世界中で人気のゲームプラットフォーム、Roblox(ロブロックス)についてご紹介します。
Z世代や、その下のα世代(アルファ世代)を中心に、日本でも非常に盛り上がっている現状をお伝えします。
どんな風に楽しむのか、どんな活用がされているのか?
Robloxについて知ることで、愛される商品やサービスの企画のヒントになるかもしれません。
目次
Roblox(ロブロックス)とは?
世界中で人気を集め、多くの人が楽しんでいるRoblox(ロブロックス)とはどんなものなのでしょうか?
Roblox(ロブロックス)はオンラインゲーミングプラットフォーム
Roblox(ロブロックス)とは、1日のアクティブユーザー数7,150万人(2023年12月末時点)、Webサイト訪問数7億9200万超、総ダウンロード数は3億8300万を誇るオンラインゲーミングプラットフォームです。
iPhoneやスマートフォン(iOS・Android)、PCやタブレット(Windows・MacOS)、AmazonデバイスやPS4/PS5、Xbox Oneなどのゲーム機、一部のVRヘッドセット(SteamVRアプリ対応機種)などで楽しむことができます。
インターネットに接続できる環境があれば、世界中どこからでもアクセスし、プレイすることができるゲーム好きのためのメタバース(仮想空間)なのです。
遊ぶのはもちろん、自分でゲームを制作して公開できる
Roblox(ロブロックス)では、たくさんのゲームが公開されています。
中にはゲーム制作会社やクリエイターが作った公式ゲームもありますが、ユーザーが作成して公開しているゲームが多数を占めています。
こうしたオリジナルのゲームをプレイできるだけでなく、自分で作ったゲームを公開することも可能。
このようなユーザー生成コンテンツ(UGC)の提供が行われていることが、Robloxの特徴のひとつです。
各ゲームによって対象年齢が設定されていることもありますが、Robloxそのものの対象年齢は4歳から。
子どもから大人まで、ゲームを通じて楽しく遊ぶことができる世界が広がっています。
Roblox内の通貨「Robux(ロバックス)」でカスタマイズ可能
Roblox(ロブロックス)は、アカウントを作成すれば無料で始められます。
アカウントができると、Robloxボーイ、Robloxガールと呼ばれるブロックのようなアバターの姿で、Robloxのワールドに入ることができます。
アバターの装備は無料の範囲内でもいろいろありますが、さらにRobloxの中で使える通貨「Robux(ロバックス)を使ってアイテムを購入することで、さまざまなカスタマイズが可能になります。
Robux(ロバックス)の入手方法
Robux(ロバックス)は、課金する(購入する)ことで、1Robux=2円相当(2024年7月現在)で獲得できるほか、ゲームを作って公開し、大勢の人に遊んでもらったり、自らアバターを作成して販売したりすることで獲得できます。
Robloxギフトカードというものも販売されており、ギフトとしてRobuxを贈ることも可能です。
開発ツール「Roblox Studio(ロブロックス スタジオ)」
自分でゲームが作れ、公開までできる
引用:https://create.roblox.com/landing
Roblox Studio(ロブロックス スタジオ)は、Roblox(ロブロックス)で遊ぶゲームを作成するためにRoblox Corporationが独自に開発したツールです。
ここで制作したゲームを、Roblox上に公開することができます。
ゲームの作成にはLua(ルア)というプログラミング言語を使用するため、ハードルが高いように感じるかも知れません。
しかし、Roblox Studio内にはすでにプログラミングされたパーツがたくさん入った「ツールボックス」と、豊富なテンプレートが用意されています。
これらを用いてオブジェクトを配置していくことでゲームが作成できるので、専門知識のない子どもでも、大人でも、「まずは作ってみようか」とチャレンジできるのがポイントです。
ツールボックスやテンプレートを駆使してゲームを作成してみたものの、もっと複雑なことをしようとすれば当然こうした言語を習得する必要がありますが、好奇心をもとにスクリプトを開いていろいろいじってみることで、失敗しながら学んでいくことも可能です。
ゲーム公開でRobux(ロバックス)獲得のチャンスも
公開されたゲームを多くのプレイヤーに遊んでもらうことで、「開発者エクスチェンジ(DevEx)」を通じてRobux(ロバックス)を得ることができます。
ゲームの収益の25%が開発者の取り分になるので、トップクラスの開発者となると相応の利益を手にすることも夢ではないようです。
しかしながら、YouTubeと同じく、収益化させるのはそう簡単ではありません。
それよりも、
- 自分で作ったものを友達同士で共有できる
- 遊んでもらったうえで意見交換する
- さらにそれをフィードバックさせるべく工夫してみる
といった自発的な学びができるところが、Roblox Studio(ロブロックス スタジオ)の最大の魅力といえそうです。
Roblox(ロブロックス)の歴史
Roblox(ロブロックス)の歴史を紐解いてみましょう。
2004年に『DynaBlocks』としてβ版が展開
2004年、『DynaBlocks』という名前でβ版としてアメリカで公開されたサービスが、Roblox (ロブロックス)の前身です。
ゲーム好きたちが自作のゲームを公開し合う目的のサービスでした。
翌年には名称を『Roblox』へと変更し、2006年9月から正式にサービススタートします。
開始当初は小規模でしたが、1,000万を超える3Dゲームがプレイできる『Roblox VR』のリリースや、サーバー技術の更新などが行われた2010年代後半から、次第に成長を見せ始めます。
パンデミックを機に子どもたちのコミュニケーションツールに
コミュニティが活発化し、Roblox(ロブロックス)のプレイ人口が大幅に伸び始めた矢先の2020年、新型コロナウィルスによるパンデミックが世界を襲いました。
感染防止策として接触を避ける対策が講じられたことにより、社会活動は大幅に制限されることに。
子どもたちも、学校や公園で友達と触れ合う機会が極端に少なくなってしまいました。
日常生活の急激な変化によるストレスを抱えた子どもたちは、さまざまな方法で楽しみを見出し、友達とつながる方法を模索し始めます。
大人と同様、子どもたちにとってもオンラインツールが重要な鍵となりました。
そのうちのひとつとして、Roblox の世界で待ち合わせをし、集まって遊んだり、誕生パーティーを開いたりといったアクティビティがひんぱんに行われるようになります。
こうして、Roblox は子どもたちのコミュニケーションツールとしての役割を確立していきました。
有名ブランドとのパートナーシップによる利用年齢の拡大
Roblox(ロブロックス)の躍進とともにユーザーである子どもたちが成長してきていることもあり、ここ数年、大手ブランドがRoblox内に自社のバーチャルスペースを設け、ユニークなブランド体験を提供し始めています。
これまでに「Gucci(グッチ)」や「Burberry(バーバリー)」、「Tommy Hilfiger(トミーヒルフィガー)」といったファッションブランド、「Nike(ナイキ)」や「PUMA(プーマ)」などのスポーツブランド、「HONDA(ホンダ)」や「現代自動車(ヒュンダイ)」などの自動車メーカーなど、成人購買層を持つ有名ブランドがRobloxに参加して、アバターが着用できるブランドアイテムを展開したり、イベントを行ったりといったコラボレーションを行いました。
こうしたブランドパートナーシップの影響で大人の利用者の呼び込みに成功したこともあり、Robloxのユーザー年齢層は、近年幅広く拡大してきています。
メインターゲットは10歳前後の子どもたちではありますが、アメリカ、カナダにおいては17歳~24歳のユーザーが著しく増加していることにも注目です。
Roblox(ロブロックス)の人気の理由
シンプルなゲーム構成、直感的な操作性
前述の通り、Roblox(ロブロックス)の対象年齢は4歳から。 ゲームを楽しむユーザーは若い世代が中心ですが、メインターゲットとなるのは、α世代(アルファ世代)と呼ばれる10歳前後の子どもたちです。
その理由として挙げられるのが、シンプルなゲーム構成や直感的にできる操作性。
追いかけたり逃げたり隠れたりなど、アバターの全身を使う大きなアクションを、キーボードやタッチ操作で直感的に行うことができます。
公園で鬼ごっこやかくれんぼをする時のように、理屈でなく体を動かして走り回る感覚をゲーム上で楽しめるのが、子どもたちの心をとらえているポイントのようです。
コミュニケーションツールとしての有用性
Roblox(ロブロックス)では、「フレンド」として友達とつながることができます。
アカウント名の下には、今そのフレンドがなんのゲームで遊んでいるかが表示され、画面からゲームにすぐに入ることが可能。
ゲームごとのアカウント登録やアバター設定といったエントリー作業が不要なので、「あ、友達がいる!」となればすぐにその場に駆け付けることができます。
さらにゲーム内ではチャットを使って会話ができます。
ゲームでの会話はもちろん、それ以外の話題もチャット機能でやり取りが可能です。
大人はもちろんですが、自分専用のスマートフォンなどの端末を持っていない子どもたちにとって、このチャットは非常に便利なコミュニケーションツールとなります。
つまりは、メタバースであるRoblox全体が広い公園のようなものと言えそうです。
どこで遊ぶかは、プレイヤーが自由に走り回って決められます。その中で、知っている友達に会って合流したり、見知らぬ人と交流したり、仲良くなって友達になったり、伝言板にメッセージを書いてまた遊ぶ約束をしたりといった、遊び場としての機能を担っているのです。
有名ゲームや、映画やアニメをモチーフにしたゲームも
Roblox(ロブロックス)では、さまざまなユーザーが作ったゲームを無料でプレイすることができますが、中には有名なゲーム制作者による公式ゲームもあります。
