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『ロスフラワー』とは|綺麗なまま廃棄されてしまう花を“もう一度咲かせる”取り組み
『ロスフラワー』とは|綺麗なまま廃棄されてしまう花を“もう一度咲かせる”取り組み

「ロスフラワー」という言葉をきいたことはあるでしょうか。
近年SDGsにまつわる文脈で「フードロス(食べ物の廃棄問題)」について耳にすることがあります。
花業界でも同じように、大量の花が廃棄されてしまう事実が問題視されています。

今回はまだ綺麗なのに捨てられてしまう「ロスフラワー」の問題と、ロスフラワーを救う取り組みの事例や活用方法についてご紹介します。

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ロスフラワーとは

「ロスフラワー」とは、まだ綺麗に咲いていてもう少し楽しめるのに捨てられてしまう花のことです。
花が廃棄されてしまうタイミング・理由はいくつかあります。

  • 農場や市場の規格を満たしておらず、出荷できず廃棄
  • 多段階の流通過程を経ることでマージンが膨らみ、店頭に並ぶことができず廃棄
  • 余剰在庫の花の鮮度がおちてしまい廃棄

など、多くの段階で花が廃棄されており、ロスフラワーは全体の出荷数の3割を超えるといわれています。
また、コロナ禍により結婚式やライブイベントが激減し、会場を彩ったりお祝いに贈ったりする花のニーズも激減し、消費者の手に届くことなく廃棄されてしまう問題が急上昇しました。

ロスフラワーの課題を解決する取り組みが活発化

ここ数年で多くの企業、社会全体でSDGsへの取り組みが活発に行われるようになりました。
そこで注目されたのが、コロナ禍で急上昇したロスフラワー問題です。
販促施策でも環境に配慮した商材を取り入れたい企業と、コロナ禍で加速したロスを削減したい花業界との需要と供給がマッチし、現在各地で話題になっています。

ロスフラワーを救う方法としては、

  • 装飾に使用した後に再利用する
  • 余剰や規格外の花を活用する
  • 廃棄そのものを削減する

などの方法が考えられます。

ロスフラワーを活用した取り組みを推進するためのキャンペーンや特設サイトが立ち上げられたり、ロスフラワー削減に特化したブランドが立ち上がったりと、花業界ではロスフラワーの認知度を高める動きが見られます。

ロスフラワーを活用した企画の事例をピックアップ

美しいままの花が捨てられてしまう事に心を痛めた花業界では、各業界と手を組みロスフラワーを積極的に活用した企画が行われています。
特にここ2年間ほどで事例は増えており、その注目度の高さがうかがえます。
ここではロスフラワーが企業の販促施策に活用された事例をピックアップしてご紹介します。

ラフォーレ原宿 館内装飾、期間限定ショップ、ノベルティにロスフラワーを活用

参照:https://www.laforet.ne.jp/

2020年のクリスマスイベントに、ロスフラワーを使用したオブジェが展示されました。
“街に咲くロスフラワー”というテーマのもと、エントランス、館内の通路や階段などのスペースを彩りました。
館内には、ロスフラワーに新たな価値を与える活動をする「フラワーサイクリスト」が期間限定ショップをオープンし、ロスフラワーを使用した作品が販売されました。
また、館内で7,000円以上買い物した来場客には、ドライまたは生のロスフラワーが1本プレゼントされ、クリスマスの時期にぴったりのノベルティとなりました。
原宿の街を彩り、ロスフラワーの存在を来場客や通行人に認知させるイベントとなりました。

くずはモール 展示したロスフラワーのオブジェをブーケにして配布

参照:https://hirairo.com/see/kuzuhamall-rin-17073

大阪府・くずはモールにロスフラワーのオブジェが展示されました。
オブジェには、花が散り処分されてしまう桜の枝や、セカンドユーズ品のカゴを基礎に使うなど、ロスフラワー以外の部分でもごみの削減に貢献しています。
展示期間の最終日には、オブジェに使用したロスフラワーは来場したこどもたちにノベルティとしてプレゼントされました。
配布することで廃棄せずに最後まで花を楽しんでもらいながら、こどもたちにごみの削減を通し、環境問題について考える機会を提供できる企画となっています。

