音声メディア×マーケティング|企業が注目する音声広告(オーディオアド)とは?
音声メディア×マーケティング|企業が注目する音声広告(オーディオアド)とは?

インターネットラジオやポッドキャスト、音楽配信サービスなど、私たちの生活にはさまざまな音声メディアが溶け込んでいます。
家事や作業、移動の合間に「ながら聴き」できる音声コンテンツは、タイパが求められる昨今の風潮と相性が良く、それに伴い、リスナーに向けた音声版のCM=音声広告も盛り上がりを見せているようです。

今回は、音声メディアの種類や代表的なサービスをおさらいしたうえで、音声広告の特徴・メリットを解説します。
今後も需要の高まりが予想される音声メディアと音声広告。
企業のマーケティング・プロモーション担当者様はぜひチェックしてみてください。

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【そもそも】音声メディアとは?

声や音など、耳で聴いて楽しめる要素のみで構成されたメディアです。
音声コンテンツとも呼ばれます。

従来からあるラジオや有線放送、飲食店で流れるオリジナル音声番組なども広義での音声メディアに含まれますが、近年はWebラジオやポッドキャスト、オーディオブックなどのインターネット上で聴ける音声サービスのみを音声メディアと呼ぶ風潮もあり、従来のラジオなどと区別して「デジタル音声メディア」という名称が使われることもあります。

本記事においては、インターネット上で聴けるデジタル音声メディアの総称として「音声メディア」の呼称を使用します。

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音声メディアの種類

デジタルの音声メディアにはいくつか種類があります。
代表的なものをまとめてみました。

インターネットラジオ(Webラジオ)

インターネットラジオ(Webラジオ)

引用:https://radiko.jp/

AM/FMのラジオ用電波経由ではなく、インターネット経由で聴けるラジオ番組です。 リスナーは、ラジオ局などのいわゆる“プロ”が制作した番組を一方的に聴いて楽しみます。

従来のようなラジオ専用の端末は必要なく、スマホやパソコン、スマートスピーカーなど、いつものデバイスで聴けるため、以前よりもラジオを聴く方の年齢層が広がったと言われているようです。

インターネットにアクセスできる環境さえあれば、ローカル番組を含め、全国の番組をどこからでも聴取可能
また、過去の放送回がアーカイブされている場合は、放送に間に合わなくても後から聴けるなど、従来のラジオにはないメリットがあります。

基本的には従来のラジオと同様に、好みの番組を選んで聴くスタイルが基本ですが、中には静止画や動画など、視覚的な情報を加えて放送するケースもあるようです。

代表的なサービス:radiko、ラジオクラウド、らじる★らじる

ポッドキャスト

ポッドキャスト

引用:https://apps.apple.com/jp/app/apple-podcasts/id525463029

学習系、雑談、お笑い、ビジネスなど、さまざまなジャンルから好みの番組を選んで聴ける、主に無料の音声メディアです。

Apple PodcastsやGoogle Podcastsをはじめとしたポッドキャスト専用のアプリか、SportifyやAmazonMusicなどの音楽配信アプリを使用し、スマホなどのデバイスに番組をダウンロードしてから楽しみます。
ストリーミングでのリアルタイム放送が多いラジオに対して、ローカル保存することでいつでも好きな時に聴けるのがメリット。
音声コンテンツでよく知られているポッドキャストですが、動画コンテンツの「ビデオポッドキャスト」もあります。

ポッドキャストは世界中で利用者が増加しており、音声広告(音声版のCM)の市場が拡大する一因にもなっているようです。
また、YouTubeがポッドキャストに対応することを発表しており、今後さらに利用者が増加するものと思われます。

代表的な対応アプリ:Apple Podcasts、Google Podcasts、Spotify、AmazonMusic、Castbox

音声配信サービス(音声配信プラットフォーム)

音声配信サービス(音声配信プラットフォーム)

引用:https://voicy.jp/

音声コンテンツの制作と配信をオールインワンで行えるサービス(プラットフォーム)です。

音声コンテンツの配信に特化しているポッドキャスト対して、スマホとアプリさえあれば番組の制作も可能な点が異なるポイント。
収録済みの番組を配信するケースと、生放送するケースがあります。
YouTuberのように、個人で音声コンテンツを制作・配信して報酬を得るビジネススタイルも浸透し始めているようです。

音声配信サービスは、個人/企業(≠素人/プロ)のほか、ジャンルや年齢層などでもある程度アプリの棲み分けがされており、自分の趣向に合わせて複数のアプリを使い分けるスタイルも。
また、Radiotalkをはじめ誰でも配信可能なアプリと、Voicyのように認証を受けた人物(著名人や専門家など)のみが配信できるアプリの違いもあり、「ゆるい雑談が聴きたい」「趣味やビジネスの有益な情報が欲しい」など、目的に応じて柔軟性の高い楽しみ方が可能です。
無料か有料かはアプリやコンテンツによって異なります。