作り込まれたゲームには相応の楽しさがあり、ゲーム好きも、ゲーム初心者をも魅了しています。
また、映画やアニメなどのIPキャラクターをモチーフにしたゲームも盛りだくさん。
ライセンス元からコンテンツとして正式にリリースされているもののほか、一般ユーザーによる二次創作的なゲームもあり、海賊版ならではの自由な発想を楽しんでいるユーザーも多いようです。
プレイヤーとしても、ゲーム制作&公開者としても楽しめる
Roblox(ロブロックス)は、ユーザーとしてたくさんのゲームをプレイできるのはもちろん、自分でゲームを作って公開することも可能です。
ゲームを作るには専用の「Roblox Studio(ロブロックス スタジオ)」というアプリをダウンロードする必要がありますが、これを使えば専門的なプログラミングの知識がなくとも、豊富なテンプレートをベースにゲームを構築できるようになっています。
自分で作った3Dデータなどを取り込むことも可能ですが、オブジェクトやエフェクトなどは一通り揃っており、誰でも気軽にゲーム作成にトライしてみることが可能です。
また、作ったゲームを公開すれば、プレイヤーたちが気軽に遊びに来てくれます。
Robloxが「ゲーム版YouTube」と呼ばれるのは、自作コンテンツを公開する場としての役割が大きいからです。
プレイヤーと作成者の間に垣根がない
公式ゲームも存在していますが、Roblox(ロブロックス)のメインコンテンツはユーザー生成コンテンツ(UGC)。
プレイヤーとゲームを作った人との属性が近いことも多く、垣根がありません。
作成者もゲームを作って終わりではなく、公開してユーザーが遊んでくれることで反応を知ることができ、ゲームはさらにブラッシュアップされていきます。
ユーザーと作成者との距離が近いことによる相乗効果で、より面白いゲームが生まれる土壌になっているようです。
既存ゲームにはない予想外の展開
非常にシンプルな構成のものから、高度な3Dを用いたゲームまで、Robloxにはさまざまなゲームが存在します。
既存のゲームにはない予想外の展開を見せるものも多く、拍子抜けしたり驚いたりしつつも、クセになるゲームが多いのは事実。
シンプルであるがゆえについもう一回プレイしてみたくなるなど、ハマる人が後をたちません。
Roblox(ロブロックス)がもたらすα世代へのメリット
Roblox(ロブロックス)は、さまざまなメリットを子どもたちにもたらしています。
プログラミング学習が可能
小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、プログラミング教育が必修化されました。
この影響を受けて、子どもたちの習い事でもプログラミング学習は上位にランクインしています。
実践しながらプログラミングを学ぶ教材としては、Scratch(スクラッチ)やMinecraft(マインクラフト)といった人気教材がありますが、Roblox(ロブロックス)もこうした教材同様、プログラミング思考を学ぶのに適していると言えるでしょう。
プレイヤーとしてゲームをしたり、見よう見まねで自分でゲームを作ってみたりするうちに、「これはどうなっているんだろう?」という好奇心からいろいろなことにチャレンジするようになり、可能性を広げていく道筋となります。
オンラインコミュニティでのマナー
Roblox(ロブロックス)はゲーミングプラットフォームであると同時に、多くの人との交流が可能であるオンラインソーシャルコミュニティでもあります。
オンラインでの交流の仕方や個人情報の取り扱い方、課金のルールなどについて、コミュニティの中や自分の家族とも相談したうえで、適切に行う必要があります。
デジタルネイティブと呼ばれるα世代(アルファ世代)の子どもたちでも、こうしたルールについては会得していない場合もあり、Robloxで実践しながら学ぶことで生涯役立つソーシャルスキルを培うことが可能になります。
英語力
日本での普及が広がるにつれ、日本語表記も増えて来てはいますが、Roblox(ロブロックス)、特に開発ツールであるRoblox Studio(ロブロックス スタジオ)は基本的に英語表記となっています。
自動翻訳による日本語で少々不自然な表現になり、意味が分かりづらい場合は英語表記の方が理解が早いこともままあり、ゲームプレイやゲーム制作を通じて直感的に英語が分かるようになってくるといった側面もあるようです。
Robloxに触れているうちに、自然と英語力が身についたり、英語に対する抵抗感が薄れたりといった効果も考えられます。
デザインに親しむ
ゲームをプレイする側から制作する立場になることで、配色や配置など、どうすればより素敵に見えるか、見やすく使いやすくなるか、といったことを考える視点を持つようになります。
この視点から「美しいデザイン」や「使いやすいデザイン」などへの審美眼が養われ、デザインというものに親しむことが可能になります。
ビジネス感覚の獲得
ゲームの中で使えるアイテムを制作し、販売することが可能なのもポイントです。
