箱特集 製品の魅力を引き出すオリジナルパッケージのひみつ

箱を組み立てる前に、型と印刷について知る。

箱は、一枚の大きな紙にデザインを印刷し、展開図の型を使って切り抜くという製造方法が基本です。
型で切り抜いたものを組み立てることで、立体的な箱に仕上がります。
また印刷方法にはたくさんの選択肢があります。オリジナルパッケージはデザインが大切ですが、それを再現する印刷方法の選び方次第で、仕上がりイメージも大きく変わります。
ここではもっとも代表的な印刷方法をご紹介します。

オフセット印刷

版を用いてインクを転写して印刷する方法。
印刷には版を作製する必要があるため、印刷部数が多いほど割安になります。
文字・写真の細部まで鮮明に仕上げることができ、また大量の部数でも短期間で印刷できるのが特徴です。
紙への印刷はオフセット印刷が主流です。

箔押し

印鑑のような版を用いて、熱と圧力によって、金・銀・色箔の文字や絵柄を押す加工です。
版を使って箔を押し込むので、文字やロゴの形に紙の表面が少しだけ凹み、特別感・高級感を演出します。

さまざまな箱の形　箱にも個性があります

続いて、今回トランスがおすすめする箱についてご紹介します。
スタンダードなタイプからちょっと変わったタイプまでありますので、それぞれの特徴を見ていきましょう。

キャラメル箱【汎用性：★★★】

上下に差し込み式のフタがついている形状の、日常生活のいたるところで見かけるオーソドックスな形の箱です。
キャラメルが入っている箱の形から、「キャラメル箱」という名で広まっていきました。
お菓子や医薬品、雑貨類などの比較的軽いものを入れるのに適しています。
細長い形、薄い形、陳列しやすいフック付きなど、用途に合わせて形状を考えましょう。

地獄底　【強度：★★☆】

箱の底を順番に組み立て、底面の強度を上げている形状。
下から押し上げないと畳むことができない、一度組み立てると戻れないことから、「地獄」という恐ろしい名前で呼ばれるようになったようです。
キャラメル箱に比べ、ある程度重さのあるものを入れるのに適しており、ボトルやタンブラーなどを入れるパッケージとしても使われます。

【E段箱で、強度プラス★★★】

E段箱の「段」は段ボール紙のことで、「E」はその厚みを表します。
グラスやマグカップなど、割れ物がある場合や、やや重いものを入れる際に使いたい薄手の段ボール紙です。
雑貨類の箱としては、使う場面が多いのがこのE段の厚みになります。

N式箱【インパクト：★★☆】

フタと身が一体となっている形の箱です。
フタを大きく開くので、開けた瞬間に商品が出てくるインパクトを伝えることができます。
ノートや皿などの平たいものや、薄いものを郵送する際にも使いやすい形です。

窓付き　【見栄え：★★★】

キャラメル箱など通常の箱に、扉と窓がついて仕様にすることも可能です。
ハンカチの生地と刺繡が見えるように大きく窓のあいた箱を見たことがあるのではないでしょうか。
ギフトパッケージとしても良し、中身を出した後に飾っても良しの形状です。
キャラクターグッズやアーティストグッズのパッケージとして採用すれば、中身を使う用とは別に、飾るための「保存用」として追加購入してもらえる可能性もあります。コレクションオタクがつい課金したくなる仕様です。
扉の内側の印刷、窓からのぞく本体の見え方など、工夫次第でびっくり箱のようなワクワク感を与えることができます。

組箱　【高級感：★★★】

フタ部分が分かれている2ピースタイプの箱。
“額”をつけることで強度が増すため、陳列にも向いています。
贈答用のお菓子や、記念品など、中身の製品を特別なものとして演出します。
紙の帯を巻くなどしてさらに高級感を出すことも可能です。

その他　変形箱【アイデア：★★★】

四角形だけが箱ではありません。
アイデア次第でさまざまな形の箱を作ることが可能です。
写真の家の形の箱には、「家族」「帰る」「ホーム」などをテーマにしたライブやキャラクターのグッズを販売する際に、箱を使って世界観を表現することができます。

企画のテーマから連想されるものをイメージしてパッケージ化するのがよいでしょう。
「変形箱はかさばってしまう、でも見た目に華やかさが欲しい」という方には、箱にリボンなどの装飾をつけることもおすすめです。

変形箱　形のアイデア

箱は、さまざまな形を立体で表現することができます。
家など直線的な形だけでなく、組み立て方を工夫することで曲線の表現も可能です。
ドーム状やハート型などは、直方体の箱と違い角が少なくなるため、かわいらしい、やさしい印象を与えたい場合にオススメ。
キャラクターやモノをかたどった箱は、認知拡大、話題づくりに最適です。

パッケージとしての強度や、輸送・在庫時にかさばりすぎないよう考慮する必要はありますが、アイデアの一つとしてぜひ参考にしてみてください。

“エシカル”の観点から見るパッケージ

プラスチックごみ削減の取り組みが各所で見受けられるようになりましたが、商品のパッケージにはまだ多くのビニールやプラスチック素材が使用されています。
しかし、一部の企業では製品の素材をエシカル素材に変えると同時に、パッケージやタグなどの副資材も再生素材に替える動きが見られます。
紙素材のパッケージを活用することで、プラスチックごみの削減に貢献できますが、さらに一歩進んで、再生紙や認証マークを取得している環境にやさしい素材を活用するのもおすすめです。

近年高まっている消費者の「エシカル消費対する意識。エシカルな商品であると見分けるための目印となる「認証マーク」をご紹介します。今回は、物作りに関わる8つの認証マークをピックアップしました。

「認証マーク」について読む

プラスチックの使用をゼロにするというのは難しいことかもしれませんが、パッケージの代替品のひとつとして、“エシカル素材を使用した紙箱”を選択肢の1つとしてみてはいかがでしょうか。

今回は箱特集ということで、さまざまな形の箱をご紹介しました。
パッケージは、製品を包装するための資材ですが、こだわって製作することで、さらに中身をよく見せたり、付加価値を持たせたりすることもできます。
また製品を手にする側にとっても、特別感が感じられたり、お得感を感じられたりと、多くのメリットがあるでしょう。
グッズ製作を企画する際には、ぜひオリジナルパッケージの製作についても検討してみてください。

• 製品の売り上げが伸び悩んでいる
• ノベルティがややマンネリ化している
• 予算に少し余裕がある

そんなときは、「オリジナルパッケージ」に目を向けてみてはいかがでしょうか？
思わぬ課題解決や、ヒットにつながるアイデアが見つかるかもしれません。
販促品やグッズ本体についてはもちろん、パッケージについても是非お気軽にご相談ください。