韓国では今、ネームタグやポーチ、Tシャツなどに好みのワッペンを選んで取り付ける『ワッペンワーク』が人気です。
ここ日本においても、東京の新大久保などにワッペンワークを楽しめる店舗がオープンしており流行の兆しを見せています。
本記事では、ワッペン×推し活の関係性を中心に、ワッペンの魅力やオリジナルグッズとして展開する際に押さえておきたいポイントなどを解説します。
目次
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【そもそも】ワッペンとは
日本におけるワッペンは、主に土台となる生地※に刺繍を施したもののことを指します。
衣服や雑貨に縫い付けたり、貼り付けたりすることで装飾するためのアイテムです。
生地に刺繍を施さない”あて布”や”パッチ”といったアイテムと区別する目的で、刺繍ワッペンと呼ばれることもあります。
学校や会社の紋章、バンドロゴ、キャラクター、花、動物、食べ物など、さまざまなデザインを刺繍で美しく表現できるのがワッペンの魅力。
格式高さや可愛らしさなど、絵柄がもつ特徴をより一層引き出してくれます。
また、手のひらサイズからジャケットの背面に貼り付けるような大判サイズまで、大小さまざまなワッペンが販売されています。
ワッペンの土台となる生地には、大きく「フェルト生地」「ツイル生地」「クロス生地」の3種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
ワッペンの土台の生地 | 特徴 |
---|---|
フェルト生地 | 柔らかな手触りと温かみのある雰囲気が特徴。子ども用の衣服との相性が良い。切りっぱなしにしてもほつれないため、自作ワッペンのベースとして活用されることも多い。
強度は高くなく、耐久性が求められる用途にはあまり適さない。 |
ツイル生地 | 表面が平らでシワになりにくく、細かな刺繍も美しく表現可能。洗濯に強くアイロンがけもしやすいため、ユニフォームや白衣などとの相性が良い。
平面的なデザインは得意だが、立体感を出すのは苦手。 |
クロス(エンブクロス)生地 | 光沢があり、高級感のある仕上がりが期待できるタイプ。クロス生地の中にはポリエステル素材とナイロン素材の2種類があり、ポリエステル素材は上品な光沢、ナイロン素材は豊富な色数を特徴とする。
耐久性が低いため、何度も洗濯する必要のあるアイテムには適さない。 |
ワッペンとアップリケの違いは?
Wappen(ワッペン=独)と似た言葉にApplique(アップリケ=仏)がありますが、語源が異なるだけでどちらも「紋章」という意味を持っています。
「アップリケ」という言葉に対して”布の上にほかの布を縫い付ける”というイメージを持っている方も多く、刺繍のイメージが強い「ワッペン」よりも幅広い使われ方をしている印象があります。
日本でのワッペン・パッチ・アップリケ・エンブレムの大まかな使い分けは以下の通りです。
名称 | 語源 | 直訳 | 日本での使われ方 |
---|---|---|---|
Wappne(ワッペン) | 独語 | 紋章 | 刺繍を施した布=刺繍ワッペン |
Applique(アップリケ) | 仏語 | 紋章 | 布の上にほかの素材や布を縫い付けること。ワッペンだけでなく、あて布・パッチも含む |
Emblem(エンブレム) | 英語 | 紋章 | 紋章風のデザイン、または金属製の紋章風アイテム(警察帽のバッジ、車のエンブレムなど) |
Patch(パッチ) | 英語 | あて布 | 主に刺繍入りではないあて布。パッチワークのイメージ |
本記事で使用する「ワッペン」は、主に刺繍ワッペンのことを指します。
ワッペンは新たな推し活トレンド!