「みんながほしくなるような魅力的なアイテムとは?」「作ったアイテムを買ってもらうにはどうしたらよいんだろう?」といったことを考えるうちに、商品開発や顧客満足などの、ビジネスに必要な観点が培われるようになることもあるでしょう。
Roblox(ロブロックス)で人気のゲーム紹介
Roblox(ロブロックス)には、RPG、シューティングゲーム、人生シミュレーション、建築ゲームなど、さまざまなジャンルのゲームが存在します。
いくつか人気のゲームをご紹介します。
The Strongest Battlegrounds 最強の戦場
引用:https://www.roblox.com/games/10449761463/The-Strongest-Battlegrounds
アニメキャラを模した技で戦う格闘ゲームが、「最強の戦場」です。
ドカーン、ボカーンといったいかにもアニメチックなド派手なエフェクトで、おなじみの技を次々と繰り出して敵を倒していきます。必殺技のムービーが非常に豪華で小学生に大人気のゲームですが、大人がプレイしてもおなじみの技ばかりなうえに爽快感たっぷりなので、大いに楽しめます。
ひみつのおるすばん
引用:https://www.roblox.com/groups/33331483/Secret-Staycation#!/about
誰もいないお家の中でお留守番をしている食べ物たち。
広い部屋のあちこちに隠れている仲間を探して、冷蔵庫にしまっていくゲームです。
プレイヤー自身も食べ物に変身して仲間を探しますが、食べ物によって大きさが異なり、操作性も違うので、探索しやすい食べ物やお気に入りの食べ物を探し出して変身する、プレイするたびに新たな楽しみが味わえるゲームです。
Welcome to Bloxburg ブロックスバーグへようこそ
引用:https://www.roblox.com/games/185655149/Welcome-to-Bloxburg
フレンドと一緒に散策したり、遊んだり、家を建てたりして楽しむ街「ブロックスバーグ」を自由に建設できる、シミュレーションゲームです。
おいしいものを食べるためにはお金を稼ぐ必要があり、そのために仕事をして対価を得るなど、現実世界に通じる体験をゲームとして楽しむことができます。
Phantom Forces ファントムフォース
引用:https://www.roblox.com/games/292439477/Phantom-Forces-PC
ファントムとゴーストの2チームに分かれて対戦するシューティングゲームです。
チームで協力し合いながら撃ち合う中で、チームプレイや戦術を練る力が試されます。
子どもたちにはもちろん、童心に帰って思う存分撃ち合える!と、大人たちの心も虜にしている、Robloxで最も人気のあるゲームの一つです。
My Hello Kitty Café マイ・ハロー・キティ・カフェ
引用:https://www.roblox.com/games/9346039031/Limited-Free-UGC-My-Hello-Kitty-Cafe-Build
ハローキティをはじめとするサンリオ®のキャラクターたちと一緒に、カフェを経営するゲームです。
想像力を働かせてオリジナルのおいしいドリンクやスイーツを提供してお客様を満足させることで、5つ星カフェの評価の獲得を目指します。
期間限定のサプライズイベントやプレゼント、限定コードの配布などが盛りだくさんで、幅広い層に人気のゲームです。
Adopt Me! アダプトミー
引用:https://www.roblox.com/games/920587237/SUMMER-Adopt-Me
ペットを育てる育成ゲームです
ペットを引き取ってお世話したり、おさんぽにつれて行ったり、レジェンドのペットをゲットしてトレードしたりするほか、夢のお家を建てたり、フレンドとロールプレイをしたり、いろいろな遊び方ができます。
あたらしいペットやおもちゃ、イベントなども豊富で、毎日プレイしたくなる魅力をもったゲームです。
まとめ:Roblox(ロブロックス)の未来とコミュニティの役割
世界中で大人気のゲームプラットフォーム、Roblox(ロブロックス)について解説しました。
Z世代から、その下のα世代(アルファ世代)にまで、遊びのツールとして、コミュニケーションの場として、そしてさまざまなスキルを身に着けられる場としても活用されている、注目のプラットフォームです。
いまどきの子どもたちがどんなことを喜び、どんな風に遊んでいるのかを知ることは、顧客に喜ばれるモノづくりにも大いに役立ちそうです。
消費者に喜ばれる、選んでもらえるオリジナルグッズ作りの参考にしてください。
トランスでは、クライアント企業のみなさまの目的に合わせた企画提案を得意としています。
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どうぞお気軽にご相談ください。
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