みなさんは、障がいのある方が描くイラストや書などのアートをご覧になったことがありますか?
例えばモチーフを描きうつすのではなく、抽象絵画のように独特な表現がされていたり、色彩豊かな配色になっていたりと、さまざまな魅力が満載なのです。
本コラムでは、『障害のある方のアート』の魅力と、そのアートを企業がマーケティングに採用する方法、そしてその意義を考えていきます。
『障がいのある方のアート』について
アートは、国や言葉、文化を越えて通じ合えるきっかけの一つにもなります。
本来は、同じアートに障がいというフィルターや境界は必要ないと思っていますが、今回はあえて一つのくくりとしてご紹介させていただきます。
アートの名称いろいろ
障がいのある方のアートは、エイブルアート(Able Art「可能性の芸術」)、パラアートなど様々な名称で呼ばれています。
フランス語のアール・ブリュット(Art Briut「生の芸術」)という言葉で表現されることもあります。
また、多様性を認めるアートという意味で、ダイバーシティアートと呼ぶこともあるようです。
アートの世界において障がいの有無は関係ないのだから、あえてジャンル分けする必要はないという意見もあり、名称についての考え方は人それぞれのようです。
『障がいのある方のアート』の魅力
なんといっても魅力は、固定概念に縛られない自由で純粋な発想が表現されているという点です。
色や形も「普通に描くならこういうもの」という、囚われがちな概念の枠をはるかに超えた勢いを感じました。
デザインそのものも、スタイリッシュだったりポップだったり、いちアートとしても大変魅力的です。
色彩豊かで独創的な作品は、凝り固まった当たり前をリセットしてくれる新鮮さがあります。
『障がいのある方のアート』を企業のマーケティングに取り入れた例
大手企業の中には、『障害のある方のアート』をマーケティングに取り入れている事例もあります。
具体的に見ていきましょう。
TOYOTA
出展元:https://ableartcom.jp/case/window-toyota/
愛知県豊田市にあるトヨタ会館では、トヨタ自動車の最新技術や新型車を展示しています。
その館内のウインドウは、12名のアートによって鮮やかに彩られています。
「誰もがスポーツを楽しめるように」という思いが込められたこれらの作品は、サーフィンをする人、車いすでバスケットボールをする人など、様々な競技シーンがダイナミックに描かれています。
サマーソニック
出展元:https://ableartcom.jp/case/tshirts-summersonic/
毎年8月に開催される大型ロックフェス「SUMMER SONIC(サマーソニック)」と、障がいのある方の芸術文化活動を支援するエイブルアート・カンパニーのコラボによるチャリティTシャツです。
東日本大震災以後は、地震や水害などの被災地で暮らす障がいのある方たちをサポートするための寄付も行っています。
松屋銀座
出展元:https://ableartcom.jp/case/visual-matsuyaginza/
銀座を楽しもうをテーマに松屋銀座、銀座三越、和光、東急プラザ銀座、GINZA SIXが共同で行うファッションイベント「銀座ファッションウィーク」。
松屋銀座のプロモーションビジュアルに起用された作品は、オーロラを彷彿とさせるような美しい色彩が特徴的です。
ショーウインドウのほか、リーフレットや地下鉄銀座駅に通じる地下通路ギャラリーなど幅広く展開しました。
これらの事例のように、有名な企業がアートを採用することで効果的なプロモーションができたり、企業のイメージアップにつながったりします。
障がいのある方にとっては、アートの才能を仕事に活かすことで新たな収入の道を確保することができます。
どちらか一方ではなく、双方にとってメリットが生まれる仕組みだといえるでしょう。
アートを使ったグッズ紹介
次に、『障がいのある方のアート』のグッズを扱っているオンラインショップと、デザインが素敵なグッズをいくつかご紹介していきます。
GOOD JOB STORE
出展元:https://goodjob.com/eccube/html/
社会福祉法人わたぼうしの会が運営する「GOOD JOB STORE」では、『障がいのある方のアート』を使った魅力的なグッズを扱っています。
全国の福祉施設や団体に所属するアーティストの作品は、手織りや陶芸、染めなど、そのバリエーションも豊富です。
丁寧に一点ずつ仕上げた、手作りならではの温かみのある商品が満載です。
https://goodjob-online.com/eccube/html/
ポーチ
花や蝶などのキュートなイラストが描かれたプラ板が縫い込まれたポーチ。
ビニールの生地が二重になっており、キルティングのように縫ったマス目の中にプラ板が入っている仕様です。
一見謎めいた「スーパー ハイパー スペイシー」の文字も、面白さが光る逸品です。
マルチケース
見ていて楽しいポップな柄の正体は、実は買い物袋です。
捨ててしまいがちな買い物袋を細かく裁断し、熱で圧着。
1枚のシートをケースの形に仕立てているそうです。
ゴムバンド付きの二つ折りのケースは、通帳やレシート、手帳なども収納できるサイズです。
トートバッグ
一見抽象柄のように見えますが、点の集合体は数えきれないほどの「顔」を表しているそう。
一定の間隔で「目、目、鼻、口」の順に描かれています。
作者独自のランダムな間隔で、何日もかけて丁寧に描かれた点の集合体。
作者の感性がぎゅっと詰まっています。
心温まるおまけも
今回、グッズを購入したので開けてみると・・・。
こんな素敵な直筆メッセージやイラストが描いてありました!
予期せぬギフトに、心がほっこり温まりました。
『障害のある方のアート』を企業のマーケティングに取り入れる
魅力満載のアートですが、企業がマーケティングに『障がいのある方のアート』を取り入れる意義とその方法について考察していきます。
企業がマーケティングに『障害のある方のアート』を取り入れる意義
アートの世界に障がいの有無は関係ないという方も多いでしょう。
アートを『障がいのある方』『障がいのない方』に分けることそのものが議論の対象になることもあります。
しかし、どんなに優れた才能を持つ方であっても、障がいがあることで仕事としての作品製作が困難になるという現状も事実です。
企業が『障がいのある方のアート』を採用し、労に報いることで初めて仕事として成り立つのです。
2021年3月より「障害者雇用促進法」が改定し、企業に定められた障がい者の法定雇用率が引き上げとなりました。
これは障がいの有無に関係なく、働く意思や個人の能力を尊重できる社会づくりが目的とされています。
積極的に障がい者の雇用を行っている企業の中には、よく目にする名前も並んでいます。
<2021年版 障がい者雇用に積極的な企業ランキング>
https://syougaisya-koyou.com/ranking2021-8503/
『障害のある方のアート』を取り入れる方法
雇用対象企業として『障がいのある方のアート』を取り入れる方法としては、今回ご紹介したような『障がいのある方のアート』をグッズ製作のデザインとして採用することも挙げられます。
中でもトートバッグの事例は、グッズ製作として取り入れやすいのでオススメです。
当社で展開しているエコバッグやボトルなど、既存のアイテムにアートを取り入れることも可能です!
デザイン性の高いアートをノベルティやプロモーションに起用することは、企業のイメージアップにもつながります。
企業にとってのプラス要素はもちろんのこと、SDGsの達成にも貢献でき、一石二鳥といえるのではないでしょうか。
ご興味のある方はぜひ担当営業へお声がけください。