銭湯や温泉で使える、施設や企業の名前が印刷されたタオル。
オリジナルグッズとしては決して華やかさはなく、“粗品”として扱われることも多いアイテムです。
しかしこの地味なタオル、近頃『温泉タオル』と名付けられて販売されているのが散見されます。
改めて脚光を浴び始めている温泉タオルの魅力と、『温泉タオル』っぽくするポイントを解説します。
目次
温泉タオルとは?
温泉宿でもらえたり、銭湯に売っていたりするタオルのような雰囲気で名入れした、ごく普通のタオル。
一見ノベルティとして配布されるような普通のタオルですが、「逆にクールだ」と評価されています。
同じタオルでも”温泉タオル“と呼ぶことで、”粗品タオル“よりも価値があるように感じることができます。
(スーパーのお肉が「すき焼き用」「しゃぶしゃぶ用」と書かれて売られているのと似た感覚です)
ちなみに、温泉宿や銭湯で手に入るタオルを集める旅番組シリーズが放送されたり、趣味や旅の記念として温泉タオルを集めたりする人もいるようです。
温泉タオルはただの粗品タオルと侮れない、人の記憶に残るタオルなのです。
温泉タオルの魅力
流行のきっかけとターゲット
なぜ温泉タオルと名付けたオリジナルグッズが出現し始めたのかを考察していきます。
影響していると考えられるのはサウナブームとレトロブーム。
サウナとレトロは、もはや一過性のブームとはいえない、定着しているカルチャーとジャンルです。
これらが影響し街の銭湯に通う人が増え、頻繁に銭湯やサウナに通う人々の間でオシャレな銭湯グッズのニーズが現れたと考えることができます。
温泉タオルの素朴なデザインは古い銭湯に売っているイメージが持たれており、“ダサカワイイ”レトロデザインを好むZ世代を中心に支持を集めています。
また、その個性的なダサカワイイデザインのタオルは、かわったものが好きなシティボーイ・シティガールからも人気のようです。
もちろん、単純に温泉・銭湯・サウナが好きな人もターゲットになります。
個性的なダサカワイイデザインの魅力
温泉タオルの魅力は、ダサいアイテムとデザインのギャップにあります。
- ダサいフォントでカッコイイワード(アーティスト名やイベント名など)
- カッコイイデザインで普通のワード(企業名、温泉施設名をグラフィックデザイナーが制作)
粗品扱いされがちなタオルは、デザイン、企業やアーティストの立場・バックグラウンド、それぞれの間にギャップが生まれ、面白おかしく、「逆にクール」なアイテムになるのです。
洗練されたデザインやアイテムが多い現代、趣のある銭湯で買ったタオルや、ダサいけど風情があって愛着が湧くタオルが醸し出す魅力に気づいた人々が出てきたのでしょう。
子供のころからずっと愛用しているぼろぼろのタオルケットのように、使えば使うほど味が出るアイテムです。
温泉タオルのおもしろグッズ事例
じわじわと流行りはじめている温泉タオルをいち早く展開している事例をご紹介します。
温泉タオルとコンテンツの関係性にはいくつかのパターンがみてとれました。
温泉・サウナ×キャラクター・ブランド
サウナボーイ×サンリオ「ハンギョドン」
サウナ好きの匿名クリエイティブ集団「サウナボーイ」とサンリオキャラクター「ハンギョドン」のコラボ温泉タオル。
独特のセンスでデザインされたアパレルグッズなどを展開しているサウナボーイは、サウナーをはじめZ世代から支持を集めています。
そんなサウナブランドと、温泉が大好きなキャラクター・ハンギョドンがプリントされた「粗品風タオル」は、気鋭のデザイナーと親しみのあるキャラクターがコラボして、ダサカワイイ雰囲気を醸し出します。
玉川温泉×アデリアレトロ
埼玉県にある昭和の街並みを再現した温泉「玉川温泉」とレトロなグラスを展開する食器ブランド「アデリアレトロ」のコラボ温泉タオル。
玉川温泉の施設内の食堂では、ドリンクメニューをアデリアレトロのグラスを使って提供していることからコラボが実現。
そんなアデリアレトロの柄とコラボした玉川温泉のタオルは、当時の銭湯へタイムスリップしたかのようなレトロなデザインです。
作中に温泉が登場する作品のオリジナルグッズ
「鎌倉殿×13人の重臣たち~鎌倉時代をめぐる旅~」温泉セット
