推し活事情を学ぶ⑩フラッグ・硬質ケース・バルーンフラワー｜イマドキ推し活「新・三種の神器」

推し活シーンの新定番アイテム

推し活とは、推しのアイドルやキャラを応援する活動のこと。
特にアイドル推し活の現場は、ライブ会場を中心に10～20代が集まる場でもありそのトレンド新陳代謝のスピードは信じられないくらい速く流れていきます。

オタクに限らず、ライブグッズの定番といえばペンライト。毎ツアーで新しいデザインのペンライトが販売されています。
ライブやイベント会場で推しに直接モノを贈る中で活発なフラワースタンド。「フラスタ」と呼ばれ、古くから有志のファンがお金を出し合って推しへのメッセージ付きの大きなフラスタを贈り、ライブ当日にロビーに飾られているのを見て楽しむ推し活です。
そしてアクキー。キャラや写真肖像がくっきり印刷された、キャラグッズの超定番なアクリルキーホルダーのことです。現在はキーホルダーにも飾るスタンドにもなるアクリルスタンド「アクスタ」が主流になっています。何か作品やキャラ、アイドルにハマったら最初に買うグッズはアクキー・アクスタ、という人も多いでしょう。

こうしたアイテムは、推し活・オタ活シーンでは定番アイテムとして定着しています。

そんな中、今またZ世代を中心とした10~20代の若い世代の推し活・オタ活に新しいアイテムや遊び方が登場しています。

直近2年で特に増えている推し活アイテム

直近2年は、コロナ禍の影響でコンサートやイベント開催（オタ用語で言う、現場）が激減。
徐々に開催が復活するようになると、オンライン配信や、声を出さない応援など、推し活現場の状況も大きく変わりました。
そんな中で、推し活のアイテムにも変化が見られ始めています。
この2年で増え、そして新たな定番になりつつある推し活アイテムは次のようなもの。

• フラッグ
• 硬質ケース
• バルーンフラワー

活発に推し活をしているZ世代女子がだいたい持っている、いわば推し活「新・三種の神器」ともいえる新定番アイテム。
これらはどんなアイテムなのか。次の章から、それぞれのアイテムについて解説していきます。

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新・三種の神器①フラッグ

アフターコロナの新しいライブグッズの形

フラッグは小さめの旗。声を上げる代わりのライブ応援グッズです。
ライブ会場でフラッグを振った時に、前後左右の他の観客の迷惑にならない程度のサイズで長さ15～20ｃｍのやや小さめのものが主流です。

コロナ禍以前から、EXILEのライブツアーグッズでは知られていたアイテムです。
コロナ以降、ライブで声援を上げることが難しくなってからは、ペンライトやうちわとともにさまざまなアーティストのライブグッズとして登場するようになりました。
今後は新たな定番ライブグッズとして広がりを見せつつあり、フラッグをきれいに収納して持ち歩くためのフラッグ収納ケースも登場するようになっています。

また、オフィシャルグッズ以外に、推しの写真を両面に印刷してストローや棒を付けて作る手作り推しフラッグの作り方解説などもSNSで注目されています。

そんな推しフラッグとフラッグ収納ケースは、ライブ参戦時には推し色や推しモチーフでまとめたおしゃれな痛バッグに入れて持ち歩きます。
フラッグ収納ケースにも、バッグやポーチにも、おしゃれなデザイン性と機能性と推し色成分を今の推し活・オタ活女子は求めています。

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新・三種の神器②硬質ケースデコ

意外とアナログ⁉学生の新定番・推し活アイテム

推しの大事なトレカやチェキ（ブロマイド）を傷つけないよう、B8サイズの硬質ケースに収納して持ち歩く人が増えています。
そこで大事なのが硬質ケースのデコレーション。
ただ保護のためにケースに入れるだけではなく、ビジューパーツやラインストーン、リボンやシールで硬質ケースをデコレーションするのが令和の学生推し活スタイルです。
Instagramのハッシュタグ「＃硬質ケースデコ」を検索すると、思い思いのデコレーションで推しの写真を飾り、そのケースをカバンやペンケースに忍ばせている様子がうかがえます。