代表的なアプリ(誰でも配信可能):Radiotalk、Spoon、REC.、himaraya、stand.fm、Lizhi
代表的なアプリ(限られた人のみ配信可能):Voicy、NowVoice、ZATSUDAN、GERA、VOOX

オーディオブック

オーディオブック

引用:https://onl.la/LB6G9hD

声優やナレーターが本を朗読してくれるサービス。
「聴く本」とも呼ばれ、新たな読書のスタイルとして注目を集めています。

家事をしながらや移動中など、好きなタイミングで「ながら読書」できる利便性の高さが人気のポイント。
さらに、ページをめくる必要がない、再生スピードを変えられるサービスもある、など紙の本以上のメリットを感じている方もいるようです。
オンラインの時だけ楽しめるストリーミング型のサービスと、コンテンツをダウンロードしてオフラインでも楽しめるサービスがあります。

代表的なサービス:Audible、audiobook.jp、LibriVox、Google Play Books、flier、kikubon

音楽配信サービス

音楽配信サービス

引用:https://onl.la/ZK4Ea5D

スマホなどで音楽を楽しむための配信サービスです。

mp3などのファイルを1曲ずつダウンロードすることで、オフラインでも音楽を楽しめるタイプのサービス(ダウンロード型)と、オンラインでストリーミングするタイプの定額型配信サービス(サブスクリプション型=サブスク型)があります。
サブスク型の音楽配信サービスは、近年における代表的な音楽の楽しみ方と言えるでしょう。

サブスク型の音楽サービスには多くの場合、無料版と有料版が用意されています。
無料版では聴ける楽曲数に制限があったり、広告が入ったりしますが、有料版ではそれらが緩和され、より快適な使い心地が提供されます。

近年ではSpotifyやAmazon Musicがポッドキャストの配信に対応し、音楽以外のコンテンツも楽しめる総合的な音声サービスとしてますます成長しており、今後も目が離せません。

後述しますが、音楽配信サービスなどで流れる広告はスキップされにくく、最後まで聴いてくれる方が比較的多いため、新たな広告媒体としてさまざまなジャンルの企業から注目を集めているようです。

代表的なサービス(サブスク型のみ):Spotify、Apple Music、Amazon Music、Apple Music、LINE MUSIC、楽天ミュージック

音声SNS

音声SNS

引用:https://www.clubhouse.com/

2021年にリリースされたアプリ、「Clubhouse(クラブハウス)」で一挙に注目を浴びた、新しいスタイルのSNSサービスです。

リアルタイムの音声配信や、音声によるチャットなど、「声」を通したユーザー同士の繋がりを重視している点が特徴的。
音声はテキストや画像に比べて細かいニュアンスや感情を伝えやすく、より深いコミュニケーションを取ることに適しているようです。

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音声メディアが人気の理由

「ながら聞き」が可能

家事や運動、作業などをしながら片手間に聴ける音声メディアは、「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する現代人の忙しい生活にぴったりです。

音声メディアのジャンルは多岐に渡り、音楽、ラジオドラマ、落語などの娯楽系だけでなく、語学やビジネスなどの学習系も充実。
聴き方も、耳寂しさを紛らわせるためのBGMとして静かに流したり、じっくりと集中して情報をインプットしたりと、状況・目的によりさまざまです。
目や体を使ういつものアクティビティにプラスして、空いている「耳」を有効活用できる点が、効率の良さを求める現代人の感性にマッチしているのではないでしょうか。

スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンなどのデバイスが普及した

スマートスピーカーやワイヤレスイヤホン、スマホ・PCのスピーカーなど、高音質なサウンドを手軽に楽しめるデバイスが普及したことも、音声メディアのユーザーが拡大している一因と考えられます。

特に、キッチンや寝室をはじめ、おうちのさまざまな場所に馴染む汎用性の高さと、声による直感的かつ快適な操作性を兼ね備えたスマートスピーカーや、周囲の雑音を軽減するノイズキャンセリング機能付きのワイヤレスイヤホンは、音声メディアの理想的なリスニング環境をグッと身近なものにしてくれました。

コロナ禍でおうち時間が増加した

コロナ禍におけるリモートワークやステイホームで、勤務中や勉強中に音声メディアを流す人が増加したと考えられます。

人と関わる機会が極端に減少したコロナ禍では、寂しさや孤独感を感じる場面も増えたため、人の声が聴ける音声メディアをBGMとして流すことで気分転換していた方も多そうです。

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【音声メディア×マーケティング】企業が注目する音声広告(オーディオアド)とは?