Z世代の推し活に欠かせない、クリエイティブな要素。
推し活女子の間では、ステッカーやビーズなどを使って身の回りのものをデコレーションする楽しみ方が浸透しています。
そんな中、新たな推し活トレンドとして急浮上しているのが『ワッペンワーク』です。
韓国トレンド:お手軽DIY『ワッペンワーク』が人気
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000100460.html
ワッペンワークとは、ネームタグやマスコット、バッグ・ポーチといったベースのアイテムにワッペンを取り付けて楽しむDIYのこと。
ワッペンを選んでレイアウトするだけの手軽さや、手作り感のある可愛らしい見た目などがZ世代の推し活女子に支持されているようです。
ワッペンワークの専門店は韓国で誕生しました。
まずはじめに韓国のK-POPファンの間でトレンドになり、SNSなどを通じて日本のK-POPファン~推し活女子へと広がっていきました。
2023年ごろからは、ここ日本においても複数の専門店がオープンするなど注目度が上がっています。
専門店では、バッグやポーチ、キャップ、キーホルダーなど、ベースのアイテムを選び、取り付けたいワッペンを自分でレイアウトします。
その後、店員さんがきれいにアイロンがけをして仕上げてくれます。
基本的に既存のアイテムと既存のワッペンの組み合わせでグッズ作りを楽しみますが、ワッペンそのものをオリジナルデザインで製作できるお店もあるようです。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000100460.html
推し活女子から特に注目を集めているのが、こちらの”ワッペンタグ”。
推し色のネームタグに、推しの名前やイニシャル、誕生日、推しをイメージした絵文字などを取り付けるのがトレンドです。
ライブ参戦に向けて作ったり、友人とおそろいで作ったりして楽しまれています。
バッグなどに手軽に取り付けることができるため、普段の持ち物にプラスしやすい点も人気のポイントではないでしょうか。
ワッペンの種類
ワッペンの取り付け方法にはいくつか種類があります。
ここでは、ワッペンの取り付け方法ごとの特徴を解説します。
ぬいつけタイプ
ぬいつけタイプは最もシンプルな仕様です。
刺繍が入っていない布製の”パッチ”などに多く見られ、縫い付ける手間がかかる代わりにしっかりと固定できます。
また、針と糸さえ通ればどのような素材にも取り付けられます。
ちなみに、このような仕様のワッペンを手軽に取り付けられるようにしてくれる専用のボンドも販売されています。
アイロンタイプ
アイロンタイプは、広く普及しているオーソドックスな仕様。
ワッペンの裏面に糊が塗布されており、アイロンの熱で溶けて生地とくっつきます。
手軽に貼れてそこそこの強度があるバランスの良い仕様といえるでしょう。
ただ、熱に強い綿や麻との相性は良いものの、熱に弱く水をはじくナイロンやアクリルなどの化繊には糊が馴染まず、うまく貼り付けられません。
また、防水加工やコーティング生地とも相性が良くないなど、ワッペンを取り付ける生地に制限があります。
ちなみに、熱を加えるとぷっくりと膨らむ、特殊な仕様のアイロンワッペンも販売されています。
シールタイプ
こちらの仕様はワッペンというよりも、刺繍の質感が楽しめるシールといったほうがイメージしやすいかも知れません。
Tシャツなどの布にはもちろん、雑貨や文房具にもペタペタと貼り付けて気軽にデコレーションできる点が魅力的なポイント。
シール+アイロンの2WAYで使える仕様のものもあり、シールだけでは心もとない布面への接着強度を補うことができます。
反射材・蓄光糸・消臭剤など、さまざまな機能を付与したシールワッペンが販売されています。
安全ピン・ピンバッジタイプ
気軽にワッペンを付けたり外したりできる仕様です。
学校や企業で、名札・目印のような用途で使われることも多い仕様ですが、おしゃれなアイテムとしても訴求可能。
シャツやポーチにワッペン要素をちょい足しできるグッズとして展開してみるのはいかがでしょうか。
面ファスナータイプ
ミリタリー系のアパレルやバッグなどでよく見かける仕様です。
面ファスナーの面積をワッペンよりも大き目にすることで、ヘビーデューティな雰囲気が漂います。
また、着脱が簡単で生地を傷めないという利点を活かして、”ワッペンを自由に付け替えて楽しめるグッズ”として展開するのも面白そうです。
ワッペンと相性の良いアイテム
ワッペンを貼り付けることでおしゃれに仕上がりやすいアイテムをご紹介します。
ウェア
衣服×ワッペンは定番の組み合わせ。
デニムジャケットやデニムパンツ、パーカー、Tシャツ、トラックジャケット、ワークシャツなど、多くのアパレルアイテムに馴染みます。
アパレルアイテムのデザインとワッペンのデザインを掛け合わせることで、ハンドメイド風、古着風、ロック、スポーツ、ミリタリーなどのテイストを表現可能。
また、例えばミリタリーテイストのワークシャツに可愛らしいキャラクターのワッペンを合わせるなど、一見ミスマッチな組み合わせを試してみると新しい発見がありそうです。
複数のワッペンを組み合わせて世界観を作るスタイルだけでなく、シャツやポロシャツの胸ポケットにのみワッペンを貼り付けるようなシンプルなスタイルもおすすめ。
印刷でワンポイントを表現するよりも、ワッペンのほうが立体的で高級感のある見た目に仕上がります。
バッグ・ポーチ
トートバッグやポーチにワッペンを貼り付けることで、手作り感や温かみのある可愛らしい雰囲気がプラスされます。
バッグ・ポーチが無地のままで少し寂しいと思う時は、お気に入りのワッペンでアクセントを付けてみてはいかがでしょうか。
帽子
ワッペンはビーニー、キャップ、ハットなどの帽子類とも相性抜群。
