「新商品の認知度や既存の商品の売り上げアップを目指したい」というときには、キャンペーンなどで景品類をプレゼントする「プレミアムプロモーション」が効果的な手段として挙げられます。
プレミアムプロモーションにはさまざまな種類があり、法令順守など注意すべきポイントもあります。
事例や注意点をご紹介しますので、魅力的なプロモーションを世に送り出すための参考にしてください。
プロモーションの手法は4つ
「プロモーション」とは、商品やサービスの販売促進を図って、消費者に働き掛ける活動のことを指します。
広告、宣伝、キャンペーンなどを通じ、商品やサービスについて消費者に周知し、購買につなげるといった流れですが、手法としては以下の4つが挙げられます。
手法 | 特徴 | 手法 |
---|---|---|
プレミアムプロモーション | さまざまなプレミアム(商品、旅行、金券等)の提供で対象商品の購入を誘発する手法 | ・オープン懸賞
・クローズド懸賞 ・総付けプレミアム |
体験プロモーション | 対象商品の告知・認知促進とともに、実際に対象商品を試したり手にしたりしてもらう機会を提供する手法 | ・プロダクトサンプルリング
・モニタリング ・デモンストレーション ・ポップアップストア |
プライスプロモーション | 一時的に対象商品の価格を下げることで、新規購入の試し買いを誘発する手法 | ・値引き
・クーポニング ・キャッシュバック ・オフラベル(特別価格) ・トライアルパック(お試しパック) ・ボーナスパック(増量パック) |
制度プロモーション | さまざまな仕組みを販売制度の一部として定着させ、比較的長期間にわたり特典を提供する手法 | ・ポイントプログラム制度
・会員制度 ・コミュニティ制度 ・サービス制度 |
プレミアムプロモーションとは
プレミアムプロモーションの4つの手法の中で重要なポイントは、「消費者に対して景品をプレゼントする」という点です。
以下3つの方法があり、いずれも消費者に魅力的に映るような懸賞や景品の内容を考案することで、商品の注目度だけではなく、企業イメージの向上も図ることができます。
オープン懸賞
誰でも応募できる懸賞を設け、消費者の関心を引き付けます。
応募条件には、商品の購入を含みません。
クローズド懸賞
商品を購入するなど、応募条件を満たした人を対象にした懸賞を設け、新規・継続の購買を促進します。
総付けプレミアム
懸賞ではなく、特定の商品を購入すれば必ず付いてくる景品のことを指します。
オープン懸賞
先述した通り、誰でも気軽に応募できる点と、商品の購入が応募の条件に含まれず、金銭的な取引のない点が特徴です。
簡単に応募できる条件を設定し、応募者の中から抽選で選ばれた人に景品がプレゼントされます。
例としては以下のようなものがあります。
- 無料会員登録
- メールマガジンへの登録
- アンケートへの回答
- ミニクイズへの参加
- SNSでの情報拡散
メールマガジンやSNSでの情報拡散はもちろん、無料会員登録、アンケート、ミニクイズなどもインターネットで実施すれば、消費者側にとっても、スマートフォン一つで応募できて便利です。
一方、昔ながらのはがきを使った方法は、高齢者層にも浸透しやすいです。
オープン懸賞をもっと詳しく知るなら
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オープン懸賞の特徴やメリット・デメリットなどの基礎知識、企画方法を、企業の事例とともにご紹介します。
クローズド懸賞
商品やサービスを購入した人に応募者を限定している点が特徴です。
厳密に言うと、商品・サービスの利用者に対し、くじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類をプレゼントする「一般懸賞」と、商品・サービスの利用者に対し、一定の地域や業界の事業者が共同して景品類をプレゼント「共同懸賞」があります。
ここでは、「一般懸賞」を想定した上で、以下の展開形式をご紹介します。
応募抽選(後日抽選)形式
応募を締め切った後に抽選し、当選者に景品をプレセントする形式です。
インスタントウィン形式
応募したその場で、当落が分かる形式です。
店頭で商品を購入した人にスクラッチカードを配るやり方や、商品のQRコードを読み取って応募し、即時に当選判定されるやり方などがあります。
レシート応募形式
対象商品を購入した際のレシートを送ることで、応募できる形式です。
