3月8日は国連が定めた「国際女性デー」です。以前より日本においてもLGBTなど性別を超えた社会づくりを求める声はありましたが、近年ではSDGs達成目標のひとつとして掲げられた「ジェンダーの平等」に対して、ますます人々の関心が高まっています。
そこで今回はジェンダー平等と女性のエンパワーメントの重要性を考えるきっかけとして注目されている「国際女性デー」について詳しく考察していきます。
なぜこの日が「国際女性デー」になったのかという経緯や、日本における企業の具体的なキャンペーン事例もご紹介していきます。
国際女性デーとは
国際女性デーが3月8日の理由
きっかけは1908年3月8日、アメリカ・ニューヨークで婦人参政権を求めてデモが起こったことから始まります。
ヨーロッパの国々はこのデモによる大きな影響を受け、最終的に1975年、国連がこの日を「国際女性デー」と制定しました。
以来、国際女性デーの3月8日に地球規模で様々な取り組みが行われています。
別名「ミモザの日」
国際女性デーは、イタリアでは別名「ミモザの日」と呼ばれており、男性が身近な女性に感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈る風習があります。
この時期、イタリアではミモザが咲き始める季節でもあり、ミモザは春の象徴でもあることから「幸せの花」ともいわれています。
そのためイタリア以外の各国でも、国際女性デーのシンボルとしてミモザが使われており、その鮮やかな黄色がテーマカラーとなっています。
日本での取り組みをけん引する「HAPPY WOMAN®」
出展元:https://happywoman.online/
HAPPY WOMAN®について
HAPPY WOMAN®は、「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」を推進するプロジェクト名です。
日本における国際女性デーの普及に向けて積極的に取り組んでいる、一般社団法人HAPPY WOMANが運営しています。
その活動の目的や取り組みについてご紹介していきます。
主な取り組み
一般社団法人HAPPY WOMANでは、8つの目標を掲げた上で、すべての人が個性を活かしながら能力を発揮できるような社会の実現や、女性の活躍による経済の活性化などを目的とした活動を行っています。
<8つの目標>
- 国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)推進
- 国際女性デーの普及による社会的ムーブメント創出
- すべての人が平等に参画できる社会づくり
- 女性教育の普及・次世代の育成
- シングルマザー支援
- 女性起業家支援
- 女性職人・クリエイター・エンジニア支援
- 女性の健康支援
(引用元:https://happywoman.online/about/)
具体的には国際女性デーに関連するイベント開催のほか、女性起業家やシングルマザーを支援するイベントやHAPPY WOMAN®の志に同意した仲間が集まる交流会なども定期的に開催しています。
企業の具体的なキャンペーン事例
日本における企業の具体的な取り組み事例についてご紹介していきます。
企業によって国際女性デーの取り組み内容は様々なので、ご参考にしてみてはいかがでしょうか。
HAPPY YELLOW®キャンペーン2022(HAPPY WOMAN®)
出展元:https://happywoman.online/event/hwf/hwf2022/
前述のHAPPY WOMANキャンペーン事務局が主催する国際女性デーのキャンペーン「HAPPY YELLOW®(ハッピーイエローキャンペーン)」です。
身近な‘黄色のお気に入りのもの’を見つけたら、ぜひ参加してみるのはいかがでしょうか。
【キャンペーン概要】
- キャンペーン期間
- 2022年2月14日~3月8日
- 参加方法
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- InstagramかTwitterアプリをインストールし、HAPPY WOMAN公式アカウント(@happywomanassoc)をフォローする。
- お気に入りグッズやファッション、お花など、ご自身の周りの「幸せを感じる黄色いアイテム」を撮影する。
- 「#happyyellow」「#happywoman」の2つのハッシュタグをつけて、InstagramかTwitterによる投稿でキャンペーン参加完了。
- 応募資格
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- HAPPY WOMAN公式アカウント(@happywomanassoc)をフォローしている方
- Instagram、Twitterアカウントを公開している方
- DM受信可能な方
- 賞品
- 今後追加予定(2022年1月28日現在)
参照:https://happywoman.online/event/hwf/hwf2022/happyyellow/
EMILY WEEK国際女性デー店頭限定ノベルティキャンペーン(ベイクルーズ)
出展元:https://baycrews.jp/blog/detail/3132481
昨年ベイクルーズが行ったEMILY WEEKの国際女性デーを記念した店舗限定ノベルティキャンペーンの事例です。
EMILY WEEKの店頭でリサイクルコットンバッグをご購入で、次回の店頭でのお買い物の際に使えるノベルティのギフトラッピング(オーガニックコットン巾着)無料カード1回分をプレゼントするというものです。
このキャンペーン対象商品のリサイクルコットンバッグは、工場で出た端切れの繊維を集めたコットンを使用。
ノベルティの素材選びもSDGs達成を意識していることが感じられます。
【キャンペーン概要】
- ノベルティ配布
(キャンペーン)期間 - 2021年3月8日~3月31日
- ノベルティ使用期間
- ~2021年12月31日
- 対象
- 対象商品のリサイクルコットンバッグご購入の方
- 実施店舗
- EMILY WEEKニュウマン横浜店、大丸梅田店
オレンジめがねキャンペーン(さばえSDGs推進センター)
出展元:https://www.sabae-sdgs.jp/news/355/
福井県鯖江市のさばえSDGs推進センターの「オレンジめがねキャンペーン」。
「オレンジ」「めがね」「女性」「SDGs」をキャッチフレーズにしたキャンペーンで、SDGs×めがねという意外性のあるコラボレーションが話題となりました。
さばえSDGs推進センターが行った「SDGsに関する意識調査」によると、鯖江市民のSDGsの認知度は89%で全国の85%を上回っていることがわかります。
(参照元:https://www.sabae-sdgs.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/SDGs意識調査回答結果.pdf)
【キャンペーン概要】
- キャンペーン期間
- 2021年3月1日~3月31日
- 参加方法
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- オレンジ色のものを身に着けて撮影する。(写真あるいは15秒以内の動画のいずれか)
「3月8日は国際女性デー。私たちの未来、私たちでつくる」というメッセージを動画内に入れる。
写真の場合は、メッセージを書いた紙などを持って撮影する。 - さばえSDGs推進センターのLINE公式アカウントをお友達登録し、LINEで写真(動画)を送信して参加完了。
- オレンジ色のものを身に着けて撮影する。(写真あるいは15秒以内の動画のいずれか)
ジェンダーを超えて生き生きと働ける職場環境の実現へ
国際女性デーの由来や日本における企業の具体的な取り組みをご紹介してきました。
これまでの歴史の中でも女性の社会進出について声高に叫ばれてきましたが、近年になって具体的にSDGs目標5として「ジェンダー平等」が掲げられたことは、国や人種を超えて一人ひとりが自分ごととしてとらえる機会でもあります。
企業にとっては、女性だからという制限を感じることなく、生き生きと働ける職場環境の実現に向けたきっかけになることでしょう。
たとえばそれは離職率を下げ、優秀な人材確保にもつながるため、結果として性別を超えた企業全体としてのメリットとになるといえるのではないでしょうか。
また、国際女性デーという機会を活用することで、顧客・社員・株主など関わるステークホルダーとのエンゲージメントを高める等、企業にとってもビジネスの様々な面で効果を期待できます。
ご紹介した取り組み事例などを参考にしながら、国際女性デーの活用を貴社ビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか。