トランスが発信するエシカルな活動のひとつとして、自社企画で作製したオリジナルグッズをご紹介します。
素材の背景のストーリーに着目した生地を採用し、アイテムのコンセプトをご提案します。
今回は作製したオリジナルグッズのポイントと、開発ストーリーをご紹介します。
トランスの強みである「提案力・企画力」を活かしたグッズとなっておりますので、オリジナルグッズ作製のアイデアとして参考にしていただければと思います。
目次
グッズ①海洋プラスチックごみをリサイクルしたエコバッグ
今回は、海洋プラスチックをリサイクルした生地を使ってエコバッグを作製しました。
トランスオリジナルエコバッグのポイントを、アイテム選定、素材、デザインに分けてそれぞれ解説していきます。
アイテム:選定理由や仕様
レジ袋が有料化となって以来、私たちの生活にすっかりなじんだエコバッグ。
環境省によると2021年のコンビニ・スーパーでのレジ袋辞退率は8割弱とされ、エコバッグの使用が定着していることがうかがえます。
企業のノベルティとしてお渡しするなら日常的に使っていただける実用的なモノでありたいと思い、コンビニのレジ袋程度のサイズ感で作製しました。
お昼休みや休憩時、お仕事帰りにちょっとした買い物の際に使いやすいサイズ感になっています。
素材:海洋プラスチックごみをリサイクルした生地
エコバッグに使用したのは、回収した海洋プラスチックごみ(ペットボトル)をリサイクルした生地。
毎年約800万トンものごみが海に流れこんでおり、その半分以上がプラスチックごみであるといわれています。
海洋ごみは、海の生物の生活環境だけでなく、漁業や観光業、船の影響、細かいプラスチックの破片を飲み込んだ魚を食べる人々の生活にも悪影響を及ぼします。
そんな海洋プラスチックごみは、回収、洗浄、粉砕、ペレット化され、海洋プラスチックごみ100%の生地に生まれ変わります。
新たなプラスチックごみ発生の削減、回収した資源の活用ができるこの生地を使い、モノづくりをする企業としての使命を果たしたいという想いから、リサイクル生地を採用しました。
「海洋プラスチックごみ」というインパクトあるワードも、高いメッセージ性を持っていると考えました。
デザイン:障がい者の活動を支援する「シブヤフォント」
エコバッグのデザインには「シブヤフォント」を採用。
シブヤフォントとは、渋谷で暮らし、働く障がいのある方が描いた文字やイラストを、渋谷で学ぶ学生がフォントとしてパブリックデータ化したもの。
企業のプロモーションに活用することで、障がいのある方の活動の認知を拡大させ、福祉を活性化させるサービスです。
デザインの使用料は、障がい者支援事業に充てられます。
今回は「海洋プラスチック」のバッグということで、シブヤフォントの中から海にまつわる「フグ」のデザインを選びました。
このグッズを手に取った皆さまに「フク(福)」が訪れてほしいという想いを込めました。
キュートで縁起のいい絵柄に、どなたでも使いやすいネイビーを使って落ち着きのあるデザインにまとめました。
日本らしい雰囲気も感じられるデザインで、昔の人々が日常的に使っていた風呂敷のように、毎日使えるバッグになっています。
- ポイント:このバッグでできるサステナブルな取り組み
- 海洋プラスチックごみの削減に貢献
- 石油由来のプラスチック使用削減
- 障がい者の活動・就労支援
- 学生の活動支援
グッズ②環境に配慮した素材のオリジナルパッケージ
中身を取り出したらすぐに捨てられてしまいがちなパッケージ。
今回作製したパッケージは素材とデザインにこだわり、企業のプロモーションツールとしての役割を持たせています。
素材、印刷、デザインと役割について解説していきます。
素材:再生古紙
オリジナルで作製したパッケージには、再生古紙を使用しています。
よく見ると紙の繊維や色が混ざっている部分がところどころにみられます。
リサイクル素材特有の個性的な風合いを感じることができます。
印刷:ノンVOCインキ
印刷に使用したのは、ノンVOCインキと呼ばれる植物油を使ったインキ。
一般的なインキの場合、大気汚染につながる有害物質が発生する、石油系の溶剤が含まれています。
ノンVOCインキは、植物油に置き換え、有害物質の発生を抑えています。
パッケージの役割とデザイン
すぐに捨てられてしまいがちなパッケージですが、今回は企業からのメッセージカードとしての機能をもたせました。
エシカルな要素が詰まったエコバッグの説明をパッケージ内面に記載し、素材の特徴を解説。
お渡しした企業の担当者様への提案書を兼ねています。
上部にはトランスが展開しているエシカルなもの・コトを提案、提供するサービス「+ethical(プラスエシカル)」の提案強化の決意とともに、webメディア化しているコーポレートサイトのQR画像を配置。
パッケージを「梱包資材」と捉えず、企業の取り組みとアイデアをアピールできる広告媒体として活用しました。
パッケージ表面には、エシカルなサービスを表したコピーと、「フク(福)」を呼ぶフグのシルエットを配置し、ポップな柄のエコバッグとの親和性をもたせました。
カラフルな波模様は、+ethicalの象徴となる、年輪をイメージとした水彩テイストのデザインと、エコバッグの素材・デザインに共通するキーワード「海」を結びつけた、日本伝統の模様です。
キャッチーでカラフルな表面と、一企業としての意志と提供するサービスについて解説した内面をスムーズに繋げたデザインとなりました。
- ポイント:このバッグでできるサステナブルな取り組み・企業のプロモーション
