パリ五輪でのブレイクダンス競技の採用、中学校におけるダンスの必修科目化、人気アイドル・アーティストのまねしやすいキャッチーな振り付け、「○○踊ってみた」動画の投稿…
ダンスの存在が世間に浸透してきています。
そんな中、世界初のプロダンスリーグ『D.LEAGUE』が2020年発足しました。
『D.LEAGUE(Dリーグ)』とは?
ダンスのアート・スポーツ・ビジネス面における新たな価値を見出し、ストリートダンスの発展と普及を目指し発足した、日本発世界初のプロダンスリーグ。
「ダンスの民主化」を目標に掲げ、より身近なエンターテインメントにする、注目のコンテンツです。
サッカーの「Jリーグ」や、野球の「セ・リーグ」「パ・リーグ」と同じように、ダンスにおいて日本一のチームを決めます。
2021年1月に開幕した『第一生命 D.LEAGUE』はROUND6を向かえようとしています。
というわけで今回は、ダンス経験者である筆者が、D.LEAGUEの仕組みや、ダンスを知らなくても楽しめる注目すべきポイントを解説していきます。
D.LEAGUEの仕組み
参考:D.LEAGUE公式HP
D.LEAGUEはどのような仕組みで動いているのでしょうか。
参加しているチーム、審査の方法、シーズンの進み方などについて見ていきます。
参加チーム
全9チームがあります。
プロ野球と同じように、企業とスポンサー契約を結び、プロダンスチームとして戦います。
チーム員の男女比などは決まっておらず、現在は9~13名ほどのメンバーで構成されます。
屈強な男だらけのチーム、美女ぞろいのアイドルチーム、平均年齢20歳以下のフレッシュなチームなど、個性があふれています。
チーム・ダンサーたちはそれぞれ得意なダンスのジャンルが異なり、各チームのダンススタイルがショーに強く表れています。
全国各地、世界でも活躍するダンサーたちがD.LEAGUEを機に集結しました。
試合内容
事前に準備した2分程度のショーを、全チーム順番にステージで披露します。
ショーにはチームから8名がスターティングメンバーとして出演します。
シーズンの流れ
レギュラーシーズンは全12ROUND(約2週間に1回)で構成され、各ROUND内でチームが1回ずつショーを行います。
2021シーズンは1月にスタートし、6月頃に全12ROUNDが終わる予定です。
各ROUNDで踊ったショーを、審査員とオーディエンスが審査し、ポイントが与えられます。
全12ROUNDが終わった後、シーズン中の獲得ポイントが高い4チームがCHAMPION SHIPに進出し、トーナメント方式で優勝チームを決める最終決戦を行います。
審査
ジャッジポイント・オーディエンスポイントの計100点で採点されます。
その配分は、審査員4人が20点ずつと、オーディエンスポイントが20点という構成になっています。
DANCER JUDGE、ENTERTAINER JUDGEが、それぞれの審査項目に基づき、スキルや表現力、ファッションなどさまざまな観点からショーを採点します。
オーディエンスは公式アプリを通じて、気に入ったショーに投票することができます。
現在(2021年3月時点)は無観客での開催となっていますが、公式アプリ、各種動画配信サービスからのLIVE配信を視聴することができます。
いずれ観客が動員されれば、迫力のパフォーマンスにオーディエンスは湧き上がること間違いなしです。
ここがアツい!D.LEAGUEの見どころ
続いて、D.LEAGUEの見どころを解説します。
D.LEAGUEは単にダンスのショーを競うイベントなだけではなく、ダンス経験者も未経験者も楽しめるアツいポイントがあります。
このポイントを抑えておけば観戦がより楽しくなりますよ。
ダンスを知らなくても大丈夫。勝負の行方を左右する「オーディエンスポイント」
観客もショーを評価することができる審査制度「オーディエンスポイント」。
オーディエンスポイントも審査員1名と同様、20点の配点をもつ重要なポイントです。
ジャッジポイントが伸びなくても、観客の心に響いていればオーディエンスポイントで巻き返せることもあります。
つまり、ダンスに詳しくなくても、「すごい!」と思ったショーや、推しのイケメン・美女がいるチームを探して投票すればOK。
各ROUNDの勝敗を左右するとともに、ダンスを世間に普及させるカギとなるポイント制度です。
ROUNDごとに変わるゲストジャッジ
ショーを評価する4名の審査員のうち2名は、ROUNDごとにゲストジャッジが招集されます。
ゲストジャッジはDANCER JUDGEとENTERTAINER JUDGEそれぞれ1名招集されるのですが、気になるのはそのENTERTAINER JUDGE。
ギタリストや、歌手、お笑い芸人からアスリートまで、ダンス以外の分野に精通したゲストが、ダンスのスキル面の評価ではなく、ショーを評価します。
ミュージシャンならではの音楽性、お笑い芸人ならではのストーリー性など、ショーを見るうえでの評価ポイントが変わってくるでしょう。
各ROUNDでゲストの“ツボ“が異なるため、ショーのテーマが審査にどう影響するかわからないという点が混戦を演出します。
豪華なゲストライブ
9チームによるダンスショーはもちろんですが、毎ROUND開催されるゲストライブもアツい!