また、手芸アカウントやメルカリなどではこの硬質ケースデコを希望のテイストや推しのイメージに合わせて制作しているクリエイターも多く見かけます。
ビーズキーホルダーとともに、推し活グッズクリエイターたちのメイン受注アイテムにもなっておりそれらの作品例を見ていくと、人気のテイストなども研究することができるでしょう。

ちなみに、推しのトレカを入れた硬質ケース、またはトレカそのものはどこに入れて持ち歩くのか？
今、Z世代の多くは、クリアなスマホケースの中にトレカを入れています。

さらに、韓国推し活シーン発祥の「フォンタブ」のようにクリアなスマホケースの中にトレカや写真付きのフォンタブを差し込み、ネックストラップやホルダーを繋げてスマホを持ち歩く、というスタイルが徐々に増えてきています。

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新・三種の神器③バルーンフラワー

ギフトの人気新アイテムは推し活シーンでも人気急上昇

バルーンフラワーはプリザーブドフラワーやオーロラフラワーと一緒にメッセージカードやぬいぐるみをビニールバルーンの中に閉じ込めたもの。生花と比べて1~2か月は保ち、生花より持ち運びやすいのが特長です。
ウェディングや母の日ギフト、キャラクターグッズでも人気急上昇中のバルーンフラワーは推し活シーンでも人気です。

推し活シーンでは、元々はK-POP推し活で推しにプレゼントするアイテムとして広がりました。
推し本人へのプレゼントや、推し活友達へのギフトなどで活用されています。
推しへのメッセージカードを入れたプレゼントにしたり、ハッシュタグ「＃本人不在の誕生会」に見られるような、推しの誕生日会でバースデーケーキやバルーンとともにバルーンフラワーを飾ってお祝いします。

以前は、コンサートや舞台では、出演者へのプレゼントやフラワースタンド送付を受け付けているケースが多く、会場ロビーには、関係者からの上演祝いフラワースタンドに交じって、ファン有志らによるフラワースタンドも頻繁に見かけられました。
コロナ禍以降はそうしたコンサートやイベントの機会が激減し、推しにプレゼントやお花を贈る機会も減ってしまいました。
そんな中で、所属事務所などに直接贈ることもできるバルーンフラワーに、以前より注目が集まったのではないでしょうか。

どの時代、どの年代でも、やはりお花のギフトには華やぎがあり、贈るほうも楽しく、もらったほうも嬉しいもの。
生花のフラワーアレンジ、プリザーブドフラワー、ドライフラワー、ハーバリウムなど、お花を使ったギフトグッズには様々な形があります。

生花と変わらない鮮やかさで生花より長持ちし、バルーンでおおわれているので持ち運ぶのも飾るのも扱いやすいのがバルーンフラワーの魅力です。
例えば、そんなバルーンフラワーに使うプリザーブドフラワーに、今、フードロス問題とともに課題となっているロスフラワーを活用できれば“エシカルな推し活グッズ”の製作も実現可能かもしれません。

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時代の変化とともに変わる推し活ニーズ

推し活シーンで新たな定番となりつつある３つのアイテム、フラッグ、硬質ケース、バルーンフラワー。
ウィズコロナ、アフターコロナの時代になり、推し活を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。
時代とともに遊び方が変化することで、推し活の定番アイテムも変化していくことがわかります。
このほかにも、推し活トレンドにはビーズキーホルダーやチェキホルダーといった少し前まではあまり見かけなかったアイテムが続々登場しており、Z世代ならではのスピード感と感性で、どんどん新しい遊び方とアイテムが取り入れられていっています。

そんなZ世代のトレンドを継続してキャッチアップしていくことで、時代の変化とともに変わっていくファンのニーズに合ったグッズ製作企画ができるでしょう。