布製品を製造する際に発生する「残反」。
ごみの削減に貢献しようと、余った部分は廃棄せずにアップサイクルするという取り組みが多くの企業で進められています。
今回は、「傘」を製造する際にでた残反をアップサイクルした雑貨をご紹介します。
傘の残反の特徴
残った傘の生地を活用する取り組み
生地のロール1本から傘を生産する際、傘が作れない程度の幅の生地が数メートルだけ余ってしまう事があります。
傘に必要な大きな面積を切り出すことはできなくても、ポーチなどの小物類に活用できるだけの生地が残っているため活用しようという取り組みです。
傘の生地の特徴
傘を製造する際は、生地を裁断する前に、傘の表側にあたる面に水をはじく撥水加工、内側にあたる部分には水を浸透させないようにする防水加工が施されています。
加工が施されたポリエステル生地は、張りのある質感に仕上がります。
余った生地でも加工は施されているので、撥水・防水機能を活かしたグッズを作製することができます。
今回ダミーサンプルを作製した生地は、高級傘を扱う工場ででた残反を使用した、高級生地のポーチです。
残反をアップサイクルしたサステナブルなアイテムであると同時に、良質な傘を作る生地を使用することでさらなる付加価値を与えています。
生地在庫に動きが出やすい
工場では様々な色や柄の傘を取り扱っているため、常に同じ色柄の残反がストックしてあるわけではありません。
同じ色の残反ポーチを大量に生産するのは難しくはなりますが、他の色と取り混ぜで展開したり、バイカラーにしたりするなど様々な色での展開も考えられます。
在庫してある残反は、その時期に生産した傘の色柄によって変わってくるため、数量限定の“幻のポーチ”は希少性が高いアイテムになるといえます。
傘の残反をアップサイクルしたポーチ
傘の残反をアップサイクルして3種類のポーチを作製しました。
一見シンプルなポリエステル生地のポーチですが、手に取ってみると、撥水・防水加工が施された傘生地の質感を感じられます。
おすすめの名入れ方法、アレンジ方法とともにご紹介します。
バイカラーポーチ
化粧ポーチなど日常使いしやすいシンプルな形状の底マチ付きポーチ。
シンプルな形状なので、配色やタグ付けなどアレンジの幅が広く、グッズ製作しやすいアイテムです。
傘生地1枚だけだと薄すぎると感じる場合は芯材と裏地を付けると使いやすくなるでしょう。
ミニカラビナポーチ
小さいボディに大きめのタグがアクセントになっているミニポーチ。
アウトドアシーンやスポーツシーンで、小銭入れとして活躍するサイズ感です。
カラビナを付けているので、バックやベルトループにつけて持ち歩くことができます
長めのストラップを付けて首から下げる「ネックポーチ」も流行中。
ロールトップポーチ
その名の通り上部の口元をくるくると巻いてバックルで留める仕様のロールトップポーチ。
中に入れる物の容量によって口元を巻く回数を調節できるのが特徴です。
使わない時はコンパクトに丸めて収納しておけるのも便利なポイント。
オリジナルグッズ作製時のアレンジ
生地にはすでに色がついているため、印刷はシルクスクリーン印刷が可能。
企業のオリジナリティを出すには、サイドやポーチ前面にオリジナルのタグを縫い付けても良いでしょう。
撥水・防水加工のポリエステルという素材の特性上、アウトドアシーンでも活躍しそうなので、カラビナやファスナー、バックルなどの付属パーツのアレンジも考えられます。
おすすめ展開シーン
傘の生地を捨てずにアップサイクルしごみの削減に貢献できることから、「環境に配慮した取り組みを進めたいけど何から始めればよいかわからない…」という企業におすすめです。
高級傘の生地を使用すれば、販売品やノベルティだけでなく、社内ギフトなど、さまざまなシーンで展開できます。
スポーティーな素材は、アウトドア・アパレルブランドのノベルティや販売品にも。
金融・教育関連サービスの契約記念ノベルティなどにもおすすめです。
また、水に強い素材なので、サウナや温泉、ジム、旅行、子供向けなど、濡れたものや汚れたものを入れることを想定したシーンでも活躍するでしょう。
近年、廃棄されてしまう予定の端材をアップサイクルした事例が増えています。
アパレルや雑貨類、食品、飲料など、さまざまな分野でごみを削減し新たに価値を与えるという取り組みが進んでいます。
今回は傘生地の残反を廃棄せずにアップサイクルしたポーチをご紹介しました。
焼却や埋め立てなど、処理するにも環境負荷のかかるごみの削減に貢献できることは、サステナブルな社会につながる一歩です。
傘の生地をアップサイクルするという一風変わったグッズでオリジナルグッズの製作してみてはいかがでしょうか。
関連コラム
アップサイクルとは?|廃棄物から生まれるサステナブルなプレミアグッズ
廃棄物や不用品を、新しい製品にアップグレードする「アップサイクル」とは? SDGsを考える上で欠かせない「アップサイクル」を活用したグッズの事例とともに解説します。
セウヘイ
株式会社トランス社員。アップサイクルといえば、廃棄予定の食材をつかってビールをつくる取り組みが増えているそうです。仕事柄アップサイクル製品を調査しなくてはいけないので、飲みくらべてみる必要がありますね。