控えめサイズのワッペンをワンポイントで取り付ければ、ファッションブランドのロゴ入りアイテムを彷彿とさせる洗練された雰囲気に仕上がります。
また、複数のワッペンを組み合わることで、独自の世界観をスタイリッシュに表現することもできます。
スニーカー
コンバースやヴァンズをはじめとした、キャンバス地のローテクスニーカーはワッペンとの相性が抜群。
特にハイカットのスニーカーは生地の面積が広く、複数のワッペンを組み合わせることで自分らしさを表現することもできます。
近年Z世代の間では、ワッペンやビーズなどでスニーカーをカスタマイズする『スニーカーデコ』が注目されており、DIY用のパーツとしてミニサイズのワッペンの需要も高まりそうです。
ステーショナリー
ノートやペンケースを自分らしくデコレーションする文化は以前からありますが、デコレーション用のパーツとしてワッペンを使ってみるのはいかがでしょうか。
シールタイプのワッペンなら、ノートの表紙や定規など、布以外の面にも自由に貼り付けが可能。
ステッカーと同じ感覚で身の回りのものにペタペタと貼り付ければ、縫い付けたりアイロンをかけたりすることなく、手軽に『ワッペンワーク』を楽しめます。
キーホルダー・ストラップ
ワッペンワークの専門店では、特にネームタグタイプのキーホルダーが注目されているようですが、刺繍ワッペンに直接金具を付けるタイプのキーホルダーも手作り風の味わいがあり人気です。
また、スマホストラップやベルトなどをワッペンでカスタマイズすることも可能です。
オリジナルグッズとしてワッペンを展開する際のポイント
オリジナルグッズとしてワッペンを展開する際のポイントを、
- 展開方法
- 展開シーン
に分けてご紹介します。
展開方法
デザインの一部としてワッペンを取り入れたアイテムを販売する
高級感や立体感、手作り風の可愛らしさ、ミリタリー感など、ワッペンが持つ特徴を活かしてアパレル・雑貨をデザインするのはいかがでしょうか。
例えば、ポロシャツやワークシャツの胸元にワッペンを取り付ける仕様は一般的ですが、通常印刷で表現するようなデザインをワッペンに置き換えてみると面白いデザインのアイデアにつながるかもしれません。
ワッペンを自分で取り付けられるセットとして販売する
Tシャツやペンケースなどのアイテムとワッペンをセットにして販売すれば、ワッペンの取り付け箇所を自分で選べたり、ほかのアイテムにワッペンを取り付けられたりするなど、簡易的なDIYが楽しめる商品として展開できます。
その場合は、気軽に貼り付けて楽しめるシールタイプやアイロンタイプのワッペンがおすすめです。
ワッペン単品で販売する
DIYでワッペンワークを楽しみたい方向けに、ワッペンを単品で販売するのもおすすめ。推し活女子の間では、樹脂製の硬質カードケース、痛バッグ、ポーチなどをデコレーションする文化が浸透しているため、どこにでも気軽に貼り付けられるシールタイプや、シール+アイロンタイプのワッペンが喜ばれそうです。
また、ワッペンを目隠し販売(ブラインド販売)することで、開封するまで中身がわからないランダムグッズとして展開できます。
例えばアニメキャラクターごとにデザインしたワッペンをブラインド販売すれば、缶バッジやトレカをはじめとしたほかの推しグッズと同様、トレーディングアイテムとしてファン同士の交流を促すことも可能です。
展開シーン
購入特典・おまけ
ワッペンは、アパレルアイテムや文房具、書籍、CDなどの特典にぴったり。
ほどよく高級感があり、満足度の高いおまけとして喜ばれそうです。
イベント・コンサート物販
イベント・コンサートの物販コーナーでワッペンを販売する際は、その場で取り付けられる仕様にするのがおすすめ。
シール+アイロンタイプなら、Tシャツなどにサッと貼り付けて楽しんだ後にアイロンでしっかりと定着させることが可能です。
また、安全ピン・ピンバッジタイプも衣服やバッグに取り付けてアクセサリー感覚で楽しめます。
ただし、シールタイプのワッペンは激しい動きではがれてしまう可能性があり、安全ピン・ピンバッジも針部分が肌に刺さってしまう可能性などがあるため、イベント・コンサートの種類によって最適なワッペンの仕様を吟味する必要があります。
まとめ
韓国で流行している『ワッペンワーク』や、ワッペンの魅力などについてご紹介しました。
ワッペンはステッカーやビーズなどと同じく、身の回りのものを手軽にデコレーションできるアイテムのひとつ。
手作り感を楽しみながら自分好みのアイテムに仕上げられるため、クリエイティブなZ世代や推し活女子との相性は抜群です。
また、刺繍ワッペンならではの可愛らしい見た目も人気のポイントとなっているようです。
弊社トランスでは、ファッションアイテムやアパレル、小物・雑貨をはじめ、さまざまな種類のノベルティ・オリジナルグッズを製作可能です。
昨今注目を集めている“推し活”に関しましては、常に最新の情報をキャッチアップする体制を整えており、「これから流行りそうな推し活グッズを知りたい」「国内でいち早く最新トレンドを取り入れたい」といった企業様のニーズにも的確にお応えします。
ご予算・ご希望に応じて、柔軟な提案をさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
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藍生エイト
某スポーツブランドのTシャツを好んで着ることが多いのですが、スポーツ向けTシャツ(ポリエステル製)のエンブレムは印刷、カジュアル向けTシャツ(綿100%)は刺繍で表現されていることに気づきました。
同じエンブレムでも、刺繍のほうがよりリッチでおしゃれに見える気がします。
公開日:
株式会社トランス