステナブル素材」を使用しています。
メンズのTシャツに描かれているのは、「PLANT IT FOR PLANET(地球の為に植物を植えよう)」というメッセージからインスパイアされたイラスト。
ウィメンズは、絶滅危惧種に指定されているハサミオハチドリと、生態系にとって不可欠な昆虫とされるヒメアカタテハのアートワークがプリントされました。
同社では、アースデイの取り組みとアースデイTシャツを通して、「PROTECT OUR PLAYGROUND(私たちの遊び場を守ろう)」というメッセージを発信しています。
DEAN & DELUCA:プラスチックごみ削減宣言
引用:https://deandeluca-enjoy.com/article/earthday2022
高級食品店DEAN & DELUCA(ディーン&デルーカ)も、アースデイの取り組みを行っています。2022年4月22日には、「Earth dayから始めよう」と銘打って、プラスチックごみの削減を宣言しました。
具体的には、同店で使われている、スプーンやフォークなどのカラトリーを有料化。
さらに、一度しか使われない「ワンウェイプラスチック」を少しでも減らすために、保冷剤、緩衝材、おしぼり、ナイロンポリ袋などについて、利用者への声掛けも推進することにしました。
また、オンラインショップでは、ドイツのインテリア雑貨ブランド・koziol(コジオル)のマイカトラリーの取り扱いを開始。
生産過程で有害物質を発生させないオーガニック原料で作られており、プラスチックでも長く使い続けられる機能性やデザインにもこだわっている、サステナブルなカトラリーです。
ブルーボトルコーヒー:ヨガイベント&トートバッグ販売
アメリカ発祥のコーヒー店、ブルーボトルコーヒーが2022年4月に展開したのが、アースデイヨガのイベントとトードバッグの販売でした。
ヨガイベントは、東京・原宿にヨガスタジオを主宰するエドワーズ・壽里さんと、中目黒のカフェにあるフラワーショップ「リフト」をゲストに迎え、地球について考えるトークセッションとヨガをインスタグラムでライブ配信。
トートバッグは、食品廃棄物を再活用するプロジェクトFOOD TEXTILEとのコラボ商品です。
FOOD TEXTILEは、廃棄予定の食品に含まれる成分から染料を抽出して、サステナブルな素材・商品を提供しています。
ブルーボトルコーヒーの清澄白河フラッグシップカフェで、エスプレッソを抽出した際に出るコーヒー殻を使用し、FOOD TEXTILEの持つ独自の特許製法でトートバッグの色は染められました。
普段身近に楽しんでいるコーヒーから、サステナビリティについて考えるきっかけにしてほしいと、アースデイから販売を開始した商品です。
Be:アースデイチャレンジ&限定コラボセット販売
引用:https://be-store.jp/pages/special-earthday2024
サステナブルビューティーブランドのBeは、2024年4月12日(金)〜5月12日(日)を「Earth Day Challenge 2024」として、オーガニック認証の必要性を考えるワークショップをはじめ、Instagram発信キャンペーン「Post “FOR THE EARTH” キャンペーン」などを開催しています。
その一環として、アパレル業界でエコサート認証を取得している服飾雑貨メーカー、ブルーミング中西との限定コラボセット(オリジナル巾着にBeフォームウォッシングとフェイスタオルのセット)を販売。
アースデイチャレンジを通して、地球や地球環境についてユーザーとともに学び、考える時間を共有したいとの思いを込めています。
アースデイ以外の「環境の日」
ここまではアースデイの由来や実際の取り組みについてご紹介しました。
他にも、世界・日本で定められた、環境保護について呼びかける日はいくつかあります。
以下、一部をご紹介します。
名称 | 日にち | 概要 |
---|---|---|
世界水の日 | 3月22日 | 1992年に国連総会で定められた記念日。世界各国で、水の大切さを知ってもらうための会議やイベントなどが開かれています。 |
世界フェアトレードデー | 5月第2土曜日 | 開発途上国の商品を適性価格で扱い、環境への配慮も求める「フェアトレード」を推進するための記念日。5月はフェアトレード月間として、さまざまなメーカー、企業が協賛した関連キャンペーンも開催されています。 |
世界環境デー | 6月5日 | 1972年6月5日、ストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められました。主に環境省の呼びかけにより、全国でさまざまな行事が行われています。
また、日本では6月の一か月間を「環境月間」とし、関係府省庁や地方公共団体などにより全国で様々な行事・事業が行われます。 |
global Goals week | 9月25日を含む1週間 | SDGs(持続可能な開発目標)への意識を高め、行動を起こすきっかけにすることを目的に、SDGsが採択された9月25日を含む1週間に実施。世界中でイベントやキャンペーンが行われます。 |
3R推進月間 | 10月 | リデュース・リユース・リサイクル推進月間。廃棄物の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)に関する理解を深めるため、環境省をはじめとする関連省庁、地方公共団地、関係団体がさまざまな取り組みを進めます。 |
中でも、『世界環境デー』は認知度が高いようで、日本でも企業によるさまざまな取り組み事例が見られました。
世界環境デーの取り組み事例
ジーユー:リサイクルキャンペーンを実施
引用:https://www.gu-global.com/jp/ja/contents/material/pressrelease/gusustainability_june.pdf
リサイクル活動の協力者に対し、ジーユーアプリで使用できるマイレージを付与するキャンペーン。2022年6月1日~30日の期間中、1度でも、リサイクルのために服を店舗に持ち込むと、通常の10マイルに加え、100マイルが付与されました。
また、同年6月4日・5日には、「世界にひとつだけのエコバッグを作ろう」イベントを開催。
海洋ゴミやプラスチックごみなどの環境問題に関する紙芝居の読み聞かせと、クレヨンで自由に絵を描いたエコバッグを持ち帰りできるという内容でした。
親子で楽しみながら学べるイベントを通して、SDGsの普及に貢献しています。
コメ兵:オリジナルショッパーの販売&寄附
引用:https://komehyohds.com/2022/05/04/世界環境デーの取り組みについて/
世界環境デーを記念して、最も絶滅に近いゾウ『マルミミゾウ』が描かれたショッパーを作成、販売しました。
店舗で買い物した際に有料のショッパーを選ぶと、ショッパーの売上が自然保護活動に寄付されるともに、クーポンが発行される特典が付与されました。
ショッパーの売り上げは、自然保護に取り組む認定NPO法人 UAPACAA国際保全パートナーズに寄付されました。
ナチュラルローソン:アップサイクル商品の販売
引用:https://www.lawson.co.jp/lab/natural/art/1453105_5111.html
環境を考えるきっかけとして、アップサイクル商品を集めた企画を実施。
アップサイクルとは、捨てられる予定だった廃棄物や不用品に付加価値を加え、新しいものに生まれ変わらせる取り組みです。
石けんや野菜チップス、傷や形などで規格外となったフルーツを使ったフルーツティーなどを販売しています。
企業が『アースデイ』や『世界環境デー』に取り組むメリットとやり方
地球温暖化が世界、そして日本にも大きな被害をもたらしつつある現在、環境保全への意識は以前にも増して高まっており、エコ活動やサステナブルな取り組みに敏感な消費者も増えています。
そうした中、企業がアースデイや世界環境デーに取り組むことには、大きなメリットがあります。
具体的な効果などについて、解説します。
企業が『アースデイ』『世界環境デー』に取り組むメリット
企業がアースデイや世界環境デーに取り組むメリットとして、次の点が挙げられます。
- 宣伝効果
- 企業イメージ向上
- 競合との差別化ポイント
先進的な環境保全の取り組みは常に注目され、波及効果があります。
メディアなども積極的に取り上げるため、宣伝効果も期待できるでしょう。
また、環境保全に積極的な姿勢を打ち出すことは、企業のイメージアップにもつながります。
意識の高い消費者の場合、同じ商品でも、環境に配慮した商品を評価する傾向があります。競合他社との差別化では、環境に配慮した取り組みは一つのカギになるはずです。
まとめ
アースデイを中心に、環境に配慮したイベントや企画について、実例を基に、ご紹介しました。
環境保全の取り組みは常に注目を集め、アースデイと連動した商品や企画も、企業に新たな可能性をもたらすことが期待されます。
環境に配慮した取り組みは、ルールに縛られることなく、自由な発想、アプローチで進められる上、アースデイ以外にも環境に関する記念日は年中、何回もあるので、企業が行動を起こす機会も多いと言えます。
少しの工夫で環境への配慮を取り込むことで、自社の商品や企画に付加価値をつけ、プロモーションにつなげることが可能なります。検討してみてはいかがでしょうか。
トランスは、クライアントの企業の方々の目的に寄り添ったプロモーションの企画提案を得意としています。特に環境配慮型の企画をはじめ、エシカルなもの作りなど、環境保全への視点を取り入れたクリエイティブは当社の大きな強み。ぜひ一度、ご相談ください。