BOTANIST SNSと連動しロスフラワーを配布するキャンペーンを実施

参照:https://i-ne.co.jp/news/58756/

BOTANISTは「一歩踏み出す、自然と変わる」をテーマに、SNS・ポップアップショップが連動したキャンペーンを展開。

企画は、SNSキャンペーンに賛同した参加者の人数分のロスフラワーを仕入れ、ポップアップショップでノベルティとして配布するという内容。
ノベルティの瓶入りロスフラワーは店頭に展示され、買い物客が自分で選ぶことができます。
ユーザーを企画に参加させることで、ユーザーにサステナブルな取り組みに貢献するという意識を持ってもらう効果が期待できます。
キャンペーンと同時に、渋谷、道頓堀、名古屋、上海、パリの都市に木々や草花が溢れるという動画を公開しました。
キャンペーンに参加する小さなアクションがサステナブルな世界を作っていくという想いが込められています。

Greenery ロスフラワーを使ったグッズを販売

参照:https://flowerium.shop-pro.jp/?pid=163664289

株式会社Greeneryは、「FLOWERiUM」(フラワリウム)®(=ハーバリウム)を始め、花を使ったグッズを企画販売しています。
商品を製造する際に花を選定しますが、廃棄はほぼゼロだそう。
廃棄されるはずの花は、ドライフラワーなどに加工し、別の商品に活用する「お花の循環」に取り組んでいます。
2022年3月には、リラックスアイテムとして注目度が高まる”パロサント“(お香)をドライフラワーと一緒に瓶に詰めたセットなどを販売開始。
人気上昇中のパロサントとロスフラワーを組み合わせた新商品をリリースし、ロスフラワーの認知を拡大させています。

FLOWER 廃棄を生まないシステムで新鮮な花をお届け

参照:https://flowr.is/

ブーケを購入できるFLOWERは、ロスを生まないように取り組んでいる通販サイト。
一般的に、花業界では、【生産者→市場(卸売業者→仲介業者)→小売店】という過程を経て消費者の手元に届けられます。
FLOWERでは、市場で仕入れた花をすぐに販売しているため、新鮮な花を届けることができます。
移送による鮮度低下、マージンが膨らむことによるフラワーロスの可能性を取り除き、低価格で新鮮な花がたっぷりと束ねられたブーケを販売しています。
また、売れ残りによる廃棄を防ぐため、通常商品の入荷数を少なめに設定しているようです。
登録者だけに花を届けるサブスクリプションサービスも、ロスフラワーを防ぐ役割を果たしているといえます。

まとめ:ロスフラワーを販促に活用するメリット

ロスフラワーを活用した企画は、花業界を支えるとともに、サステナブルな社会を目指す意識に繋がります。
また近年、サステナブルな素材を使ったノベルティを企画している企業が増えていますが、ノベルティとして花を渡している事例は多くはないため、他社との差別化を図れるでしょう。
ノベルティとして配布し飾ってもらった後は手元には残りませんが、「素敵なお花をもらった」企業として強く印象に残るのではないでしょうか。
なにより美しいお花は、もらう側も渡す側も、明るく晴れやかな気持ちにしてくれるので、こうした取り組みが増えるとうれしいですね。
環境にも人の心にもやさしくできる“ロスフラワー”をノベルティに活用してみてはいかがでしょうか。

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セウヘイ

株式会社トランス社員。家に観葉植物を5種類おいています。案外愛着が湧いて、花が咲くとうれしいですし、枯れるとかなり寂しいです。よく枯らしてしまうので、毎度一人で落ち込んでいます。

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