送る方法としては、レシートを応募はがきに貼り付ける他、レシートを撮影した画像を専用webサイトの応募フォームにアップロードしたり、TwitterやLINEで送信したりするケースもあります。
レシート応募形式のキャンペーンなら
pashatto(パシャット)インスタントウィン
レシートを撮影してアップロードするだけで応募できる、即時抽選(インスタントウィン)キャンペーンプラットフォームです。
総付けプレミアム
懸賞ではなく、商品やサービスの購買意欲を高めるために付けられる景品のことで、「ベタ付け」とも呼ばれます。
以下の形式でプレゼントされます。
オンパック形式
商品パッケージの上や外側に景品が付けられている形式で、いわゆる「ベタ付け景品」のことを指します。
例として、ペットボトル飲料のキャップ下に首掛けされているおまけの景品などが、これに該当します。
ニアパック形式
対象商品の近くに景品が置かれている形式で、「商品を〇個購入につき、景品を1個もらえる」などといった仕組みで提供されます。
マイレージ形式
商品を購入するごとに配られるシールなどを集めて応募すれば、必ず景品が手に入る形式のことを指します。
テレビCMなどでおなじみの「ヤマザキ春のパン祭り」などが挙げられます。
関連する言葉として、「マストバイ」があります。
景品を手に入れるためには、商品の購入を必須条件とすることを指し、「総付けプレミアム」「クローズド懸賞」のことを指します。
プレミアムプロモーションの事例
プレミアムプロモーションを導入する際には、人気キャラクターを採用したり、実用性のあるキャンペーングッズを用意したりすることで、企業や商品のブランディングにつなげることができます。
大手企業などでも、以下のように、さまざまなグッズや形式を取り入れ、プレミアムプロモーションを展開しています。
オープン懸賞×SNSでの情報拡散
AGF ブレンディ大人給食キャンペーン
総付けプレミアム×マイレージ形式
伊藤園 夏を快適に!暑さ対策グッズが絶対もらえる!キャンペーン
クローズド懸賞×レシート応募形式
ピュレグミ おうちでピカーなグッズが当たる!ピカピュレキャンペーン
総付けプレミアム×ニアパック形式
ALMOND×「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」缶トレープレゼントキャンペーン
クローズド懸賞×応募抽選(後日抽選)形式
パインアメ エコバッグプレゼントキャンペーン
AGF ブレンディ大人給食キャンペーン
プレミアムプロモーションの手法:オープン懸賞×SNSでの情報拡散
AGFの公式Twitterアカウントをフォロー&リツーイトすると、抽選で10名にオリジナルマグカップが当たるキャンペーンです。
購入は条件となっていないため、「オープン懸賞」に当たります。
伊藤園 夏を快適に!暑さ対策グッズが絶対もらえる!キャンペーン
引用元URL:https://www.mugicha-zettai-moraeru.jp/
プレミアムプロモーションの手法:総付けプレミアム×マイレージ形式
対象商品のパッケージに印字されている応募マークを集め、専用応募封筒に貼り付けて応募すると、暑さ対策グッズが全員に贈られるキャンペーンです。
応募者全員に贈られるという仕組みで、必ずもらえるマイレージタイプの「総付けプレミアム」に当たります。
ピュレグミ おうちでピカーなグッズが当たる!ピカピュレキャンペーン
プレミアムプロモーションの手法:クローズド懸賞×レシート応募形式
対象商品2種以上を5個購入したレシートを送った人の中から、抽選で210名にグッズが当たるキャンペーンです。
10名にビッグクッション、200名にビッグブランケットが当たる内容で、「クローズド懸賞」のレシート応募形式に含まれます。
LINEカンロ公式アカウントを友だちに追加し、購入商品名や個数などの記載されたレシート画像を、トーク画面から送信すれば応募できます。
ALMOND×「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」缶トレープレゼントキャンペーン
プレミアムプロモーションの手法:総付けプレミアム×ニアパック形式
「明治アーモンドチョコレート」と「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」 のコラボレーションによる、缶トレープレゼントのキャンペーンです。
セブンイレブンで対象の明治チョコレート商品を2個購入すると、オリジナルデザインの缶トレーがプレゼントされます。
