スマホで縦にスクロールしながら読む、新しいスタイルのフルカラーマンガ「Webtoon(ウェブトゥーン)」。
韓国発の「Webtoon(ウェブトゥーン)」は日本を含む世界に広く受け入れられており、2028年には市場規模が3兆円を超えることが予測されるなど、今後の成長にも期待されている要注目のエンタメジャンルです。
本記事では、人気のWebtoon(ウェブトゥーン)作品を紹介しつつ、Webtoon(ウェブトゥーン)が注目されている理由やビジネス展開の可能性などを探ります。
目次
Webtoon(ウェブトゥーン)とは
Webtoon(ウェブトゥーン)は韓国発のデジタルマンガで、「ウェブ」と英語でマンガを意味する「カートゥーン」をくっつけて名付けられました。
フルカラーで画面を縦にスクロールしながら読めるなど、スマホで閲覧しやすい仕組みとなっている点が特徴的で、さまざまなジャンルの作品が生み出されています。
1990年代に生まれ、その後韓国の急速なIT化により2000年代ごろから流行しました。
Webtoon(ウェブトゥーン)は基本的に、“ポータル”と呼ばれるWebサイトか各ポータルのアプリにアクセスして読みます。
日本で展開している代表的なポータルには、
- ピッコマ
- comico
- Lezhin Comics
- LINEマンガ
- コミックシーモア
- めちゃコミック(めちゃコミ)
などがあります。
LINEマンガ、コミックシーモア、めちゃコミック(めちゃコミ)などは以前から人気のあるWebコミックのポータルですが、近年Webtoon(ウェブトゥーン)作品のラインナップ強化にも力を入れているようです。
ポータルによっては無料で読める作品も用意しているので、Webtoon(ウェブトゥーン)がどのようなものなのかをぜひチェックしてみてください。
Webtoon(ウェブトゥーン)が世界で注目されている理由
Webtoon(ウェブトゥーン)はマンガ界のアカデミー賞と呼ばれるマイズナー賞の受賞作品も輩出するなど、現在世界で注目されています。
Webtoon(ウェブトゥーン)が世界的に受け入れられるようになった背景として、Netflixなどで映像化され大ヒットを遂げる作品が相次いだ点が挙げられます。
以下の人気ドラマはWebtoon(ウェブトゥーン)が原作です。
【Webtoon(ウェブトゥーン)原作の人気ドラマ】
- 梨泰院クラス
- キム秘書はいったい、なぜ?
- わかっていても
- 地獄が呼んでいる
- その年、私たちは
- Moving-ムービング-
- 今、私たちの学校は…
- 生まれ変わってもよろしく
- D.P. -脱走兵追跡官-
調査会社のGYResearchの予測では、世界のWebtoon(ウェブトゥーン)市場は2028年には3兆円を超えるとされています。
国際的に知名度を上げるヒット作品を生み出しており、Webtoon(ウェブトゥーン)の市場は世界的な広がりを見せているのです。
日本国内でのWebtoon(ウェブトゥーン)事情と将来性
日本では、2010年代前半に韓国発のマンガアプリ・comicoが上陸したことや、電子コミックサービス・NAVERウェブトゥーンの日本版がリリースされたことなどをきっかけに、Webtoon(ウェブトゥーン)が広まり始めました。
近年はKADOKAWA、小学館、集英社といった大手出版社やエンタメ企業もWebtoon(ウェブトゥーン)事業に本格参入し、日本国内でも市場拡大が予想されます。
さらに、プロの漫画家以外の人でも投稿できるものもあり、プロアマの垣根を超えて多数の作品が多くの読者の目に触れるようになっています。
Webtoon(ウェブトゥーン)作品は、紙媒体のように大小さまざまな形のコマが並ぶわけでなく、スクロールに対応した縦長のコマを活用して表現するため、文字数が少なくなるなど構成がシンプルであるという特徴があります。
また、スキマ時間にスマホから読まれることを念頭に置いて制作されており、分かりやすいストーリー展開やフルカラーの華やかな絵図柄もまた、Webtoon(ウェブトゥーン)らしさを感じさせる特徴となっています。
Webtoon(ウェブトゥーン)の制作にあたっては、ストーリー構成やネーム作り、彩色などの各工程を分業性とする場合が多く、1人の作家が複数の作業工程にコミットする従来の日本式マンガとは、作品づくりに対するアプローチや考え方に違いがみられることもしばしばあります。
その一方で、ペイントソフトのウェブトゥーン用キャンバスを使って簡単に制作できる・ポータルに作品を持ち込んで掲載してもらえる可能性があるなど、個人のクリエイターが参画しやすい一面も併せ持っています。
このような点から今後は、企業が組織的に制作する商品としてのWebtoon(ウェブトゥーン)と、個人のクリエイターが自身の個性と技術を表現する作品としてのWebtoon(ウェブトゥーン)の両方が同時に発展していくことが考えられます。
人気のWebtoon(ウェブトゥーン)作品10選
Webtoon(ウェブトゥーン)の人気作品は主人公が別の人物に転生したり、別世界で生きるという設定が多いようです。
代表的な人気作品をご紹介します。
女神降臨
韓国でドラマ化されるなど人気を博し、日本でもLINE マンガを通して注目を集める作品。
失恋をきっかけに大変身を遂げた女性とイケメンたちを巡るストーリーで、主人公の変身ぶりやイケメンとの関係が話題となりました。
