韓国では、ミレニアル世代とZ世代をまとめて『MZ世代(エムズィセデ/エムジェトゥセデ)』と呼ぶことが多く、ざっくりと20代~30代前半を指し示す言葉として一般的です。
ここ日本においても、ネットやテレビで『MZ世代』という表記を目にする機会は増えており、“若者世代”を意味する言葉として用いられることが多いようです。
本記事では、MZ世代の概要と消費の傾向について解説します。
ミレニアル世代~Z世代をターゲットとした商品・サービスの企画担当者様は、ぜひチェックしてみてください。
目次
MZ世代とは?
MZ世代とは、ミレニアル世代(1980年代前半~1990年代中頃生まれ)とZ世代(1990年代中頃~2010年代前半生まれ)をまとめた、韓国発祥の世代区分です。
韓国のメディアでは一般的な表記のようですが、近年、日本のネットやテレビにおいても『MZ世代』の表記を目にする機会は増えてきています。
MZ世代は本来、2024年現在における10代~40代を幅広く含む世代区分です。
しかし実際には、「20代~30代前半の若者世代」を大まかに指し示したい時に用いられる場合がほとんどです。
特に日本においては、Z世代に含める年齢層を30代前半まで引き延ばしたい時などに使われている印象があります。
MZ世代の特徴
MZ世代に見られる代表的な特徴をご紹介します。
デジタル環境に慣れている
MZ世代は、インターネットやスマホが一般化した環境で生まれ育っていることから、「デジタルネイティブ」と呼ばれることがあります。
webで必要な情報を集めたり、SNSや動画配信サイトで自己表現をしたりと、仕事・趣味を問わずIT技術に触れる場面が多くあり、常にデジタル環境の中で生活していると言っても過言ではありません。
多様性を受け入れる
インターネットなどを通じてさまざまな価値観があることを知っているMZ世代は、文化や人種、ジェンダーなどの多様性を受け入れる傾向にあります。
例えば、MZ世代には子どもを持たない夫婦である「DINK(ディンク)」や独身主義者が多く見られ、結婚・出産に対する価値観も多様化しているようです。
ワーク・ライフ・バランスを重視する
経済的な成功や出世などよりも、個人としての幸福に価値を見出す傾向があります。
そのため、余暇時間を十分に確保できることや、快適に労働できる職場環境かどうかを最優先しながら就職活動をすることも一般的です。
また、MZ世代は「公平」を重んじるため、パワハラ・セクハラといった理不尽な待遇に強い拒否感を示す方も少なくありません。
体験と感情を重視する
MZ世代は、旅行などのアクティビティから得られる経験や感情の変化を重要視しています。
韓国では、”有形のモノだけでなく無形の思い出も大事にしよう”という意味を含む言葉、「YOLO(You Only Live Once)」が流行したこともあります。
韓国=N放世代、日本=さとり世代
韓国では、景気の悪化によってさまざまなことを諦めている若者のことを「N放世代」と呼びます。
”N”は諦める事柄の数(Number)、”放”は放棄のことです。
3放世代は恋愛・結婚・出産に対する諦め、5放世代はそれに加えて家・人間関係に対する諦め、さらに7放世代は夢・希望すらも諦めてしまうことを意味し、MZ世代の実に8割はこれらのいずれか1つ以上は諦めていると言われているようです。
N放世代には、”欲のなさ”が特徴とされる日本の「さとり世代」との類似点が多くあります。
N放世代もさとり世代も年齢層の区分としてはMZ世代に含まれ、韓国・日本ともに経済的な困難や少子高齢化に直面していることから、シビアな現実的がMZ世代特有の価値観を形作っていると考えられます。
【ミーニングアウトとは?】MZ世代の消費傾向
こちらでは、MZ世代に特有の消費傾向を解説します。
信念に従って消費する
個人的な価値観を大切にするMZ世代には、自分自身の信念に従って消費する傾向があります。
ブランド、品質、デザイン、実用性など、人によって重視するポイントは異なりますが、自分が納得するような商品やサービスにお金を払いたいという気持ちが強いようです。
ミーニングアウト
MZ世代の消費傾向を言い表す言葉としては、”ミーニングアウト”が知られています。
