オフィス環境を整えて従業員が働きやすい職場をつくることは、企業にとって従業員エンゲージメントの向上につながる重要な施策といわれています。弊社トランスでは社内プロジェクトチームを組んでオフィスリニューアルを実施しました。
「モノづくりを通じて、優れた商品やサービスを社会に提供する」というトランスの企業理念をオフィス環境からも実現したい、との想いでプロジェクトを立ち上げました。社員自らが悩み、考え、ひとつひとつ結論を導き出して完成まで至ることができました。
プロジェクトを遂行するには、従業員の時間を割くことになりますが、あえてこの過程を経ることで、従業員エクスペリエンスを高め、やがては従業員エンゲージメント向上につながることを目指しました。
今回は弊社がどのようにプロジェクトを進めていったのか、気を付けていたポイントや結果従業員エクスペリエンス向上に寄与できたのかも合わせてご紹介していきます。
目次
従業員エンゲージメント向上を目指し、オフィスの本質的な問題点をとらえ社員自ら向き合う
すっきりきれいな職場でスマートに働きたい、なぜうちのオフィスはこうなんだろう?という社員の漠然とした不満、長年のモヤモヤ気分の本質を見極めようというところから、リニューアルはスタートしました。
美観を損なうモノ、モノ…
ノベルティグッズの企画・開発を行う弊社は、つねにモノに囲まれて仕事をするため、モノの整理や管理が業務の一部になっています。個人の裁量に任されることの多かった従来のオフィスは、デスクまわりに無造作に置かれたサンプル類、発送待ちでエントランスに並ぶ段ボールなど、つねに大小さまざまなモノがあふれている状態。統一感を欠く景観は、美しさとはほど遠いものでした。
経営戦略としてのリニューアル
そして、そのような雑然とした空間は、社員の気分を下げるだけでなく、業務タスクの混在や混乱を招き、個々の業務への集中を妨げて、生産性を下げることにつながっていました。このままでは従業員エクスペリエンスが低下し、従業員エンゲージメントも下げかねない状況でした。
そこで今回のリニューアルは、レイアウトの抜本的な変更による業務の効率化、個々の仕事のやり方を見直す意識改革としての環境づくりに注力。表面的な環境改善に終わらせない、真のリニューアルを目指しました。
リニューアルにあたっては、社員自らの意見を踏襲し、共に作り上げていくことで変化していく過程を共有し、従業員エンゲージメントの向上を目指しました。
自分たちがつくる自分たちのオフィス
トランス社内にリニューアルのプロジェクトチームが立ち上がったのが、完成の約1年前の2021年9月。デザインセンスとフットワークのよさで選ばれた若手中心のメンバーが、社員の思いをまとめあげる形でリニューアルに奔走しました。スケジュールの作成から始まり、業者の選定、備品の選択、ルールの見直し、引越しの段取りなどなど、日常業務とはかけ離れた多くの課題に取り組むことになりました。
メンバーで考え、実践したこと
リニューアルを進めていくにあたり、メンバーでは以下の点に注意して進めていきました。
情報収集からしっかりと
まったく初めてのミッションに、何をどう進めていけばいいのか手探り状態。オフィスリニューアルの経験のあるグループ会社の担当者に話を聞いてみることからスタートした。
社員みんなを巻き込む
業者は、各社のプレゼンをズームで社員全員に見てもらい、多数決で決定。検討課題が出るとアンケートとヒアリングで意見を集め、決定事項はそのつど告知して共有を徹底した。
自分の目で確かめる
什器やグリーンなどは、カタログ類に頼らず、現物をしっかり確認して選択。椅子は実際に座ってみるなど、店舗やショールームに出向き、見て、触れて、納得したうえで決定した。
運用ルールとセットで
担当者に任されていたサンプル類の保管法や、新導入のかご車の運用法など、リニューアルで混乱を招きそうな事項については、新ルールの検討と運用を並行して進めていった。
リニューアルでここまで変わった
リニューアルの内容を話し合いながら、施工の委託先も合わせて検討しました。3社のプレゼンから社員投票で決定し、基本デザインと施工を委嘱したのは、(株)エイムクリエイツ。商業施設を多く扱い、空間プロデュースを得意とする同社は、トランスの抱えていたオフィスの悩みを根源から解消するプランを提案。業務の効率化はもとより、社員一人ひとりの美意識を高める空間づくりが決め手でした。
エイムクリエイツの皆さんと弊社社員が何度も意見を交換しながら、効率を考えたゾーニングから家具の選定まで、ひとつひとつ課題解決に向けて取り組みました。
ここからは具体的にどのようなリニューアルを行ったかご紹介していきます。