Webtoon(ウェブトゥーン)愛読者のほかドラマを視聴したファンなどからも高い支持を集めています。
私の夫と結婚して
LINEマンガで配信され、自身の夫と親友に不倫の末に殺された主人公が10年前にタイムスリップして2人への復讐を誓うというストーリーで人気を集めた作品。
ハラハラドキドキの展開が特徴で、読者を夢中にさせる作品です。
喧嘩独学
LINEマンガで配信され、第25回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門で審査委員会推薦作品に選出された人気作。
貧乏で力も弱い主人公が独学で喧嘩について学んで動画配信するというバトル・アクション物語で、10~30代男性などから支持を集めています。
スクールカーストをひっくり返すようなインフルエンサーになる下剋上模様を描く作風など、同作の魅力をお笑い芸人・カズレーザーさんやぺこぱさんが発信するウェブCMも制作され話題を呼びました。
入学傭兵
LINEマンガで国内累計1億ビューを突破した話題作。
常人離れした能力を持つ元傭兵の主人公が学校や社会にはびこる悪と対峙するというバトルストーリーで、バトル模様のほか主人公の人情味あふれる人柄から男女問わず幅広い読者の支持を獲得。
俳優の吉沢亮さんが出演するLINEマンガのCMでも取り上げられています。
俺だけレベルMAXなビギナー
LINEマンガで配信されたアクション・ファンタジー。
高難度なゲーム内で繰り広げられる試練が現実世界に現れたという設定で、ゲームを唯一クリアした経験のある主人公が最強のビギナーとして試練に挑むというストーリー。
怒涛の展開や迫力あるアクションシーンで、ゲーム好きの読者などから高い支持を得ています。
こちらも俳優の吉沢亮さんが出演するLINEマンガのCMでも取り上げられています。
再婚承認を要求します
韓国・NAVERにて連載されていたWeb小説を原作とするWebtoon(ウェブトゥーン)作品です。
ある国の帝王の皇后になることを定められた主人公が経験する、不遇と再起の物語。
苦境に立たされた主人公が再び立ち上がり、幸せをつかんでいく展開が読者の心を掴んでいるようです。
鉄槌教師
「令和のGTO」との呼び声もある、敏腕教師もののWebtoon(ウェブトゥーン)作品です。
教師である主人公が、いじめ、異なる派閥間の抗争、教師側の腐敗など、学校内にはびこる問題の数々を、時には暴力の行使も辞さない態度で解決。
スカッと痛快な気分になれるだけでなく、現実の社会問題に即したテーマ設定で、深く考えるきっかけを与えてくれる社会派な作品でもあります。
氷の城壁
現在少年ジャンプ+で「正反対な君と僕」を連載している、阿賀沢紅茶氏によるWebtoon(ウェブトゥーン)作品です。
4人の高校生を中心に据え、恋愛や友情、苦悩などを生々しく描いた青春群像劇となっています。
元々は縦スクロールを念頭に置いたスマホ画面向けのコマ割りでしたが、人気が高かったことから再編集して単行本としても刊行。
Webtoon(ウェブトゥーン)と従来の日本式マンガ、どちらにも一長一短があるため、見比べてみても面白そうです。
外見至上主義
世界で100億PVを突破し、NETFLIX(ネットフリックス)でのアニメ化実績もある人気作品です。
ある日目覚めると、容姿端麗で運動神経も抜群な体になっていた主人公の活躍を描くストーリー。
外見の変化に伴って周囲の反応も露骨に変わる様子などが描かれており、昨今話題に上ることが多い「ルッキズム」に真正面から切り込む作風も注目を集めている理由でしょう。
ナノ魔神
韓国・NAVER SERIESにて連載されていたWeb小説(完結済み)を原作とする、Webtoon(ウェブトゥーン)作品です。
未来から来た子孫に強大な力(=ナノマシン)を与えられた主人公が、最強の武人を目指し成長していくストーリー。
武侠とSF を掛け合わせた新感覚のジャンルとして注目を集めています。
Webtoon(ウェブトゥーン)のオリジナルグッズ事情
コミックマンガのコンテンツと同様に、Webtoon(ウェブトゥーン)で掲載されているマンガのオリジナルグッズも販売され、人気を呼んでいます。
例えば、韓国で開催されるアニメ・ゲームの総合イベント「AGF(Anime×Game Festival)」ではWebtoon(ウェブトゥーン)作品のキャラクターを取り上げたトレーディングカードやアクリルスタンドなどのグッズが販売されます。
日本のWebtoon(ウェブトゥーン)作品でも、アクリルチャーム、アクリルスタンド、トートバッグ、タオル、カードケースなど多様な関連グッズが展開されています。
特にアニメや映画化がされるとグッズの需要も高まり、展開しているグッズも多くみられます。
作品の人気と共にグッズの需要も高まっているようです。
まとめ
空いている時間にスマホでマンガを読む習慣は今後も多くの人に広がっていくことが予測され、Webtoon(ウェブトゥーン)作品の人気はますますの拡大が確実視されています。
映像化などで話題性が一気にアップする作品も続出する可能性があり、Webtoon(ウェブトゥーン)作品を活用したプロモーションやグッズ展開はより盛んになってくるでしょう。
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