- 森林等資源の適切な使用
- 環境汚染リスクの抑制
- 企業のブランディング
- 製品のポイント訴求
環境省:「プラスチック・スマート」への掲載
出展:http://plastics-smart.env.go.jp/
トランスが作製したこちらのグッズは、環境省が運営するプロジェクト「プラスチック・スマート」の事例として登録・掲載しています。
プラスチック・スマート(通称:プラスマ)とは、プラスチックの正しい処理やリサイクル方法を広め、その他代替素材について理解を深め、プラスチックと賢く付き合っていくことを推進する取り組み。
プラスマへの掲載は、この取り組みへの賛同と、企業・団体として、プラスチックごみの削減へ今後も取り組んでいくという宣言にもなります。
事例掲載ページ:http://plastics-smart.env.go.jp/case?_token=GPPN7bkusEZTirrKufQZ2C8Vt0gaLK7KuRjOLsgc&case=4894
企業のオリジナルグッズ 活用方法
企業のオリジナルグッズは、以下のようなシーンで活用できます。
販売品
小売りや流通を経由せずメーカー・ブランドから自社の製品を直接販売するD to C (Direct to Consumer)が話題になり、ここ数年で事例が増えています。
企業のオリジナルグッズをECサイトで販売することで、ユーザーのデータを直接回収でき、ターゲットの属性を分析することができます。
ノベルティグッズ(SWAG)
展示会やセミナー店頭でのお買い上げ特典などで配布するノベルティグッズ
単純な「おまけ」にならないよう、製品や事業内容の訴求をさせるような、アイテムやデザインを採用したり、ノベルティグッズの素材の背景にあるストーリーによって付加価値をつけることができます。
ノベルティグッズはただの「おまけ」ではなく、レア物やプレミア物にもなり得る可能性をもっています。
そこで、アイテムの素材にこだわる、素材について知ってもらえる構造をつくる、などの仕掛けが有効となります。
営業ツール
年末年始や、新規取引先へのご挨拶などに使われる営業ツール。
ペンやメモ帳、エコバッグなど、ものとしてはシンプルなアイテムでも、企業の強みや特色を知ってもらえるようなコンセプトを持たせると良いでしょう。ブランディングとしても有効なツール。デザインにもこだわってみましょう。
周年記念品・卒業記念品
年度末や期末、企業や学校の創立記念、社員や生徒の表彰など、一年の中で記念品や褒賞品をお渡しするタイミングがあります。
受け手に満足してもらえるよう、実用性や特別感、驚きを与えたい時はストーリーや仕掛けを含ませると効果的です。
記念品は長く手元に残る可能性のあるもの、そこに込められた想いも伝わるようなメッセージを同封するのもおすすめです。
従業員向けギフト
近年、企業から従業員へ向けたB to E(Business to Employee)ギフトが注目されています。
社員のモチベーションアップや、企業の一員としての意識を高めるなどの効果があり、SDGsの次に経営方針のキーとなるともいわれる「ウェルビーイング(心身ともに健康な状態であること)」とも関連します。
社員としては意識の向上、企業としては優秀な社員の流出を防ぐことにつながります。
新入社員へのギフトセット“ウェルカムボックス”を取り入れる企業も増えており、社員へのコーポレートギフトの製作、贈呈は押さえておくべきトレンドと言えます。
予算消化
「販促費用が余っているが来季の予算確保のために予算を消化したい」というお悩みを解決する営業ツール。
今回トランスで作製したオリジナルグッズは、年末年始のご挨拶にも配布できるタイミングで作製しましたが、パッケージには年号や年始の挨拶などの文字は載せず、通年活用できるデザインにしました。
トランスオリジナルグッズ ポイントまとめ
- 今回のトランスオリジナルグッズのポイント
- 海洋プラスチックごみ削減に貢献する素材
- 障がい者の活動・就労支援に貢献するデザイン
- 環境に配慮したパッケージ
- グッズの背景にあるストーリーを知ることができるパッケージデザインのアイデア
このグッズを通してトランスが伝えたい事
今回は販売品ではなく、自社のオリジナルノベルティグッズとして作製しました。
単純に「エコバッグ」自体を売り込みたいというだけでなく、企業の方針やサービスについての理解、トランスの提案力を認知していただきたいという想いを込めました。
素材の背景にあるストーリーや、その素材を選んだ理由、こだわりや遊び心が受け取っていただいた方に伝わっていたらうれしい限りです。
サステナブルな取り組みを進めるのはすでに当たり前となりつつあり、環境に配慮したエシカル素材は競合性が薄れてきたように感じます。
エシカルなグッズであること、さらに大前提としてモノづくりの根本であるユニークで驚きや楽しさのある提案が常にできることが、より一層重要視されます。
『素敵なモノにエシカルをプラス たのしいコトで福をお届け』というコンセプトを持たせた今回のグッズのように、エシカルでユニークなグッズ製作・提案をより一層強化していきたいと思います。
【+ethical】エシカルなモノづくり・コトづくりの提案をより一層強化してまいります
2021年よりスタートした【+ethical】のサービス。
企業におけるサステナブル・エシカルな取り組みが当たり前となりつつある今、より多くの企業様にご利用いただけるよう、エシカルプロダクトの拡大を強化しております。