ゾーニング/スペースごとに業務の役割を明確化
業務の内容と動線を考えながら目的別にスペースを区分。執務スペースと、保管+作業スペースを通路で分けることで、執務スペースにモノがあふれる状態を回避。目の前の仕事に集中できる環境を整備。
ワークデスク/私空間を減らし美観と効率をアップ
各自のデスクは、袖机をなくしたシンプルなスタイルに。モノに脅かされない空間で、いまここにある仕事に集中できる環境を整えた。今後のフリーアドレス化も視野に入れた選択。
袖机に入れていたモノも含め私物管理はすべて個人ロッカーで。執務室に私物を持ち込まない習慣と、一人ひとりのデスク環境が美しいオフィスをつくるという意識につなげた。
ストレージ/図書館型の収納庫Trans Libraryを新設し、スムーズな運用と情報共有が可能に
サンプル、素材類など、整理収納に困っていたモノ達は、番地でシステマティックに管理できるオリジナルの収納棚へ。スムーズな出し入れや情報共有が可能になった。
ラウンジ/リラックス&コミュニケーションの場
ランチやカフェタイムに社員がひと息つけるラウンジを、外光が差し込む角地に。テーブルを動かすことで、ミーティングや社内イベントなど、フレキシブルな使い方ができる。
ファニチャー/美意識を高めてくれる北欧デザイン
良いモノづくりのためには優れたデザインに触れていることが大切という考えのもと、テーブルや椅子、照明などの什器は、機能性と美しさを兼ね備えた北欧家具のブランドで統一。
空間とともに明るくなった社内のムード、アンケート結果から見る従業員満足度と従業員エンゲージメント
それでは実際にリニューアル実施後、従業員の反応はどうだったのか・・・・。
プロジェクトメンバーのひとりは、リニューアル後に初めて出社した朝の「うわあ、明るい!」という印象がイメージ以上だったと言います。窓から自然光が入り、執務室全体が見通せる、明るくオープンな空間は、社員のマインドにもうれしい効果をもたらしました。
リニューアルから数か月を経てアンケートを実施したところ、全体を通して好意的な意見を得ることができました。
働き方/作業効率について/会社への満足度
オフィスが刷新されたことで、働き方や意識に変化があったと答えた従業員は全体の87.3%。業務の作業効率(生産性)は、73.4%が上がったと感じています。
そして、会社に対する満足度については、74.7%の従業員が向上したと答えました。
「執務と作業の空間をきっちり分けたことで効率が上がり、気持ちよく働けるようになった」、「ラウンジやミーティングスペースができ、コミュニケーションが増えた」、「きれいな環境を保つため整理を心がけるようになった」、「モチベーションが上がった」、「会社に来るのが楽しくなった」といった意見を多くみることが出来ました。
このような結果からみると、今回のオフィスリニューアルは従業員エンゲージメントに寄与したといえそうです。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
昨今ではリモートワークも普及していますが、今回はオフィスで仕事をする場合にはどういった環境だったら良いかに焦点を絞って取り組みました。
オフィスのリニューアルは想像以上に決める事、やるべき事が多いものです。全て専門会社にお任せすることも可能ですが、弊社の場合は従業員自身が快適に働ける仕組みを考えることで、生産効率を高めるゾーニングや動線の確保を実現することが出来ました。また限られた面積の中で、風通しのよい、トランスならではのオリジナリティのあるオフィスになりました。
さまざまな新しい経験を通してリニューアルを成功に導いたプロジェクトメンバーの達成感をはじめ、社員それぞれのオフィス環境や仕事に対する意識も変わり、心なしか社員の会話や笑顔が増えたように感じます。
今回の経験から従業員を巻き込んだオフィスリニューアルプロジェクトでは以下が大切なポイントのように感じます。
- リニューアルの目的を明確化し、従業員全員の共通認識にする
- プロジェクトメンバーを中心にしながら、従業員全体から意見を吸い上げる機会を設ける
- 目的の実現に向けて、課題を明確化させる
- リニューアル後の運用も想定して計画する
リニューアルが完成して数カ月たちますが、リニューアル後も運用の改善やルール変更などを定期的に行っています。
継続的にメンテナンスを行い、従業員が生産性高く、快適に働ける環境を作っていけたらと思っています。
弊社トランスでは従業員向けのギフトや、ウェルカムボックス、オリジナルグッズを多数取り扱っています。
何かご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。