人気アーティストによるダンスパフォーマンスや、気鋭のラッパー、世界で活躍するミュージシャンによるパフォーマンスを見ることができます。
競技とライブの組み合わせには、アメリカンフットボールのハーフタイムショーのようなエンターテインメント性を感じられます。
好きなアーティストのパフォーマンスを見るついでに、という理由でダンスショーを見てみるのも良いのではないでしょうか。
ファンが増えてD.LEAGUEのビジネスが軌道に乗っていけば、さらに豪華なゲストが呼ばれるかもしれません。
バズったテーマソング
D.LEAGUEを盛り上げるためにアンバサダーとして任命された、EXILE SHOKICHIさんとCrazyBoy(ELLY)さん。
2人が書き下ろしたテーマソングの「GET IT ON」。ミュージックビデオには9チームのダンサーたちも参加しています。
そのテーマソングの振り付けを踊ったショートムービーがTikTokに投稿され、その動画をCrazyBoyさん本人がInstagramに引用したことで一気に拡散されました。
本人に投稿してもらうために多くのファンがダンス動画を投稿し、テーマソング「GET IT ON」はTikTokの急上昇1位にランクイン。
テーマソングがD.LEAGUEに興味を持つための入り口として十分な役割を果たしています。
筆者が注目するチームをご紹介!
現在総合1位(ROUND5終了時点)の「avex ROYALBRATS」はエイベックス(株)がスポンサーにつくHIPHOPチーム。キレのあるパフォーマンスが観客の心をつかみ、毎回高いオーディエンスポイントをたたき出す人気チームとなっています。
現在1番人気はavex ROYALBRATSですが、ここではダンス経験者である筆者の好みと偏見で注目チームをご紹介させていただきます。
FULLCAST RAISERZ
(株)フルキャストホールディングスとスポンサー契約を結ぶチーム。
KRUMPというダンスを得意とし、エナジーあふれる力強さが特徴です。
日本を代表するKRUMPチームのメンバーを中心に、ブレイクダンスなどアクロバティックなダンスも得意なメンバーを加え、さまざまなギミックが飛び出す迫力満点のショーを披露します。
また、メンバー全員が筋肉バキバキなのも注目ポイント。ワイルドなイケメンが好きな女性は要チェックです。
KOSÉ 8ROCKS
(株)コーセーとスポンサー契約を結ぶチーム。
世界大会で優勝したダンサーが率いる、ブレイクダンスチーム。
ブレイクダンスと聞いて誰もが思い浮かべるような、ぐるぐると回転する“パワームーブ”を得意とするメンバーがそろっています。
ステージ上をとびまわるパフォーマンスは、ダンスを知らなくても楽しめる派手さがあり、ひとつひとつの技のレベルも高く、誰が見ても「すごい!」と思えるショーになっています。
また、D.LEAGUEトップクラスともいえる美女ダンサーの、身軽さを活かしたダイナミックなパフォーマンスにも注目です。
ここではほんの数チームの基本情報しかご紹介できませんが、全チーム違った魅力をもっており、推しポイントはたくさんあります。
実際にショーを見て、気になるチームやダンサーをチェックしてみてはいかがでしょうか。
ダンサーの中には、有名アーティストのバックダンサーなどを経験した方も多くいますので、ライブやミュージックビデオで見たことのあるダンサーが見つかるかもしれません。
D.LEAGUEはこれから発展していく!
D.LEAGUEはまだ始まったばかりですが、すでに各チームの公式グッズが販売されるなど、ファン獲得に向けてさらなる事業拡大が予想されます。
ファンクラブの発足や、新チーム・新人ダンサーの参入、ショーだけでなくダンスバトルが開催されるなど、新たな展開もあるかもしれません。
観客が会場に足を運べるようになれば、より盛り上がるイベントになり、ビジネスの幅も広がっていくでしょう。
今後のダンス界の発展させる一大プロジェクトから目が離せません。
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セウヘイ
株式会社トランス社員。私は学生時代にダンスサークルに所属し、HIPHOPを踊っていました。D.LEAGUEのショーを見ていると、久々に自分の昔のダンスの動画を観たくなりました。当時は「俺のチーム超カッコイイ!」なんて思いながら仲間と踊っていたわけですが、今になって観てみると恥ずかしいくらいヘタクソでした。しばらくダンスから離れていましたが、筋肉痛覚悟で体を動かしてみようと思っています。