ミーニングアウトとは、「ミーニング=意味」と「カミングアウト=公表」を掛け合わせた言葉で、消費を通して自分の価値観や信念を積極的に表明することを意味します。
例えば、ヴィーガンやエシカル、動植物保全、アップサイクルといった価値観を商品やサービスの消費によって表現します。
InstagramやX(旧twitter)といったSNSでは、ハッシュタグや画像とともに自分の価値観を発信している=ミーニングアウトしているユーザーを見つけることができます。
コト消費
体験と感情を重視するMZ世代は、旅行やアクティビティといった「コト消費」に魅力を感じるようです。
経験や思い出は自分自身を形作る大事な要素であり、コト消費には自分自身の未来への投資という一面もあるのではないでしょうか。
中古品への抵抗感が薄い
MZ世代にとって、ネットオークション、フリマアプリ、リユースショップなどは、安価に良質な商品を手に入れられる可能性のある魅力的なプラットフォームです。
中古市場はMZ世代を中心に拡大し続けていますが、それには、SDGsの考え方の浸透、物価の上昇など、複数の要因が関係していると思われます。
また、モノやスキルを貸し借りする「シェアリングエコノミー」の考え方も一般的になりつつあります。
MZ世代をターゲットにした商品やサービスの事例
最後に、MZ世代をターゲットにした商品やサービスの例をご紹介します。
サントリー「ビアボール」
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000111553.html
炭酸水で割って楽しめる、新感覚のビールです。
若者がビールを飲まなくなってきていることから、主にMZ世代にもアピ―ルできるような、新たな魅力を持つビールとして開発されました。
炭酸水で割るのはもちろん、ロックで飲んだり、レモンを絞ったりと、自分なりのアレンジを自由に楽しめるのがポイント。
MZ世代が持つクリエイティブな感性と、ほっと一息つきながら会話を楽しむ「チル」な空間にマッチするお酒になっています。
CMにはMZ世代を代表するタレントを起用。 コミカルな演技でビアボールの魅力を分かりやすく訴求しています。
イオン「トップバリュ」
イオングループのプライベートブランド、「トップバリュ」は、これからの消費の中心になると言われているMZ世代向けの商品開発に力を入れています。
学生とのディスカッションを重ねるなどして、若者のリアルな声をヒアリング。
ポップで可愛らしいデザインが目を引く「トキメクおやつ部」や、食欲旺盛な男子学生も満足の味とボリュームにこだわった「ガッツリ飯×ガッツリ飯」など、MZ世代のあらゆるニーズに応えられるようなシリーズ展開が特徴となっています。
ユナイテッドアローズ「ATTISESSION(アティセッション)」
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000262.000003197.html
セレクトショップなどを運営する株式会社ユナイテッドアローズは、次世代の顧客層であるMZ世代にリーチするために、ミレニアル世代・Z世代に向けたブランド「ATTISESSION(アティセッション)」をスタート。
MZ世代を中心としたメンバーでチームを編成し、若者の感性に訴求できるような商品の開発や広告の展開を目指しています。
まとめ
ミレニアル世代とZ世代を合わせた世代区分である、「MZ世代」について解説しました。
ミレニアル世代とZ世代では価値観や文化に違いがみられることもありますが、「20代~30代前半の若者世代」を大まかにターゲティングしたい時などに便利な世代区分がMZ世代と言えるでしょう。
今後、日本のメディアでも「MZ世代」の表記を目にする機会が増えていくものと思われます。
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藍生エイト
MZ世代はミレニアル世代+Z世代のことですが、ミレニアル世代の特徴よりもZ世代の特徴のほうが強い印象です。
Z世代の年齢層をベースに、もう少し上の30代前半までカバーする世代区分ととらえると良いかもしれません。
公開日:
株式会社トランス