「総付けプレミアム」のニアパック形式で、商品2個とお好みの缶トレーを、消費者がレジに持参するという流れになっています。
パインアメ エコバッグプレゼントキャンペーン
引用元URL:https://www.pine.co.jp/ecobag/
プレミアムプロモーションの手法:クローズド懸賞×応募抽選(後日抽選)
「パインアメ」または「オレンジアメ」のパッケージに印字されているバーコード2枚を一口として、はがきに貼り付けて応募できるキャンペーンです。
期間中、抽選で毎月150名(合計450名)にオリジナルエコバッグが贈られます。
「クローズド懸賞」の応募抽選(後日抽選)形式に当たります。
プレミアムプロモーションにおける特典景品の注意点
プレミアムプロモーションで採用するキャンペーングッズなどの景品の内容を決める際には、関連法令などを確認する必要があります。
これは、景品表示法により、景品の限度額が制約されるケースがあるためです。
これから実施しようとしているプロモーションについて、「景品限度額に縛りがあるかどうか」「限度額がある場合、どのように算出すべきか」といった知識を踏まえた上で、計画を進めていきましょう。
景品表示法での決まり
景品表示法では、過大な景品類を消費者に提供することを禁じています。
商品が良質でなかったり、割高な商品を購入したりすると、消費者の利益が損なわれる可能性があるからです。
また、業界内の競争が景品によってエスカレートすると、事業者が商品やサービスにおいての競争に力を入れなくなり、消費者の不利益を生む可能性があるといったことも理由とされています。
具体的には、「一般懸賞」「共同懸賞」「総付け景品」に対して、以下のように、景品類の最高額や総額が規制されています。
懸賞による取引価額 | 景品類の限度額(最高額) | 景品類の限度額(総額) |
---|---|---|
5000円未満 | 取引価額の20倍 | 懸賞に関わる売上予定総額の2% |
5000円以上 | 10万円 | 懸賞に関わる売上予定総額の2% |
最高額 | 総額 |
---|---|
取引価額にかかわらず30万円 | 懸賞に関わる売上予定総額の3% |
取引価額 | 景品類の最高額 |
---|---|
1000円未満 | 200円 |
1000円以上 | 取引価額の10分の2 |
プレミアムプロモーションで気を付けるべきこと
プレミアムプロモーションを実施する際には、景品表示法での決まりも踏まえ、以下の点に注意しましょう。
景品の限度額に注意
先述した通り、一般懸賞や総付け景品を導入する際には、景品表示法で定められた最高額や総額の限度を守る必要があります。
懸賞の種類などに注意
進めているキャンペーンの内容が「オープン懸賞に当たるのか、クローズド懸賞になるのか」「懸賞なのか、総付け景品に当たるのか」など、懸賞の種類を正確に把握する必要があります。
クローズド懸賞と総付け景品では、景品類の限度額も異なるため、しっかりと確認しましょう。
景品の価額を適正に算定する
景品の価額が、景品表示法で定められた限度額内に収まっているかどうかをチェックするため、算定法もきちんと押さえておきましょう。
景品の価額は、消費者が通常購入する場合の価格が指標となります。
景品と同じものが市販されていない場合、類似品の市場価格や製造コストなどが参考となります。
参考:消費者庁「景品に関するQ&A」
まとめ
プレミアムプロモーションを進めるためには、ターゲットや展開商品によって、応募条件や応募方法の他、景品内容についても熟慮する必要があります。
金券類は誰もが同じ価値を感じるため、応募が集まりやすいものの独自性は出せないので、ブランディングやファン作りを重視する場合の特典としては、金券類よりも商品やサービスのコンセプトを反映しているオリジナルグッズの方が効果的であるといえます。
中でも、キャラクター等とのタイアップ企画は、応募の集まり易さを補完できる効果があり、近年多くの企業で展開されています。
ただ、単にキャラクター等のグッズをプレゼントするだけでは商品やサービスのブランディングには寄与しないため、キャンペーンの対象となる商品やサービスの世界観とキャラクターとをうまく融合させることが重要です。
トランスでは、キャンペーンの企画から、タイアップのコーディネート、ノベルティグッズ製作まで、すべてサポートすることが可能です。
魅力的なオリジナルグッズを企画して、高い販促効果が見込めるプレミアムプロモーションを検討してみませんか。