【音声メディア×マーケティング】企業が注目する音声広告(オーディオアド)とは?

古くはラジオの番組の合間に放送されるような、音声のみのCM(コマーシャル)のことを音声広告と呼びます。

音声広告の中でも、ネットラジオのradikoや音楽配信サービスのSpotify、YouTube Musicなど、デジタル音声メディア内で流れるものは、特別に「デジタル音声広告」「オーディオアド」と呼ばれることもあります。
デジタル音声広告は、各種音声メディアの勢いとともに近年需要を高めており、さまざまなジャンルの企業が商品・サービスの宣伝やブランディングに活用しています。

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【音声メディア×マーケティング】音声広告(オーディオアド)のメリット

制作コストを抑えられる

音声広告は、スマホとマイク、編集用のアプリさえあれば個人でも制作可能なため、動画広告などに比べて費用を大幅に節約できる可能性があります。

また、動画広告ほど編集のスキルが要求されない場合が多く、仕上がりにプロとアマチュアの差が出にくいため、作業を内製化して人件費をカットするのも現実的です。
音声広告は少ないコストで大きなリターンを得られる可能性もあるため、予算が限られている場合の有力な候補になり得るのではないでしょうか。

リスナーの想像力を刺激する

音声広告には視覚的な情報がない分、リスナー自身に想像してもらうための余地が多分にあり、商品やサービスについて「もっと詳しく知りたい」という欲求を抱かせやすい一面もあるようです。

バナー広告をはじめ、日常的にさまざまな広告を目にしている現代人にとって、押しつけがましい印象の薄い音声広告はむしろ好意的に受け止められる可能性もあります。

リスナーに親近感を抱かせやすい

リスナーの耳に直接語りかける音声広告は、心理的な距離の近さを演出しやすく、企業の想いや商品にまつわるストーリーなどを情緒的に伝えられます。
何度も耳にする音声広告を通して企業に対する親近感を高め、長期的なファンになるケースもあるでしょう。

エンゲージメントが高く、スキップされにくい

音声広告は「ながら聴き」の延長で最後まで聴いてもらいやすく、YouTubeなどの動画広告よりもスキップ率が低いとされています。

視覚に訴える動画広告は、企業や商品に興味がない場合「煩わしい」と感じる方が多く、かえって悪感情を喚起してしまうリスクもあるようです。
一方、音声広告は聞き流しやすく、「楽曲の合間に流れる音声広告をいつの間にか最後まで聴いていた」という経験がある方も多いのではないでしょうか。
そのため、何度も同じ音声広告を流してリスナーとの接触回数を増やし、企業や商品に対する信頼感や好ましい印象を持ってもらう、というような戦略を取りやすい一面があります。

また、視覚よりも聴覚のほうが記憶に残りやすいとも言われており、スキップされにくいだけでなく、単純に広告としての効果が高い点も音声広告が注目されている要因と言えるでしょう。

Z世代と親和性が高い

タイパを重んじるZ世代は、作業や運動をしながら効率よく聴ける音声メディアを好む傾向にあり、特に音楽配信サービスやポッドキャストのユーザーが多いようです。
また、TV番組と音楽配信を同時に楽しむような「耳のマルチタスク化」も指摘されているようで、音声広告を通してZ世代にアプローチできるチャンスは日常生活に多く眠っています。

ターゲティングがしやすい

インターネットラジオやポッドキャスト、音楽配信サービスなどの音声メディアは、再生される音声コンテンツの内容によってリスナーの属性や興味・関心の対象を推測しやすく、ターゲティングが比較的容易と言えそうです。

また、デジタル音声広告はインターネット広告の一種であり、インターネット広告の強みをそのまま活かせる点も魅力的なポイント。
デバイスの位置情報を活用した音声広告や、スマートスピーカーと対話できるインタラクティブな音声広告などはすでに運用されており、今後もIT技術を駆使し、ターゲットを明確に定めた音声広告が増えていきそうです。

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まとめ

音声メディアと音声広告の基本についてご紹介しました。
「ながら聴き」が可能な音声メディアは、タイパを求める昨今の風潮も相まって利用者を増やしています。
それはすなわち、音声広告を打てる余地が増えることでもあります。
リスナーが聴いているコンテンツの内容に合わせて音声広告を打てば、企業や商品の魅力をダイレクトかつ自然に伝えられるはず。
バナー広告や動画広告などの視覚に訴えかける広告に加えて、聴覚だけの音声広告もぜひチェックしてみてください。

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