鎌倉・大河ドラマ館のミュージアムショップで販売されていた温泉セット。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の中では、北条義時と源頼朝が海沿いの温泉で語り合うシーンが映されました。
また、観光地のミュージアムショップでの販売ということで、お土産にも、近くの温泉でも使えるように、オリジナルグッズとして温泉タオルが採用されていると考えられます。
オリジナルの巾着とセットで販売することで、実用性、お得感がアップします。
漫画「シャーマンキング」
霊能力者たちの戦いを描いた人気漫画でアニメ化もされている「シャーマンキング」。
作中に登場する温泉「ふんばり温泉」の施設名がプリントされたグッズが展開されました。
一見すると温泉宿で販売されているタオルですが、実は作品の中の温泉をモチーフにした架空の温泉タオルです。
オリジナルデザインの「のし」がついているのも、粗品タオルを再現するためのポイントになっています。
漫画・アニメグッズといえばキャラクターのビジュアルがプリントされたグッズが定番ですが、「ふんばり温泉タオル」は作中に登場するアイテムを再現したグッズ。
作品のファンにはたまらないユニークなオリジナルグッズです。
タオルがトレードマークのアーティスト
Chaos on Parade 銭湯タオル
ヒップホップレーベル・Summitに所属するグループ・Chaos On Paradeのオリジナルグッズ。
メンバーであるDJ/ラッパーの原島ど真ん中宙芳はステージパフォーマンス時にいつもタオルや手ぬぐいを身に着けていることから、グッズ化に至ったようです。
ヒップホップのグループ名が書いてあるとは思えない、古い銭湯や不動産屋でもらえる粗品タオルを思わせるレトロなフォントがプリントされています。
こちらはタオルがトレードマークとなっているアーティストのグッズ事例ですが、温泉・銭湯・サウナが好きと公言しているアーティストにもおすすめです。
温泉タオルに限らず、アーティスト本人が好きなコトに関するグッズや本人が監修したグッズなどは、アーティストとファンの間で好きなものを共有できる、ファンにとってうれしいアイテムなのです。
オリジナルで温泉タオルを製作するポイント
温泉タオル(粗品タオル)は多くの企業でオリジナルグッズとして製作されている定番アイテムです。
オリジナルタオルを製作する際のポイントを改めて解説します。
あわせて、オリジナル温泉タオルをおすすめしたいコンテンツを、ターゲットや展開方法などを踏まえて解説します。
タオルを製作する際のポイント
厚さ
贈答用の粗品タオルに使われる厚さは160・180・200匁(もんめ)が一般的です。
薄すぎない使い勝手の良い厚さで、比較的低価格での製作が可能です。
220匁、240匁など、数字が大きいほどふっくらしていき、価格も上昇しますので、ノベルティとしての展開、販売品としての展開など、シーンに合った厚さを選びましょう。
印刷
タオルの端に平地と呼ばれる部分(パイル生地でない部分)がある製品には名入れが可能です。
全面にフルカラー印刷できる製品もありますが、平地に1色印刷するとより温泉タオル感を再現できます。
粗品タオルとして最もポピュラーなのはネイビー1色ですが、鮮やかなカラーを使うことでまた違った雰囲気の“令和版温泉タオル”になるでしょう。
温泉タオルはこんなコンテンツにおすすめ
薄手の生地と少しダサいフォントが醸し出す雰囲気が、個性を表現したいZ世代から支持を集める温泉タオル。
Z世代に人気のあるキャラクターやブランドのオリジナルグッズにおすすめです。
また、Z世代に人気のクリエイター・イラストレーターとコラボした温泉タオルも、Z世代へリーチしたいブランド・スポーツチーム・アーティストのグッズとして最適と言えるでしょう。
一見何の変哲もない普通のタオル。
ですがその「温泉タオル」という名前に込められた趣、風情、ダサカワイイ個性が、タオルに価値を与えます。
「温泉」というキーワードが、ノベルティとして定番品のタオルを「もらったから使うタオル」から、「かわいくて使いたいから欲しいタオル」に格上げさせるのです。
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セウヘイ
株式会社トランス社員。サウナや銭湯が好きです。近所の銭湯の近くによく野良猫が集まっていてかわいいです。サウナや銭湯や猫が好きです。